talk_32010101
ソル:オレの名前は……天条ソル高校2年、サッカー部……
ソル:いや、正確には、サッカー部だった……なのかな
ソル:色々あって、もうボールは……
ソル:まあいーか、今は……それどころじゃねーしな
???:……ルく……ねえ、ソル君……
スピカ:はわわわわ、ソル君!?大丈夫? ねえ、ソル君ってば
ソル:……何だよ、スピカ
スピカ:あぁ、よかったぁ……何度呼んでも反応ないから
スピカ:ねぇ、まだ頭ぼうっとするの?だったら休んでていいんだよ?
ソル:ははは、スピカは心配性だなオレだったらほら、大丈夫だって
スピカ:そっか、よかったぁ
ソル:さーて、どーすっかなースピカが心配で腹が減る前にこの状況何とかしねーとな
スピカ:もう、そんなに簡単にお腹空かないよ!
スピカ:そそそ、それに!そんなに心配してないもん!
ソル:本当か? その割りにはさっき泣きそうな顔してたけどな
スピカ:────!?
スピカ:もう、ソル君!
ソル:ははは、冗談だよごめんな、スピカ
スピカ:むぅ……ソル君なんて知らない
-:その時、火の中に混じっていた小さな木の実が弾けてスピカめがけて飛んでいった
ソル:危ない、スピカッ!!
スピカ:────!?
-:スピカに当たる寸前のところソルが木の実をキャッチした
ソル:へへ、ナイスセーブ……じゃね?
スピカ:ソル君!?
ソル:キーパーだったらいけんのか?まー、ストライカーは……まだアレだけどな、へへへ
スピカ:…………
ソル:何だぁ? しけた顔して冒険は始まったばっかだろ?
ソル:ほら来いよ、スピカ水汲みに行こうぜ!
chattalk_32010102
タヌヒコ:おう、お疲れ
タヌヒコ:どうでい、水は手に入ったか?
ソル:あれ? たぬ彦?
ソル:なんで?
タヌヒコ:えーと、言ってなかったか?
ソル:???
タヌヒコ:これも仕事なんでい
タヌヒコ:おいらには品質管理の仕事もあるんでい
タヌヒコ:だから水や食べ物制作物に問題がないか時々、チェックするんだぜい
ソル:へえ、そんなのあるんだな
タヌヒコ:手間をとらせてわりぃけど
タヌヒコ:一度、おいらに見せてくれねえか?
ソル:ああ、わかったよ
ソル:すぐに持っていくぜ
タヌヒコ:ありがとよ!
talk_32010103
スピカ:あ、水あったんだね
スピカ:ソル君、どうする?お湯わかしてお茶でもいれよっか?
ソル:ああ、そうだなあとちょっと水もらえるか?
スピカ:うん、いいけど……
スピカ:ちょっと、何してるの!?
-:ソルは汲んできた水を惜しげもなく手にかけていた
スピカ:そ、そそそ、ソル君!?何で、何してるの!?
ソル:え、いや、ちょっと……まー何でもねーよ、へへ
スピカ:何でもないことないよ!ソル君、手見せて!
ソル:…………
スピカ:……これ、火傷の痕だよね
ソル:んー、そうなのか?まーでも、大したことないだろ
スピカ:大したことあるよ!
スピカ:これ……私を、助けた時のでしょ?
ソル:…………
スピカ:何で言ってくれないの?私、言ってくれたら何だって──
ソル:言えるわけねーだろ
スピカ:え
ソル:だって、お前、そうやってすぐ心配しちゃうじゃん
スピカ:でも……
ソル:オレ、スピカのそんな顔見たくないんだよ
ソル:お前には、その、笑ってる方が、いいし……
スピカ:え、何? ソル君もう1回最後の方よく聞こえなかったから
ソル:お前……
スピカ:ぬふ、ふふふぅ……
ソル:チッ、お前なぁ……心配で胃が無くなっちまったら大変だって言ったんだよ!
スピカ:あー、また言った!もう、無くなんないよ!
ソル:あはははは……
スピカ:ふふ、ふふふ……
talk_32010201
ナツ:ねえねえ、ガイアスの兄ちゃん!こっち来てオレ達と一緒に遊ぼうよ!
ソル:おう、いいぜ奈津!今行くから待ってろよ
アキ:だぁめ! 今、阿喜達が遊んでんの!男子は順番くらい守ってよね!
ナツ:何だと! 先に約束してたのはオレ達なんだよ! 引っ込んでろ!
アキ:何よ! やる気!
ソル:こらこら、ケンカするならオレは誰とも遊ばないぞ
アキ:えー、やだー
ナツ:悪かったよ、ケンカしないから兄ちゃん遊んでよー
スピカ:ふふ、相変わらずだねソル君って昔から、子どもとか動物に妙に好かれるんだよね
ソル:そうだ、いいこと考えたぞ!
ソル:女子も男子も、みんなで楽しめる遊びをやろうと思うんだけどどうだ、みんなやってみたいか?
アキ:何それ! 阿喜、やりたーい!
ナツ:オレもオレもー!
ソル:よーし、それじゃ待ってろよ兄ちゃんが準備してやるからな
スピカ:ソル君、いったい何をするつもり?
ソル:へへ、内緒だよ
ソル:でも、スピカも手伝ってもらうから楽しみにしてな
スピカ:…………?
chattalk_32010202
タヌヒコ:どうでい、材料は集まったか?
ソル:26
ソル:202101781
ソル:29
タヌヒコ:24
talk_32010203
ソル:ほらよっと、できたぞ!
ナツ:なんだこれー、変なボール!
アキ:ねえねえ、兄ちゃん!こっちの網のかかった木は何なのー?
ソル:ん、こいつか? へへ、こいつはなこうやって使うんだぜ!
ソル:はぁ……っでぇやぁぁぁぁ!
-:ソルが蹴りあげたボールは、大きな弧を描き、即席のゴールへ吸い込まれるように突き刺さった。
ナツ:わー、すごい飛んだぞー!あんなに遠くに蹴ったの初めて見た!
アキ:阿喜もやるー!阿喜も兄ちゃんみたいにやるー!
ナツ:オレんが先だよ!奈津が兄ちゃんみたいにやるんだ!
ソル:おーい、ケンカすんなよ!順番だぞー! 順番!
スピカ:……ソル君、大丈夫なの?
ソル:ん? 何がだ?
スピカ:脚の怪我のことだよ……調子よくなかったでしょ?
ソル:あははは、それなよくわかんねーけど、こっち来てからすげー具合がいいんだよ
スピカ:具合がいい? どうして?
ソル:だからわかんねーて言ってんじゃん
ソル:まー、変なことばっか起こる世界だぜオレ達も強くなってたりするし?こーいうのあってもいんじゃね?
スピカ:もう、真面目に話してるのに!
ソル:大丈夫だって、無理はしてねーしさそれだけは信じてくれていいぜ
スピカ:何よそれ
ソル:でも、スピカのそんな顔久しぶりに見れてよかったよ
スピカ:え?
ソル:さっきのシュート見てさお前、笑ってたろ
ソル:あの頃のシュートに比べたらそりゃまだ全然だけどよ
ソル:お前がそんな顔してるってことは少しは希望もって、いいのかもなー
スピカ:ソル君……
ソル:へへ、いいもん見たからもっともっと頑張れそうだぜ!
ソル:おーい、お前らー!オレも混ぜてくれよー!
スピカ:ちょっと待って、ソル君!
スピカ:もう、無理だけはしないでよ
talk_32010301
-:オレには、小学校の頃から妙にお節介なマネージャーがいる。
-:もちろん彼女には感謝してんぜ。
-:でも、正直ちょっと鬱陶しく思うことが時々あってよ──。
スピカ:もう、ソル君! 無理しちゃだめっていつも言ってるでしょ?
ソル:別に無理じゃねーってこれくらいいつもやってんだろ?
スピカ:だから怒ってるの!
スピカ:もう、こんなに心配してるのにどうしてわかってくれないの……
ソル:なんだよ、そんなのスピカには関係ねーじゃねーか
スピカ:え、関係ない……?
ソル:そうだよ、オレの身体のことだ別にスピカに迷惑かけてねーだろ
スピカ:ソル君、それ本気で言ってる?
ソル:悪いかよ
スピカ:……もう知らないソル君、そんな人だとは思わなかった
ソル:おい、待てよスピカ!
ソル:……ったく何なんだよ、もう何で伝わんねーんだ、クソッ
ソル:はあ、はあ、はあ……
ソル:スピカのやつ、どこ行ったんだよ
スピカ:…………
ソル:あ、あんなところにおーい、スピカー!
スピカ:…………むぅ
ソル:何だよ、黙ってねーで何か言えよ
スピカ:心配してるのに、ひどいよ
ソル:……悪かったよさっきは言い過ぎた
スピカ:ねえ、私って関係ないの?
ソル:それは……
スピカ:脚の怪我、私とお父さんのせいでしょなのに、どうして関係ないなんて……
ソル:スピカ、違うんだお前は誤解してんだよ
スピカ:え……誤解?
ソル:あのなー、知ってるか、スピカ一流のアスリートってのはな怪我がつきものなんだぜ?
ソル:どんな伝説の選手だってみんな怪我と戦って、打ち克って更なる高みを目指してきたんだ
ソル:だからオレ、こんな怪我不幸だなんて思ったことねーよ
スピカ:…………
ソル:なあ、頼むからそんな顔すんなよオレは必ずこいつを乗り越えて世界一のストライカーになるからよ
スピカ:……やっぱり、ソル君なんだね
ソル:え
スピカ:サッカー部辞めちゃうしみんな、心配してたけど
スピカ:ちっとも諦めてなかったんだ
ソル:まーな、オレを信じてくれた監督と世話焼きなマネージャーを悪者にするわけにはいかねーしな
スピカ:……ソル君……
-:──と、その時大きな地響きが聞こえた。
スピカ:やだ、何これ……どうなってるの?
-:地響きは崖を揺らし、頭上高くにあった大岩を動かした。
ソル:スピカ、すぐに逃げろ!
-:即座に勘づいたソルであったが、手を伸ばして届く距離ではなかった。
スピカ:え……うそ、無理──
-:スピカが諦めて瞳を閉じたまさにその時──。
ソル:でぇやああああああああ──ッ!!
-:ソルが蹴った小さな石が轟音を立て飛び、大岩を打ち砕いた。
ソル:はぁ、はぁ、はぁ……
スピカ:え……さっきの、ソル君なの?何で? 脚の怪我……?
ソル:わかんねー……身体が勝手に動いちまった……
スピカ:でも、さっきのシュート前にお父さんが教えてた……
ソル:ああ、伝説の必殺シュートだ練習じゃ1度もできなかったのにな
スピカ:すごい、できたんだね!すごいよ、ソル君!
ソル:へへ……まだ震えが止まんねーぜ
ソル:いつか、地球に帰ることができたら完全復活したオレの姿監督に見せてやんねーとな
スピカ:ふふ、そうだねお父さん、すごく喜ぶと思うよ
-:でも、あれから何度も試したけど、そのシュートが再現されることは1度としてなかった。
-:それでも奇跡なんかじゃねー。オレはできたんだ。
-:それをスピカの前で証明できた事。今のオレには、それが何よりも嬉しかった──。
talk_32010401
トウジ:兄ちゃん、サッカーしようぜ!
ハル:だめだよ、冬次!兄ちゃんは私とサッカーするの!
トウジ:何だと! 波留のくせに生意気だぞ!
ソル:OK、ストップだ!ケンカすんならやんねーぞみんな仲良くな
-:はーーーーい!!
スピカ:ふふ、相変わらず人気者だね
スピカ:……あれ? なんだろうソル君、誰かやって来るよ
ソル:え?
ヤヘイ:おうおう、おめぇさんかい?町の若ぇのに妙竹林な遊びを広めてるってぇガイアスはぁ?
ソル:妙竹林じゃねー、サッカーだよ
ヒコザ:さっかー? その妙竹林な遊びはさっかーってぇのかい?
ソル:そうだけど、この世界にはサッカーねーのか?
ヤヘイ:河童だか菜っ葉だか知んねぇがそんなもんはねぇ!
ソル:サッカーだよ、サッカー!
ヒコザ:あー、でも、似たもんならあんな
ソル:ほら、やっぱりあるじゃねーか何だよ、似たもんって?
ヤヘイ:おう、彦左、見せてやろうぜ
ヒコザ:ほいきた、合点承知之助でぃ!弥平の旦那、いきやすぜ!
-:そう言って彦左は、ぽーんと小さな毬を蹴り上げた。
-:毬は美しい放物線を描き、正確に弥平の足下へ落ちていく。
ヤヘイ:おうさ、任せとけ……そらよっと!
-:弥平もまた、その毬が地面につく直前のところで、再び蹴り上げる。
ヤヘイ:へへーん、どうでぃどうでぃこいつがラクーンに昔からある伝統遊戯ケノマリってんでぃ
ソル:……ケノマリ? 蹴鞠のことか
ヒコザ:まぁ、つうこった、ガイアス兄ちゃんうちにゃケノマリがある子ども達に妙な遊び教えてくれんなよ!
ソル:あははは、すげー! お前達リフティングの達人だったんだな!
ヒコザ:はぁ? りふてぃんぐぅ?
ソル:だったらシュートも打てるか?こうやって……でやぁぁぁぁ!
ヒコザ:って、おめぇ、どこ蹴ってんだよ!
ソル:あーらら、サッカーボールとはずいぶん勝手が違うんだなー……
ヤヘイ:違うんだなーじゃねーよ!毬は1つしかねぇんだぞ!どうしてくれんだよ!
ソル:悪かったよ、とってくるからそこで待っててくれよな
スピカ:あ、ソル君、私も行くよ
chattalk_32010402
ヒコザ:どうでぃ、見つかったか
ソル:おう、見つけたぜ
ソル:202102421
ヤヘイ:大事なもんなんだから早く持って来い!
ソル:OKOK、わかったよ
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ソル:ほらよ、ボールとってきたぜ
ヒコザ:おお、良かった良かったぁ町に1つしかねぇ毬だぜなくなったらどうしようかと……
ソル:そんな大事なものだったのかよ!?そいつは悪かったな、マジで
ヤヘイ:まあいいってことよ戻ってくりゃ問題ねえさ
ヤヘイ:しかしおめぇ、すげぇ脚してんなどんだけ蹴り飛ばせんだよ
ソル:ん? 公式のサッカーボールなら80mはいけると思うぜ
ヤヘイ:えっと、80mってどんくらいだ?
トウジ:こっからあっちの木のところまで余裕で届くってことだよ
ハル:あたし、何回も見たもん!兄ちゃんのシュートはすごいの!
ヤヘイ:ひえー、そいつぁびっくりだぜさっかーっつうのはてぇしたもんなんだなぁ……
ヒコザ:なぁなぁ、弥平の旦那ぁなんだかおいら、さっかーてのがやたら知りたくなっちまったみてぇで
ヤヘイ:なんでぃ、おめぇさんもかい?おいらもちょいと気になって来たところなんでぃ
ソル:本当か! だったら一緒にやろーぜ!
トウジ:うん、やろうやろう!
ハル:絶対楽しいんだから!
ヤヘイ:よっしゃ、そんじゃ一丁ガイアスのスポーツってやつをやってみっか!
ヒコザ:いよっ、待ってました!
ソル:OK、そんじゃみんな!オレについて来い!
スピカ:はぁ、ソル君ったら、ボール1つですぐに仲良くなっちゃうんだから
-:こうしてぱにぱににまた1つ、ガイアスの文化が伝わっていくのだが……。
-:そんなこととはつゆ知らず、ソル達は子ども達とサッカーを心から楽しむのであった──。
talk_32010501
ソル:なんだ? 何か今日の町ずいぶん騒がしくねーか?
スピカ:うーん、お祭りなのかな露店がいっぱい出てるね
ソル:ラッキーじゃね?面白そうだし、回ってみようぜ
スピカ:ふふ、本当は町会長さんに聞いて知ってたんだ♪
スピカ:ソル君、ここのとこずっと練習で誘っても来てくれないと思ってたんだけど……ふふふ
ソル:おーい、スピカ!何してんだよ、置いてくぞー!
スピカ:うん、すぐ行くねー!
マタサブロウ:へいらっしゃーーい!寄っておいで見ておいで又三郎のクジは空クジなしだよ~
ソル:お、クジ屋だな
スピカ:見てよ、ソル君!すごい景品ばっかり!
ソル:えーっと、なになに……3等がメトロシアン産の最高級たぬきこまち1年分か
ソル:2等がアスラ帝国軍御用達保証書付き軍放出品の万能ナイフ?
ソル:1等が皇女テラ様の秘蔵隠し撮り御真影決定版だぁ?はは、何だこりゃ……
スピカ:ちょっと、ソル君これ特賞がすごいんだけど……
ソル:えーと……って、マジかよ!?
ソル:特賞、赤い印のついたクジならマザーコアの欠片(本物)って
スピカ:うーん、でもみんな期待して引いてるみたいだね
ソル:……こいつか
ソル:おっちゃん! くじだ!3回引かせてくれ!
マタサブロウ:げへへへ、毎度ありぃ~兄ちゃん、いいのが出るといいねぇ
マタサブロウ:中身は全部真っさらな空クジだけどなぁ~
ソル:いくぜ、まずは1枚目だっ!でぇやああああああああ──ッ!!
ソル:やったー、赤い印だから特等ゲットだな!
マタサブロウ:んなぁんぬぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?
マタサブロウ:ちょ、ちょっと見せやがれ!
ソル:いいぜ、ほらよ
マタサブロウ:……赤い印、なんだこりゃ?っつうか何でだ? 手違いで1枚だけ混じっちまったってのか?
マタサブロウ:まあいい、ここは得意のすり替えでこの場は誤魔化して……さささっ、するりんちょ──
マタサブロウ:んー、兄ちゃん、見間違えだよこれ茶色だから5等じゃねぇかほらよっと、雑巾1枚、おめでとさん
ソル:……んじゃ、次な
ソル:でぇやああああああああ──ッ!!
ソル:おっしゃー! 赤い印!特等ゲットだぜ!
マタサブロウ:んなぁんぬぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?
ソル:続いて最後!でぇやああああああああ──ッ!!
ソル:また赤いぜ?あはははは……おっちゃん、これって特等しか入ってねーんじゃねーか
マタサブロウ:んなわけあるかっ! 逆だよ、逆っ!特等なんて1枚たりとも入れちゃいねぇんだよおおおおっ!
スピカ:え……?
マタサブロウ:あ……
スピカ:何それ!完全にイカサマじゃないですか!
マタサブロウ:イカサマ師はおめぇらだろうが!おいらの商売を邪魔しようとして商売敵が送り込んできやがったな!?
ソル:……この店の景品、全部空箱だしどれも使い古されてべこべこだな
ソル:これってもうずっと当たりが出てないってことだろ?
マタサブロウ:ぎくぅ!?
ソル:それに、日本の法律だとクジの景品って限度額が決まってるらしいけど……こっちの世界じゃどうなんだ?
ソル:当たり前だけどマザーコアなんて置けないよな?
マタサブロウ:ぎくぎくぎくぅ!?
ソル:へへ、どーすっかなーこのこと町会長さんに報告した方がいいと思うんだけどなー……
マタサブロウ:だああああっ、ちょっと待った!兄さん姉さん、そいつだきゃぁどうか勘弁してつかあさいっ!
マタサブロウ:そんなことされちゃぁおいらぁ、商売あがったりで親分にどやされちまいやさぁ!
ソル:だったら、ちゃんと真っ当な商売すんだな
スピカ:そうだね、これからちゃんとしたくじ引き屋さんになってね
マタサブロウ:ありがとうごぜぇますだぁぁぁぁ
スピカ:……それにしてもソル君よく特等ばかり当てられたね
ソル:ん? 赤い印か?
スピカ:そうだよ
ソル:ああ、あれ俺の血だよちょこっとだけ切ってさ押し当てて印に偽装したのさ
ソル:あいつだって特等の印なんてつけた覚えがないんだから赤い印がついてたらこっちのもんさ
スピカ:そっか……私も騙されちゃった
ソル:実は、町会長さんに頼まれててよ悪徳露店商を懲らしめてくれって
スピカ:ええっ、そうだったの!?そんなの全然知らなかったよ
ソル:そん時、オレを心配する世話焼きな女の子がいるから、誘ってやれって説教もされたんだけど……
スピカ:やっぱりソル君はすごいな~!
スピカ:ふふふ、次はどこ行こっか焼きそば? フランクフルト?それともリンゴ飴がいいかな?
ソル:まー、そっちの方は黙っとくか