talk_31020101
ニア:ニアは……猫乃木ニアにゃ黒魔術研究会に……所属する中等部の3年生、にゃ……
ニア:ニアの右目は……未来に起きる不幸を視ることができるにゃ……
ニア:みんな、この力を褒めるけど……これは……そんないいものじゃなくて……呪い、なんにゃ……
???:……ア様……! ニア様……!ニア様ッ!!
ニア:ふにゃ……?あれ、おかしいにゃいつの間に眠って――
ニア:ふにゃっ!?
サリ:良かった……良かったです、ニア様……
サリ:このままニア様が目覚めないのではと、沙璃は……
ニア:心配してくれたのにゃ?ありがとうにゃ、沙璃ちゃん
サリ:もったいないお言葉です……それよりもニア様、お怪我の具合はいかがでしょうか?
ニア:怪我、にゃ? にゃにゃ?あれ、いつの間に腕に包帯が……
サリ:どこかで打ったのでしょう軽い打撲をされていましたので勝手ながら治療を致しました
ニア:そうだったんだにゃ……気付かなかったにゃ、ありがとにゃ
ニア:流石、沙璃ちゃんにゃ全然、痛まないのにゃー
サリ:ふふ、ニア様にお褒めいただけるなんて、光栄の……くっ、うぅ……
ニア:ふにゃ!? どうしたにゃ!?
ニア:よく見るとひどい顔色にゃ……沙璃ちゃん、寝てないのにゃ?
サリ:いえ……怪我を負ったニア様を無視して、寝るわけにはまいりませんので……
ニア:ふにゃぁ、優しい子にゃぁでも沙璃ちゃん無理し過ぎるのにゃ……
ニア:ふかふかの布団みたいなものがあれば……ゆっくり休めるかもしれないにゃ
ニア:にゃ! 今度はニアが頑張る番にゃ!沙璃ちゃんちょっと待ってて欲しいのにゃ
サリ:あ、ニア様、いけません!見知らぬ土地です、もっと慎重に
ニア:大丈夫にゃー!この辺をちょっとうろついてふかふかを集めてくるだけにゃー
サリ:ああ、ニア様……
chattalk_31020102
タヌヒコ:[item:202101871(やわらかふわふわ草)]集め順調そうだな
タヌヒコ:それならきっといい布団の代わりになるはずだ
ニア:そうにゃ、沙璃ちゃんによろこんでもらうにゃ[0029]
タヌヒコ:1
talk_31020103
ニア:おまたせにゃー沙璃ちゃん、見て欲しいにゃ
サリ:これは……まあ、やわらかい草、ですか?
ニア:にゃふふふふ……これをこうやって1つに集めてお手々でぐしゅぐしゅすると……
サリ:おお、まるでお布団のように……
サリ:ふふ、ニア様良かったですねこれでニア様の安眠が確保できましたさあ、子守歌でも……
ニア:わーい、沙璃ちゃんのお歌好きなのにゃー!って、ちがうのにゃーーーー!
ニア:ニアのおふとんじゃないのにゃ!沙璃ちゃんのために集めたんだにゃ
サリ:そんな……もったいなきお言葉……
サリ:そうですか、私のために……あまりお断りしては却って失礼では、お言葉に甘えさせて……
サリ:すぅ……くぅ……
ニア:早っ、すごい効果にゃ!?そんなに寝心地がいいのかにゃ?
ニア:にゃふふ、ニアもちょっとだけ感触を確かめて、みるの、にゃ……
ニア:ふにゃぁ~……むにゃむにゃ……くぅ、すぴー……
-:2人の少女は互いを強く思い遣る心の優しい親友だった。
-:少し思い遣り過ぎるのが玉に瑕だが、そんなことはお構いなしだと仲良く並んで眠る姿が物語っていた。
talk_31020201
シチゾウ:猫乃木ニアさん、ですか?
ニア:ふにゃ?誰にゃ、キミ
シチゾウ:七蔵と申す者です実は、あなたに恋人との将来を占って欲しくて参りました
シチゾウ:誠に身勝手なお願いですが恋人とうまくやっていけるのかどうか不安で夜も眠れず……
シチゾウ:ご高名な占い師であるあなたにならば良きアドバイスがいただけるのではないかと、思った次第であります
ニア:うーん、にゃ……なるほど、事情はわかったにゃ
ニア:でも……やめておいた方がいいと思うにゃ
シチゾウ:ええっ、どうしてですか!?こんなにも悩んでいるのですよ?そこをなんとかお願いします!
ニア:むぅ……わかったにゃでも、絶対に後悔しないのにゃ
シチゾウ:ええ、後悔など致しませんとも!ありがとうございます! ニア様!
ニア:だったら占いには道具が必要にゃ集めてくるから待っているのにゃ
chattalk_31020202
タヌヒコ:お疲れぃ
ニア:[0024]
ニア:血にゃ[0028]
タヌヒコ:41
タヌヒコ:占いに必要なのか
ニア:そうにゃ[0029]
ニア:生贄にゃ[0025]
ニア:儀式にゃ[0025]
タヌヒコ:ニアちゃんって
タヌヒコ:占いや黒魔術のことになると
タヌヒコ:ちょっと人が変わるんだな
ニア:気のせいにゃ[0029]
talk_31020203
-:戻って来たニアは、早速占いの準備に取りかかり、手際よく全てを整えた。
-:そしてついに念願の占いを、七蔵に施すのだった
ニア:にゃにゃにゃ……ふにゃ~~~~!!
ニア:視えたにゃ……
シチゾウ:ごくり……
ニア:覚悟して聞くにゃ……
シチゾウ:ごくり、ごくり……
ニア:七蔵、キミは将来恋人と結婚するのにゃ
シチゾウ:おおっ! 本当ですか!?
ニア:ただ……キミは死ぬまで恋人の尻に敷かれるみたいにゃ
シチゾウ:な、尻にですと!?
ニア:それもかなり横暴にゃ常人には耐え難き苦痛にゃ
シチゾウ:そんなことは、だって彼女は今まで横暴な素振りなんて……
ニア:隠してるんだにゃそれが恋人の本性だったのにゃ
シチゾウ:…………
ニア:ほら……やっぱりにゃ知らないほうがよかったんにゃ
ニア:今なら未来を変えれるにゃその結婚、やめれば──
シチゾウ:とんでもない!私は絶対にやめませんよ!
ニア:ふにゃっ……何故なのにゃ?
シチゾウ:彼女がそういう性格ならそれを全力で受け止めます!彼女を愛しているからです!
シチゾウ:ああ、心が澄み渡っていく……ニア様に会えて決心できました!ありがとうございます!
シチゾウ:よーし!プロポーズするぞー!
ニア:ふにゃー、強い人だにゃ……
ニア:でも、悪い未来しか視えないニアの占いでも、ちゃんと役に立つこともあるんだにゃ……
ニア:……にゃふふ、ご機嫌なのにゃ今日はいっぱい頑張ったから沙璃ちゃんにお魚焼いてもらうにゃー
talk_31020301
ニア:よーしよしよし猫ちゃんおいでにゃー
猫1:にゃー
猫2:にゃー
ニア:にゃはは! くすぐったいにゃ!そこは、なめちゃだめにゃ~
ニア:ここはいい場所なのにゃ猫にゃんがいつもいっぱいにゃ
ノア:にゃー
ニア:ふふふ、ノアものんびりできそうにゃ
ニア:日当たりがいいからなのにゃぽかぽか、ぬくぬくでふにゃ、気持ちいいのにゃ~
猫1:にゃ~
猫2:にゃ~
ニア:にゃは、キミ達もそう思うにゃ?
ニア:おいでにゃー、一緒に寝ちゃうにゃふにゃー、お昼寝なのにゃ~
ノア:にゃー
ニア:ふにゃー、もふもふ……すぴ、にゃあ……すぴー
???:……おきて
ニア:ふにゃ……?
???:起きてくださーい……
ニア:なんにゃあ……?むにゃにゃ……誰なのにゃ?
シャム:おはようございます♪ 姫殿下
ニア:にゃ……ひめでんか?ニアのことなのかにゃ?
ニア:って、ふにゃああああっ!?猫が喋ってるにゃ!?
メイン:おっと、これは御無礼をば我々は猫ではございません
メイン:猫人という種族でございます
ニア:猫人にゃ?確かに、狸の人とかいるし猫の人がいても不思議じゃないにゃ
ニア:でも、今まで1度も見たことないにゃいくらニアでも怪しむのにゃ
メイン:ははは、それもそのはず我々猫人は森の奥地を流浪する漂泊の一族ですから無理もありません
ニア:そうなのかにゃ……うーん、で、何の用にゃ?
メイン:ああ、そうでした肝心なことをすっかり……
メイン:実は、姫殿下に是非とも我が猫の国へご招待したく参上仕った次第でございます
ニア:むぅ、わからないのにゃーさっきから何でニアを姫殿下って呼ぶのにゃー
シャム:それはニア様が猫寄せ祭りで優勝されあまつさえ猫聖女様に選ばれましたからにございます
ニア:……え、そうなのにゃ?ニア、寝てたからわからないのにゃ
メイン:ニア様は猫を大層可愛がっておられます我々の同志であると認められたのです
ノア:にゃ~
ニア:まあそれは否定しないにゃ
メイン:ふふ、猫の国は素晴らしいですよ猫と猫好きが仲良く暮らす楽園猫と人が和解した聖地でございます
ニア:すごいにゃ、もふもふし放題にゃ?
メイン:お家から学校まで猫の道ですもふもふで埋め尽くされた道路を全身を祝福されながら歩むのです
ニア:ふにゃぁぁぁぁ、夢のようにゃー
メイン:マタタビのパフェ、お魚のフルコースカリカリも缶詰も食べ放題なのです
シャム:当然、爪を研いで文句を言う者は誰1人としてございません猫と人が和解した国ですから……
ニア:ティッシュ散らかしても?クッションばりばりしても?張り立ての障子を貫通しても?
メイン:ええ、猫と人が和解した国ですから
ニア:楽園にゃ、天国なのにゃ……
メイン:おや、少々おしゃべりが過ぎましたねそろそろ時間です故、ここはお暇を
ニア:え、まだにゃまだいっぱいお話聞きたいにゃ
メイン:ふふ、我々猫の国一同姫殿下のご来国を心待ちにしてますいずれ、ゆるりとお話ししましょう
ニア:ああ、待つにゃ……まだ、まだにゃー……
ニア:ふ、にゃああああ……んにゃ?
ニア:あれ、朝なのにゃ?何だか、すごく楽しい夢を見た気がするけど思い出せないにゃ
ニア:ノアは何か知ってるかにゃ?
ノア:にゃ~
ニア:うーん……
-:立ち上がろうとしたその時ニアの手首の小さな鈴が澄んだ音を鳴らした。
-:ちりん、ちりん──。
ニア:ふにゃ? なんにゃ?こんなもの持ってなかったにゃ?
-:ニアは首を傾げる。しかし、その音色はどこか懐かしく自分の胸の奥底に響くのを感じた。
talk_31020401
-:ラクーンのどこかに、世にも奇妙な祭猫寄せ祭りなるものがあると一行は噂に聞く。
-:中でもニアがそのお祭りに興味を持ち意気揚々と参加しにやって来た。だが、しかし――。
ニア:ふにゃああああっ!何でなのにゃああああっ!
ニア:猫が、猫が、猫がぁぁぁぁ全然寄ってこないのにゃああああ!
ケンタ:へへへ、どうやら、あのガイアスとんだド素人みてぇだな
コウヘイ:いやぁ、なんだか猫っぽいから最初は優勝候補かとビビッたがとんだこけおどしだったぜ
ニア:ぐにゅにゅにゅ……諦めないにゃ、まだやれるにゃ……
ニア:ちゅちゅちゅ……猫にゃん、猫にゃんおいでにゃー
ニア:がーん……来ないにゃこんな屈辱、初めてにゃ……
ニア:か、かくなる上は……禁断にゃ!禁断のアレを使うしかないのにゃ!
ニア:すぐに集めてくるにゃ!みんなを見返してやるのにゃ!
ニア:にゃりーーーーん
chattalk_31020402
タヌヒコ:お疲れぃ
ニア:[0024]
ニア:これで優勝間違いなしにゃ!
タヌヒコ:お、マタタビか
ニア:[0024]
ニア:ニアも大好物の草なのにゃ
ニア:これを粉末にしてまけば
ニア:猫にゃんたちが寄ってくるにゃ!
talk_31020403
ケンタ:あの、ガイアス娘……一体どこ行きやがったんだ?
コウヘイ:ヘッ、諦めて帰ったんじゃないか?
ケンタ:だといいんだが、ちょっと不気味だぜ
ニア:にゃー、諦めてなんかいないにゃー
ニア:ニアはこれで優勝するのにゃー
ケンタ:なっ、あれは……マタタビ草!?
コウヘイ:って、何を今さら……んなもん、みんな使ってんだろ!
ニア:ふにゃっ!? そうなのかにゃ!?
ニア:それでだったのかにゃ……それで、ニアのところにだけ猫が集まらなかったにゃ……
ケンタ:いや、猫祭りってそういうもんだしな
コウヘイ:ああ、伝統だからそうすんのが普通だなんか可哀想になってきたぞ……
ニア:にゃああああ……教えて欲しかったにゃーニアももふもふしたかったのにゃ……
ニア:今からでも遅くないにゃニアも、マタタビ草するのにゃー
ニア:ふ、ふにゃああああっ!撒いたマタタビ草が風でこっちに~!?
ニア:だ、ダメなのにゃ~!こんな一杯嗅いにゃらぁら、らめなのにゃぁ~……
ニア:すやぁ……すぴー
ケンタ:静かになったぞ?一体何だったんだコイツ……?
コウヘイ:寝ちまったみてーだけど、何だ?って、何かおかしなことが!?
ケンタ:なっ!? なんだとっ!?
コウヘイ:猫が、ガイアス娘の元に集まって!?
ケンタ:よく見ろ、これ、猫達が至福の表情でガイアス娘と一緒に眠ってやがる!?
キジロウ:ほう、これはワシも初めてみたぞ間違いない、千年に1度現れる伝説の猫聖女様じゃぁ!
ケンタ:猫聖女様だぁぁぁぁ!?
キジロウ:世界中の猫に愛され猫と共に世界を幸せに導くお方それが、猫聖女様なのじゃ
キジロウ:さあ、皆の衆、猫と和解せよ!祭りはお開きじゃ! 今年の猫の国への門は彼女が開くであろう!
-:おーっ!!
ニア:すやぁ……むにゃむにゃ……
-:こんな大事になっているとはつゆ知らず、大量の猫とともに幸せそうに眠るニアであった──。
talk_31020501
-:最近、元気のない猫乃木ニアを連れて白織沙璃が町へと繰り出した。
-:沙璃は、人混みの中で妙に苦しそうな素振りを見せるニアを気遣って、歩みを止めた。
ニア:ふへぇ、ふにゃぁ……
サリ:ニア様、どうかなされましたか?
ニア:んにゃ……ちょっと苦しいのにゃ
サリ:人酔いでもなされましたかでしたら近くのお店で休憩を──
ニア:違うのにゃ
サリ:では、何故……
ニア:ニアの呪いなのにゃ不幸が視えるこの眼がちょっと今日は活発なのにゃ
サリ:そうですか……あの時の……
ニア:みんなこれを凄いって褒めるにゃでも、そんなんじゃないのにゃ……
ニア:今だって、視たくないのにこの人達の不幸が……いっぱい…………視えて、しまうのにゃ……
サリ:……ニア様……
ニア:もう、いっそのこと……何も視えなくなっちゃう方がいいのにゃ
サリ:そんなことはございません
ニア:え
サリ:いいですか、ニア様それはただの呪いではないのです
サリ:悪魔がニア様を試すために与えた試練なのでございます
サリ:もし、それに敗北してしまったらニア様はあいつに、片眼だけでなく全てを奪われてしまうのですよ
サリ:どうか、ニア様お気をしっかりお持ちください
ニア:……うにゃ、そうにゃ沙璃ちゃんの言う通りにゃ
ニア:ニアが弱気になってたにゃ負けないように頑張るのにゃ
サリ:でも、もしもですよ……どうしても耐えられない時があれば目を瞑ってくださいまし
ニア:え、だめにゃ!何も見えなくなるにゃ!
サリ:良いのです、何も見えなくなるほど強く、ぎゅっと瞑るのでございます
サリ:そうしましたら私がその手を引いて参りましょう
ニア:沙璃ちゃんが?
サリ:ええ、左様です景色、出会った人、見えたもの全てお伝えし、お導き致しましょう
ニア:沙璃ちゃん、それって……
サリ:はい、私がニア様の眼となるのです
サリ:沙璃はいつでも、ニア様のお側におりましょう
サリ:辛いとき、哀しいときいつでも呼んでくださいませ
ニア:楽しいとき、嬉しいときは?
サリ:ええ、お邪魔でなければ是非
ニア:にゃにゃ、よかったにゃーニアはそっちの方がいいのにゃー
ニア:にゃは、それじゃ練習にゃ!
サリ:はい?
ニア:今からぎゅーって目を瞑るにゃ!
ニア:だから沙璃ちゃんニアが行きたいところへ連れてって欲しいのにゃ♪
サリ:承知致しましたさて、今、ニア様が行きたい所ですねどちらになりますやら……
ニア:楽しみなのにゃ~♪
-:ニアは目を瞑り沙璃の温かい手を握る。
-:優しい彼女の手を信頼し全てを預けたニアは沙璃と共に歩き始めた。
-:その歩みはまるで2人の未来へと向かう大いなる1歩のように見えた──。