chattalk_51090601
キョウスケ:皆様にお願いがあって告知をしております
キョウスケ:現在、我が家は鬼龍盗賊団に犯行予告を受けております
キョウスケ:恥知らずの奴らは我が家に伝わる家宝の所有権を主張
キョウスケ:あまつさえ鬼龍盗賊団の創始者である英雄の名の下にそれを簒奪するつもりです
キョウスケ:たしかに鬼龍盗賊団はかつては義賊であったかもしれません
キョウスケ:しかし、信も義もなく今のやつらはただの無法集団でしかありません
キョウスケ:正義のありかを示すため鬼龍盗賊団を退けるため家宝を守りぬくために!
キョウスケ:護衛を募集しております
キョウスケ:腕に自信のある方は掲示板までお越しください
キョウスケ:121
キョウスケ:掲示板はお近くの場所で大丈夫です
キョウスケ:掲示板でたぬ彦殿から詳細を聞いてください
キョウスケ:何卒、何卒お願いします
talk_51090101
タヌヒコ:おめえ達も護衛に参加するつもりなのかい?
ソル:護衛……?
タマモ:さっきのアレじゃない?
ソル:鬼龍盗賊団とかいうのが家宝を狙っているってやつか?
タヌヒコ:おう、そのことでぃ
ソル:詳しく聞かせてもらってもいいか?
タマモ:余計なことに首をつっこむと……なんて、言うだけ無駄だよね
ソル:酷い言われようだな
タマモ:否定できないでしょ?
ソル:う……まあ、そうだけど……
タヌヒコ:話はまとまったみてぇだし続けてもいいか?
ソル:っと、悪かった。頼めるか?
タヌヒコ:最近、鬼龍盗賊団ってのが幅を利かせているんでぃ
タマモ:盗賊団なんてものがあるんだ?
ソル:どうしてそんなのを放っているんだ?
タヌヒコ:鬼龍盗賊団はもともと義賊だったんでい
ソル:元々ってことは前からあったのか?
タヌヒコ:ああ、2人の英雄が作った古い盗賊団だよ
タマモ:盗賊団なのに英雄って変じゃない?
タヌヒコ:弱きを助け強きを挫くってやつだな
ソル:正義の味方みたいなもんか
タヌヒコ:昔はそうだったんだがな
タマモ:そういう言い方をするってことは今は違うの?
タヌヒコ:そうでぃ。鬼龍盗賊団の名前を使っているまがい物だ
タヌヒコ:今回の犯行予告もそうだが最近、やつらの動きがどんどん活発化しててな
タヌヒコ:その上、盗みの手口が荒っぽくなってるんでい
タヌヒコ:まだ人死にはでてねぇんだがそれも時間の問題だろうな
タマモ:それは放ってはおけないね
タヌヒコ:とはいえ逃げ足も速く、頭の正体もよくわかってねえんだ
ソル:どうするか決められねーけど依頼人に話を聞くだけ聞こう
タヌヒコ:わりぃけど頼むぜい
タヌヒコ:華遊っていう案内人がいるまずはそいつに会ってくれい
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カユウ:私は華遊お初にお目にかかる
ソル:天条ソルだ
タマモ:葛葉たまもよ
カユウ:たぬ彦殿から話は聞いてる
タマモ:よろしくね
カユウ:家の恥をさらすようだが正直に言って、困っているのだ
カユウ:鬼龍盗賊団を相手するのに力を貸してほしい
タマモ:力になれるかどうかやってみないとわからないよ?
カユウ:そこは、たぬ彦殿の慧眼に期待するとしよう
タマモ:期待に応えられるようにがんばるしかなさそうね
カユウ:さっそく話がしたいのだがかまわないか?
ソル:ああ、オレ達はそのために来たんだ
カユウ:では、陽炎の里まで案内するので同道をお願いする
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ソル:さっそくだけど、話を聞かせてもらえるか?
カユウ:では、鬼龍盗賊団について説明をさせてもらおう
カユウ:遥か昔、悪政を敷いて民を苦しめる領主がいたのだ
カユウ:相手が領主や権力者だから戦う術の無い庶民は逆らえず唯々諾々と従うだけだった
カユウ:そこで立ち上がったのは2人の盗賊だった
カユウ:名を鬼平と龍影と言う
ソル:……盗賊が?
カユウ:おかしな話と思うかもしれないが間違いない
カユウ:彼らが狙ったのは権力者や悪徳商人だけだったのだ
カユウ:隠し持っていた金銀財宝を盗み出し民に配って回ったそうだ
タマモ:甘い汁を吸って私腹を肥やす
タマモ:そんな悪を正す正義の味方ってわけね
ソル:そういうのは義賊って言うんじゃないのか?
カユウ:そう呼ぶ人もいただろう
カユウ:だが、本人達はそんなふうに思っていなかったようだ
ソル:へえ……本人達は違ったわけだ
カユウ:だが、民は2人の行動を賞賛し支持をしたそうだ
タマモ:そうなるのも当然ね
カユウ:そんな中、彼等を慕って人が集まり巨大な盗賊団が生まれたのだ
ソル:それが鬼龍盗賊団ってわけか
タマモ:そこまでのことをしてたのにどうして義賊団じゃないの?
カユウ:いくら世直しと民のためとはいえやっていることは盗みに違いない
カユウ:……そう言っていたそうだ
タマモ:偽悪的ね。まあ、でも気持ちはわからなくもないかな
ソル:けど、問題が起きたんだな?
カユウ:その通りだ
カユウ:最初は民のためにしていたことも代を重ねて行くうちに……
ソル:本来の目的を見失った
タマモ:組織なんて大きくなったり長く続けば腐るものだしね
カユウ:鬼平と龍影がいなくなったのが大きかったと聞いている
タマモ:組織のリーダーは大事よね~
ソル:で、今の奴らはその義賊の名前を騙って好き放題してるわけか
カユウ:いまや鬼龍盗賊団はならず者の集団でしかなくその名も地に落ちている
ソル:……そういうことか
タマモ:いくつか気になることはあるけど事情はわかった
ソル:今回の依頼は盗賊団が狙う家宝の護衛なんだろ?
ソル:それだけでいいのか?
カユウ:詳細については兄から説明があるはずだ
カユウ:呼んで来るので少し待っていてほしい
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カユウ:兄の京介です
キョウスケ:お初にお目にかかります華遊の兄、京介と申します
ソル:天条ソルだ
タマモ:わらわは葛葉たまもよろしくね
キョウスケ:こ、これは……ご丁寧に
カユウ:兄さま、女性の顔を凝視するのは失礼だぞ?
キョウスケ:あ、ああ。申し訳ありません
タマモ:大丈夫。気にしないでいいから
ソル:さっそくで悪いけど話を聞かせてもらえるか?
キョウスケ:華遊からはどの程度の話を聞いていますか?
タマモ:鬼龍盗賊団の成り立ちについては聞いたわ
カユウ:それ以外、詳しいことは何も説明をしていない
キョウスケ:では最初からご説明いたします
キョウスケ:やつらが狙っているのは当家の家宝、妖刀華月です
タマモ:そんなにすごい刀なの?
キョウスケ:刀の歴史的な価値もありますが盗賊団の狙いは別のことでしょう
タマモ:ただの刀以上の何かがあるってこと?
キョウスケ:これは鬼龍盗賊団の英雄が使っていた刀なのです
ソル:鬼平と龍影だったっけ?
キョウスケ:はい。2人は多くの武器の扱いに長けておりました
キョウスケ:華月と美月はその中の1つになります
タマモ:家宝は華月だけなの?
カユウ:美月は今、失われているのだ
ソル:盗まれたのか?
キョウスケ:先代か先々代の頃に紛失したと聞きましたが詳細は……
タマモ:残り1本しかないの?
カユウ:鬼龍盗賊団の英雄の持ち物しかも残りは1つしかない
キョウスケ:自分達に箔を付けるために狙っているのでしょう
タマモ:わらわ達は盗賊団から華月を守ればいいってわけ?
カユウ:刀は厳重に保管してあるのでいかに鬼龍盗賊団といえど盗み出すのは難しいはずです
タマモ:じゃあ屋敷の見回りとか?
キョウスケ:はい、そうしていただけると助かります
ソル:それで本当にいいのか?
キョウスケ:と、言いますと?
ソル:守ってるだけじゃ根本的な解決にならないんじゃないか?
タマモ:そうね。例え華月を守れても違う何かが標的になるだけだし
カユウ:確かにそれにこのまま放っておけば鬼龍盗賊団の名を傷つけるだけだ
キョウスケ:盗賊団を壊滅できたら解決しますが奴らの根城がどこかわからず……
ソル:根城がわかればほぼ解決するな
タマモ:でもそれが難しいって話だし
キョウスケ:奴らの根城には盗んできた財宝の数々が保管されているはずです
キョウスケ:なので簡単に見つかるような場所ではないかと
ソル:盗んだ財宝の保管……
タマモ:ソルち?
ソル:こんな作戦はどうだ?
カユウ:なんと!?
タマモ:ムチャクチャだよ!
ソル:けどこの方法なら奴らの根城はわかるだろ?
キョウスケ:確かにわかります
タマモ:危険すぎない?
ソル:上手くいくようオレ達が働くってわけさ
タマモ:口で言うのは簡単だけど~
カユウ:兄さま、どうする?
キョウスケ:危険ですがやってみましょうこちらからも攻めないと解決しませんから
ソル:そうこなくっちゃ!
キョウスケ:盗賊団の壊滅のために力を貸していただけますか?
タマモ:たぬたぬにも頼まれているし信頼を裏切れないものね
ソル:決まりだな!
タマモ:その依頼、請けるわ
キョウスケ:ありがとうございます
ソル:盗賊団について他に情報があれば教えてもらえないか?
キョウスケ:あいにくと大した情報は無いのですが……
カユウ:盗賊団の1人を見知っていた者がある場所で目撃したと聞いています
キョウスケ:場所についてはご説明をいたしますが……
ソル:そこにいるとは限らないってことだよな?
キョウスケ:当家でも探っているのですがなかなか尻尾を掴むことができずにおりまして……
タマモ:とりあえず、現場へ行って調べてみようか
ソル:そうするしかなさそうだな
キョウスケ:心苦しいのですがお願いいたします
chattalk_51090202
タマモ:ねえ、これって何かわかる?
タマモ:202500171
キョウスケ:17
キョウスケ:おそらく盗賊の道具袋だと思います
タマモ:へえ、つまり…
キョウスケ:手がかりになるかもしれません持ってきてもらえますか?
タマモ:1
キョウスケ:他にも何か気づいたことはありませんか?
ソル:足跡みたいな変な跡が残っているな
ソル:何かわかるかもしれない追ってみよう
タマモ:18
キョウスケ:わかりましたお願いいたします
キョウスケ:ですが無理をしないように気をつけてください
タマモ:ありがと、そのつもり
chattalk_51090203
ソル:盗賊団がモンスターを使役してたなんてな
キョウスケ:まさかそのようなことをしていたとは…
タマモ:…盗賊団を壊滅させる理由が増えたわね
ソル:早くどうにかしないと被害が大きくなりそうだ
タマモ:もう少し奥まで探す?
ソル:隠れている可能性もあるか
タマモ:15
ソル:18
キョウスケ:17
キョウスケ:部下から盗賊団の首領を見たと、報告がありました
キョウスケ:忍用心棒ガマガエルと一緒だったそうです
タマモ:41
ソル:モンスターを使役…間違いなさそうだな
ソル:末端をいくら叩いても意味はないってことか
タマモ:首領を探しに行くのがよさそうだよ
キョウスケ:25
ソル:3
chattalk_51090204
カユウ:あのモンスターを倒したのですか…
キョウスケ:たぬ彦殿の言葉に偽りはなかったようですね
ソル:う~ん…
タマモ:敵を倒したっていうのに浮かないわね
ソル:なあ、なんだか妙だと思わないか?
タマモ:妙って?
キョウスケ:何か気になることがありましたか?
ソル:ここまで動いているのに首領の姿が見えない
タマモ:そう言えば何の痕跡もないね
ソル:接触してきたこともないし…
キョウスケ:たしかに気になりますが…
タマモ:これ以上、ここで考えててもしかたないよ
カユウ:では、一度戻って来てはいかがでしょう?
ソル:…そうだな
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キョウスケ:ありがとうございます
カユウ:これほどあっさりと倒すとは驚いた
ソル:首領はどこにいるんだと思う?
タマモ:さっきもそんなこと言ってたよね?
ソル:もしかしたら近くでオレ達の動向を探っているんじゃないか?
キョウスケ:確かに盗む機会をうかがっている可能性はありますね
タマモ:もしかして気づかれないうちに盗まれてたりとか!?
ソル:華月は無事か?
カユウ:誰一人、華月に触れたりしていない
キョウスケ:おかげさまで無事です
ソル:……偽物にすり替えられたりしていないよな?
カユウ:そのようなことは不可能だ
タマモ:本当に? 断言できる?
タマモ:盗み出す自信がなければ予告なんてしないでしょ?
キョウスケ:では、念のために華月を確かめましょう
-:京介は厳重にしまわれていた刀を慎重に取り出すとソル達の眼前へと置いた。
キョウスケ:こちらが華月です
タマモ:妖刀だなんて言うけど綺麗ねよく見せてもらっていい?
キョウスケ:もちろんです
タマモ:待って、そいつに渡さないで!
キョウスケ:え……!?
ソル:たまもさんが2人……?
タマモ:そいつはわらわに成りすまして刀を奪うつもりよっ
タマモ:わらわが本物だし!偽物はあんたのほうでしょっ
タマモ:何を言ってるのよっ偽物はあんたのほうよっ
カユウ:どちらが本物なんでしょう?
タマモ:わらわよっ
タマモ:わらわだってば!
キョウスケ:盗賊団の首領は姿を変えるという報告がありましたが……
ソル:目の前にいるたまもさんのどちらかは盗賊団の首領ってことか
タマモ:ソルちなら、どちらが本物かわかるでしょ?
タマモ:もちろん、そいつが偽物だけど!
キョウスケ:……まいりましたどちらも本物に見えます
ソル:オレにもどっちが本物かわからない
タマモ:ちょ、ちょっとぉ、本当にわからないわけ!?
タマモ:ずっと一緒だったじゃない偽物が入れ替わる暇なんてなかったってわかるでしょ?
ソル:それは……
タマモ:そんなものいくらでもごまかしようがあるわっ
ソル:そうだな
タマモ:どっちが偽物かわかんないの?
ソル:いや、どちらが本物なのか判別する方法がある
タマモ:どうやって確かめるの?
ソル:それはだな……
タマモ:なに?
ソル:う~ん……どうしよっかな
タマモ:何悩んでるの?
ソル:いや、これやるとたまもさん怒りそうだからさ
タマモ:怒らないよ
ソル:本当に?
タマモ:うん
ソル:でもな~
タマモ:早く言ってよ!
タマモ:早く言うのじゃ!
ソル:よし、本物のたまもさんを見つけたぞ
タマモ:ふふん、さすがソルち信じてたよ
ニセタマモ:は? 何を根拠に言ってるのよ?
ソル:根拠はあるよ
ニセタマモ:是非、教えてくれない?
ソル:たまもさんはな、興奮するとおばさん口調になるんだよ!
タマモ:もっと小さい声で言うのじゃ!
ニセタマモ:くっ……ババア路線で行くなんてマニアックすぎだろ……
タマモ:ババアって言うな!!ピチピチのギャルじゃ!!
ソル:ピ、ピチピチ……?
タマモ:き、気にするでない!
ソル:相変わらずたまもさんはよくわからないこと言うぜ
ニセタマモ:ちっ、もう少し時間があればきっちり調べられたんだがな
カユウ:飛んで火にいる夏の虫神妙にお縄につくがいい!
ニセタマモ:目的は達したし、長居は無用かあばよっ
ソル:……逃げたみたいだな
タマモ:わらわに化けるなんて許せないわね
カユウ:兄さま、華月がっ!!
タマモ:なくなってる……!?
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キョウスケ:どうやら見事にやられたようですね
タマモ:そうだね、もう追う?もう少し待つ?
キョウスケ:たまもさん、急いで追う必要はありません
ソル:そうだな。追うにしても少し待ったほうがいい
タマモ:了解
カユウ:ソル殿、お見事
ソル:ちゃんとエサに食いついてくれたな
タマモ:偽物とはいえまさかわざと盗ませようだなんてね
カユウ:最初に聞いた時は驚いた……
タマモ:わらわも
ソル:偽華月を盗ませてそれに宿る魔力の痕跡を追っていけば
キョウスケ:あいつらが根城にしてる場所がわかります
キョウスケ:問題はいかに偽物を本物と思い込ませるかでした
ソル:まがりなりにも盗賊団の首領なんだお宝を見抜く目は持っていると思う
カユウ:まさか奴らも偽物を厳重に保管するとは思うまい
タマモ:これくらいやっておかないとすぐ偽物ってバレちゃうね
ソル:さて、そろそろいいだろうあいつを追いかけるぞ
キョウスケ:危険なことをお願いして申し訳ない
タマモ:気にしないで
キョウスケ:よろしくお願いいたします
タマモ:わらわの偽物を……盗賊団の首領を絶対に捕まえるよ!!
talk_51090302
ソル:この先がヤツの根城みたいだな
タマモ:尾行を警戒している様子はなかった罠だったりして
ソル:可能性はあるけど……オレ達に根城の位置を知られてまで誘いこむ意味はないんじゃないか?
タマモ:そう考えるのが自然ねだけど違う考え方もあるよ?
ソル:あ……そうかあの場所は本当の根城じゃない……
タマモ:わらわ達を誘いこむ罠かもしれないモンスターがいるかもしれない……そう考えて行動しよ
タマモ:油断は禁物。窮鼠猫を噛むって言うじゃない?
ソル:そうだな。ここは慎重に……
タマモ:モンスターがいても罠を張っていても蹴散らすよ!
ソル:へ……?
タマモ:あいつを逃がさないためにも一気に踏み込むのじゃ!
ソル:え? あ、ああ
タマモ:ふふふ……わらわのモノマネをしたこと後悔させてやるぞい!
talk_51090303
ニセタマモ:……へっ、やるじゃねえか
ニセタマモ:まさかここまで追い詰められるとは思ってもなかったぜ
ソル:その顔でその言葉遣いはやめてくれ。変な気分になる
タマモ:あんた達よりもわらわ達のほうが一枚上手だっただけでしょ
ニセタマモ:くっくっく。あーはっは
タマモ:何がおかしいのよっ
ニセタマモ:さて、上手なのはどっちだってな
ニセタマモ:罠を仕掛けたのはお前らだけだと思うなよ?
ソル:まさか、気付いていたのか!?
ニセタマモ:この刀が偽物だってことか?
ソル:その口調だと、お前はすぐに気付いたのか?
ニセタマモ:……いや、よく出来てやがる持ち帰る時にじっくり見るまで気付かなかったぜ
タマモ:素直に負けを認めて投降したほうがいいんじゃない?
ニセタマモ:俺がお前らの言う通りにすると思うか?
タマモ:しないでしょうね
ニセタマモ:わかってんじゃねえかとはいえ、お前らの実力を見誤ったのは失敗だったがな
ソル:根城の位置はわかったんだもう逃げられないぞ?
ニセタマモ:ああ、ここのことか?ここは隠れ家の1つだ
ニセタマモ:本拠地に誘いこむわけがねーだろ
ソル:だったら本拠地を教えてもらうだけだ
タマモ:ずっとわらわの姿なのも不愉快だし……
タマモ:その軽口を叩けなくしてあげる覚悟しなさい
ニセタマモ:おおっ、怖い怖い。怖いから俺は逃げることにするぜ
ソル:逃がすと思うか?
ニセタマモ:残念だが、準備が整ったようだぜ?
ソル:準備……?
ニセタマモ:こういうことだよっ!!
タマモ:な、なんなのっ!?
ニセタマモ:わりぃがトンズラさせてもらうぜ!
ソル:……いない
タマモ:まだ仲間がいたのね
ソル:色々と話していたのは時間かせぎだったのか……
タマモ:思っていたよりも手強いね一筋縄じゃいかなそう
ソル:とりあえず、京介さんに報告しなくちゃな
chattalk_51090304
ソル:…ということでやつには逃げられたすまない
キョウスケ:仕方のないことです一筋縄ではいかない相手ですから
キョウスケ:それに、私達に何の収穫も無いわけではありません
タマモ:わかったことがあるの?
キョウスケ:これを見てもらえますか?
キョウスケ:222400321
ソル:よくわかんない切れ端か
タマモ:それがどうしたの?
キョウスケ:暗号になっていたので一部ですが解読しました
タマモ:24
キョウスケ:どうやら根城の位置を記しているようです
ソル:これを持っているヤツを倒して集めれば…
タマモ:あいつらの本拠地がわかるってわけね
chattalk_51090305
ソル:謎の暗号、これだけ集めれば十分じゃないか?
ソル:222400321
キョウスケ:24
タマモ:京介さん、これで足りる?
キョウスケ:つなげてみないとわかりませんが…
キョウスケ:それだけあれば奴らの根城を特定はできると思います
タマモ:それじゃ一度、戻るわね
talk_51090306
キョウスケ:お預かりします
カユウ:これで奴らの居所がわかるはず
タマモ:わかったら教えてもらえる?叩きのめしてくるから
キョウスケ:も、もちろんですともいの一番にお知らせします
ソル:……たまもさん、やる気だな
タマモ:ふふふ。ソルちも自分の下品なモノマネをされたらわかるよ
ソル:たまもさんのモノマネだけはしないでおくわ……
talk_51090401
キョウスケ:謎の暗号をつなげ、暗号の解析を終えました
タマモ:ずいぶん早かったね
ソル:それで、どうだったんだ?
キョウスケ:ヤツらの根城の位置を示したもので間違いないようです
ソル:じゃあ、それがあれば……
タマモ:あいつらがいる場所へ行けるってことね!
キョウスケ:偽の刀を掴まされたのに素知らぬふりをして誘いこむような相手です
キョウスケ:罠の可能性も否定できませんがおそらく間違いないかと
ソル:さすがにそこまで用意周到に罠を張ったりはしないだろ
キョウスケ:私もそう思います
タマモ:それじゃ乗り込もう
タマモ:わらわのモノマネをしたこと後悔させてやらなくちゃ!
ソル:お、おう、そうだな
キョウスケ:苦労して手がかりを得たのですから今度こそ奴らを成敗しましょう
タマモ:そうね。次はぜっったいに逃がさないからっ!
talk_51090402
タマモ:……ここまでみたいねいいかげん、諦めなさいっ
ニセタマモ:くっくっく……
ソル:何がおかしいんだ?
ニセタマモ:こんなに追い詰められるとは思ってもみなかったぜ
タマモ:正体を見せたらどう?
ニセタマモ:正体だと……?
タマモ:わらわのモノマネをやめろと言ってるのよっ
ニセタマモ:モノマネだなんてひどーい
ニセタマモ:こんなにそっくりなのにー
タマモ:ふふっ、わらわのつもり?それのどこが似てるのかしら?
ニセタマモ:おっと、そう言えばババアだったな
タマモ:ババアって言うな!!
ニセタマモ:うるさいのじゃ!
タマモ:ふふ、ふふふふふ……これよりわらわ……
タマモ:修羅となる!!
ソル:やべ、たまもさんがマジだ
ニセタマモ:どうやら似すぎていたみたいだな
タマモ:おかげさまで怒りで攻撃力が倍になったわ
ニセタマモ:怖いのじゃ
タマモ:遺言はそれでいい?
ニセタマモ:言っていいならいくらでも続けるけど?
ソル:たまもさん、前と同じように時間稼ぎかもしれないっ
ニセタマモ:なんだ、そっちの小僧はなかなか鋭いじゃねーか
タマモ:無駄よ。わらわ達から何度も逃げられるとは思っていないでしょ?
ニセタマモ:しかたのない事とはいえずいぶんと舐められたもんだな
ニセタマモ:お嬢ちゃん、俺がこの程度の変化の術だけで鬼龍盗賊団をまとめていると思ってるのか?
ニセタマモ:見せてやるよ。変化の術を極めればどんなことができるのかを!
ニセタマモ:俺の真の力を見て生きて帰れるとは思うなよ!
ニセタマモ:ゲッゲッゲ。ミタめだけデなくチカラもコピーできルんだゼ
ソル:カエル……?
タマモ:…………ええぇー
ニセタマモ:ナんデふまんソウなカオをシテいるンだ?
タマモ:わらわの姿からカエルってそれはないんじゃない?
ニセタマモ:なにヲわけのわからんコトをとにかくシねエエェ!
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タマモ:はあ……すっきりした!
タマモ:これでわらわの偽者が現れたりしないでしょ
ソル:思っていたよりも手ごわかったただのカエルじゃなかったな
ニセタマモ:ゲブ、ブブブ……まだダこれデおわりトおもウな
ソル:おいおいマジか……
タマモ:倒したはずなのにいい加減しつこいっ!
ニセタマモ:オマエたちモミチづれにシテやるゾ
ソル:まだ変化している……たまもさん、気をつけろっ
タマモ:冗談じゃないわ例え極楽浄土でもあんたと一緒ならごめんよ!
ニセタマモ:ゲコオおオぉォおっ!!
ソル:え……?
タマモ:たあっ!!
ニセタマモ:ゲロロロッゲコおぉっ!!
タマモ:これでもダメなのっ!?
ソル:しぶと過ぎるだろ……
ニセタマモ:ミチづれ……おマエら……イッしょに……
タマモ:まだ何かするつもりなのっ!?
ニセタマモ:ゲブっ、ゲコ、ゲゴッ
ソル:あいつの足元にあるの……刀……?
タマモ:華月……?
ソル:たまもさん、アレはなんかヤバそうだ!
タマモ:わらわがあいつを抑えるからその間にっ!
ソル:ああ……!!
タマモ:ハッ!!
ニセタマモ:グケコオオオオっ!?
-:たまもは首領に対し痛烈な一撃を与えた。
-:そしてソルはそのわずかな隙を逃さず落ちていた刀に手を伸ばす。
ソル:……っ!?
???:……か……こえ……るか……?
ソル:頭の中に声……?なんだ、これ……?
タマモ:あいつがやってるの?
ソル:いや、違うみたいだ
???:きこえ……わしの声が……
???:わしの名……は鬼平……
タマモ:鬼平って、盗賊団にいた英雄の1人の?
鬼平:その刀、美月に宿っていた記憶じゃ……
ソル:美月に宿っていた?鬼平……?
ニセタマモ:オニヘいだと……?
鬼平:あんな野郎に鬼龍盗賊団を名乗らせるのはがまんできねぇ
鬼平:あいつを叩きのめすために力を貸す……やってくれ……
タマモ:よくわからないけどわかったわ!
ソル:ちょ、ちょっとたまもさんっ!?
鬼平:……感謝する
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ソル:うおおおおっ!!
タマモ:はああああああっ!!
ソル:なんだこれ……まるで快眠して迎えた朝の気分だ
タマモ:凄く体が軽い……これが鬼平の力なの?
ニセタマモ:ムダなことヲこんドこソオまえラをころシテやる!
ソル:根拠はないけど断言できるぜ!お前に勝ち目はない!
タマモ:鬼平の力、使わせてもらうわっ!!
ニセタマモ:デんセつのギゾクをカタるなどしょうシせんバン!
ソル:騙りかどうか、その身でもって味わうがいいさ!
ニセタマモ:ゲロオウゴゴゲコウウっ!?
ニセタマモ:このワザこのコブシこのイリョク……
ニセタマモ:まサか……まさカほんモノなのか……?
ソル:最初からそう言ってただろ
タマモ:そういうこと。覚悟しなさい
ニセタマモ:ま、マテ、おニへいナラバなぜオレのジャマをする
ニセタマモ:なぜ、いマなんだ?どウしてそンナやつラにチカラをかす?
ニセタマモ:オレたちガ、オれがどれほどおにヘイのようニなろうトしてキタとおもってルんだ!!
ソル:私欲のために盗み、罪のない人に迷惑をかけていたやつが何いってんだ
ニセタマモ:キリュウとうゾク団をオおキクしてやったんだゾ?
ニセタマモ:ギゾクなどもはやジダイおくれダチカラがあれば何でもデキる
ニセタマモ:オレならば、おニへいのヨウニエイゆうになったものヲ!
ソル:違うだろ? 鬼平はそんなことを望んだりしてない
ニセタマモ:キサマキサマキサマキサマァ!
タマモ:これで最後よっ!!
ニセタマモ:ぐあアアアアあああっ!?
ソル:今のは……
タマモ:鬼平の力、みたいね
タマモ:これってどういうことなのかしら?
ソル:とりあえず、ここを出よう話はそれからだ
タマモ:ソルち、さっきのは何だと思う?
ソル:美月に触れたら急に記憶が流れこんできて……
タマモ:わらわも同じように感じた
ソル:記憶が本物なら鬼龍盗賊団の鬼平のものだよな?
鬼平:ああ、そうだ
ソル:うおっ!?
タマモ:また、声が聞こえるんだけど!
鬼平:騒がしいやつらだな
ソル:いきなり頭の中で他人の声が聞こえたら普通は驚くだろ?
鬼平:そりゃもっともだな
タマモ:で、なんでこんなことになってるわけ?
鬼平:そうだなぁ、ちと長い話になるが聞いてもらえるか?
タマモ:聞くしかないでしょうね
ソル:そうだな
-:鬼平は何があったのかをゆっくりと語り始めた。
-:自分と仲間が作り上げた鬼龍盗賊団を悪用されていたこと。
-:それをどうにかしたいと考えていたこと。
-:刀に触れたソルの気配を感じ手伝いを頼む代わりに力を貸したことなど。
タマモ:理由はわかったけど……大丈夫なんでしょうね?
鬼平:お前達にはわしが身に着け培った技が継承されたが記憶は記憶にすぎねえ
鬼平:生きざまや人格までは継承されねえはずだ
鬼平:それに、まだ全ての記憶を受け入れられる状態でもないだろうな
鬼平:今はいつも通りのはずだ
ソル:さっきの凄い力……あれを使いこなすことができたら……
タマモ:はあ……まあ、いいわ
タマモ:とにかく鬼龍盗賊団についてはこれで一件落着なのよね?
ソル:後は京介さんに経緯を報告して美月も渡さないとな
タマモ:鬼平のことについて知ってることも聞かせてもらわないと
タマモ:ややこしいというか面倒なことになっちゃったわね……
鬼平:ま、せいぜい修行するこったな
鬼平:お前達は素質あるからいずれわしの全てを受け入れられるだろう
鬼平:その暁には、わしの異名も継承するがいい
ソル:異名? 何て異名なんだ?
鬼平:わしはな……
ソル:ん? 鬼平?
タマモ:声、聞こえなくなっちゃった
ソル:ったく、いい所でいなくなるんだからよ
タマモ:まあいいじゃないとりあえず戻りましょ
ソル:そうだな
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ソル:……というわけなんだ
キョウスケ:美月が奴らのアジトにありそれに鬼平さまの記憶が……?
カユウ:疑うわけではないがそれは本当なのか?
タマモ:証明はできないけれどソルちの話が事実だってことわらわが保証するよ
キョウスケ:あなた達がそう仰るなら事実なのでしょう
タマモ:そんなに簡単に信じていいのかしら?
キョウスケ:簡単ではありませんただそんな嘘をつく理由が見つかりませんので
カユウ:えぇ、意味のない嘘をつくのは特殊な人達だから
キョウスケ:では改めまして
キョウスケ:華月を守っただけでなく美月も取り戻していただきまことにありがとうございます
キョウスケ:華月と美月。二振りの刀は鬼平さま達の志と共にしっかりと継いでまいります
ソル:鬼平もきっと喜んでるだろうな
タマモ:これで安心して休むことができるでしょうし
鬼平:……2人ともすまねえなありがとよ
タマモ:ソルち、何か言った?
ソル:いや、何も
タマモ:ふ~ん、そっか
カユウ:このたびはお世話になりましたありがとうございます
ソル:あ、そうだ鬼平って何て呼ばれてたか知ってるか?
キョウスケ:何て呼ばれていたかですか?
タマモ:異名ってやつ?
カユウ:異名……となると、あれか兄さま
キョウスケ:そうでしょう
ソル:何て呼ばれてたんだ?
キョウスケ:鬼平さまは俊敏な動きと標的をあざ笑うかのよう盗みっぷりにこう呼ばれていました
キョウスケ:トリックスターと