talk_19020301
ソル:ここが、ユノ地区で一番大きい町トウゲン!
モモ:あれー、走ってる人いっぱいだよ~
スピカ:このトウゲンは、帝国中のアスリートが集まる、有名な高地トレーニングの町なんだって
スピカ:レトロジカ様はこの地域ではスポーツの神様として信仰されてるみたい
タマモ:へー、本当に活気があるんだね
-:わっせ、わっせ……
-:はぁ、はぁ、はぁ……
タヌヒコ:おう、ガイアスのみんなじゃねえか遅かったな
ソル:あれ、たぬ彦どうしたんだ?掲示板の方はいいのか?
タヌヒコ:おう、実はちょっと探してる人がいてよ……この町に滞在してるらしいんだが
モモ:へえ……見つかるといいね!
モモ:っていうか、たぬたぬ誰かこっちに向かって来てるよあれのことじゃない?
タマモ:って、すごい勢いで走って来るし!?
???:お兄ちゃーーーーん!
タヌヒコ:ふぎゃああああああああ!?
タマモ:ちょっと、今、お兄ちゃんってこの子、まさか……!?
サクラ:はい、私、星さくらと言いますみなさんのことはお兄ちゃんからいつも聞いています!
サクラ:皆さん、お兄ちゃんのたぬ彦がお世話になっています。ぺこり
モモ:やだー、かわいい~さくらちゃんって言うの~?上手に自己紹介できたね~♪
タマモ:びっくりしたー、兄貴と違ってすごく礼儀正しいじゃん!
タヌヒコ:おう、そいつぁどういう意味でぃ!
タヌヒコ:っつうか、何でさくらがこんなとこにいんだよ!
サクラ:何でってお仕事に決まってるでしょう
タヌヒコ:お仕事だぁ?
サクラ:そう、福男のお手伝い
タヌヒコ:ああ、そう言やぁおめぇこの町の祭りの実行ボランティアやってるって言ってたっけなぁ
モモ:ねえ、たぬたぬ~はっぴーらんなーってなあに?
タヌヒコ:へへ、このユノ地区には面白ぇ伝説があってよ
タヌヒコ:昔、町をモンスターの群れが襲った時ある勇敢な若者が走って山を登ってったんでぃ
タヌヒコ:そいつぁ頂上に着くと大声で叫んだ神様ぁ~、助けてくれぇ~ってな
タヌヒコ:空に1番近ぇとこで知らせればきっと届くはずだって考えたんだな
タヌヒコ:その必死の願いがレトロジカ様に通じて町は救われたっつう伝説だよ
サクラ:以来、この町では1年に1度代表者1名を選んで、レトロジカ様に町の守護をお願いするために
サクラ:町から山頂にある祠へと走るお祭が行われるようになったんです
タマモ:へー、その代表者が福男なんだね
ソル:今、祠って言ったよな?レトロジカ様の祠?
サクラ:はい。山頂付近のユノ大樹海にある祠です
サクラ:ただ、1年に1度、その福男の前にしか姿を現さないらしくて私も見たことがないんですが
ソル:そうか。ってことは福男を応援してやれば、オレ達も祠にたどり着けそうだな
スピカ:一石二鳥ってことだね!この町でやることが見えてきた気がするね!
タマモ:……ん、どうかしたのさくらっち?なんか気になることある?
サクラ:あ、いえ、何でもないです気にしないでください、えへへ……
-:女神の掲示板を管理するたぬ彦の妹、さくらと出会った一行。彼女は何か思いを抱えているようだが一体どのようなものなのだろうか?
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サクラ:あのぅ……皆さん、ちょっとよろしいでしょうか
レン:何だ
サクラ:は、はい、すみません!福男のことでお願いが……
サクラ:あ、でも、やっぱりいいですすみません、忘れてください
レン:……貴様、何をそんなに怯えている
サクラ:いえ、そんな、怯えてなんて……
タヌヒコ:おうおうおう、蓮!さくらをいじめてんじゃねぇ!
レン:貴様、誰に向かって言っている俺は教師の夏目蓮だぞ
レン:教師とは、いじめを撲滅し予防する者どこの世界に生徒をいじめる教師がいると言うのだ!
タヌヒコ:言ってることはごもっともだがそれだよそれ!おめぇ、そういうの恐ぇんだよ!
タヌヒコ:ほら見ろ、さくらが怯えちまって縮こまってんじゃねえか!
レン:なっ……そうなのか?
サクラ:……すみません、ちょっとだけ
レン:くっ、馬鹿な
タヌヒコ:ったく、さくらもさくらだぜおいらがいねぇと何もできねぇのな
タヌヒコ:いつも言ってんじゃねぇか言いたいことがあんならちゃんと言わねぇとダメだって
サクラ:……うん、だけど
タヌヒコ:だけどじゃねぇぞほら、兄ちゃんを見てみろハートが強ぇだろ?
タヌヒコ:今はおいら、皇女様に仕えて掲示板を任されてるんでい
タヌヒコ:だから、なぁ?さくらも兄ちゃんみてぇに強ぇ人間になんねぇとダメだぞ
サクラ:うん、わかったお兄ちゃん、私頑張る!
タヌヒコ:おう、一発ぶちかましてやれ!
サクラ:蓮さん、お願いがあります
レン:何だ、言ってみろ
サクラ:えと、福男のコースにモンスターがたくさん出るところがあるんですけど
サクラ:そこを走者が安心して通れるよう皆さんに退治して欲しいんです
レン:……フン!何かと思えばそんなことか
レン:案ずるな、ソルも話していただろう祭りに協力すると俺達に任せておけ
サクラ:ほっ……
サクラ:蓮さんって、怖い人かと思ったけどひょっとして優しい人なのかな?
chattalk_11022802
オメガ:さくら、戦況報告するぞ
オメガ:喜べ、殲滅完了した
サクラ:27
サクラ:ありがとうございます
サクラ:これで走者の方も走りやすくなります!
サクラ:あ、でも
レン:どうした、まだ何かあるのか
サクラ:いえ、何でもないです
レン:いいから言ってみろ
レン:俺達にできることならやってやる
サクラ:すみません
サクラ:でしたら
サクラ:走者に配布するお水に[item:202100901(がんばり草)]を入れたいんです
レン:[item:202100901(がんばり草)]?
サクラ:はい、スタミナ回復の薬になるんです
サクラ:[item:202100901(がんばり草)]を取ってきてくれませんか
レン:フン、任せておけ
サクラ:9
chattalk_11022803
スピカ:さくらちゃん、手に入れたよ[0009]
スピカ:ほら、これでいいんでしょ
スピカ:202100901
サクラ:9
サクラ:24
レン:他にはないのかまだ何かあるんじゃないのか
サクラ:あの、はいそうなんです、実は
サクラ:ごめんなさい私つい調子に乗っちゃって
レン:構わないこの際だ、全て言ってみろ
サクラ:すみません、ありがとうございます
サクラ:実は、毎年応援幕を作らないといけないんですが
サクラ:それ用の大きな布が足りません
サクラ:お願い、できませんか?
レン:フン、お安い御用だ
サクラ:よろしくお願いします!
chattalk_11022804
サリ:さくら様、こちらでよろしいでしょうか
サリ:202100911
サクラ:1
サクラ:9
サクラ:でしたらそれを
サクラ:私のところまで持ってきてくれませんか
ニア:にゃ、任せるにゃ[0024]
サリ:元よりそのつもりですどうぞご心配なさらず
サクラ:ありがとうございますお待ちしていますね
サクラ:12
talk_11022805
タヌヒコ:ふぅ、やれやれまったく世話の焼ける妹だぜガイアスのみんな、ありがとよ
タヌヒコ:これで祭りを成功させられるな?さくら……
サクラ:…………
タヌヒコ:ん? なんでぃ、変な顔して
サクラ:お兄ちゃん、言ったよねちゃんと言わないとダメだって
タヌヒコ:おうよ、言いたいことはちゃんと言わねぇとダメだ
サクラ:だったらさくら頑張るから……だからお兄ちゃん、聞いて欲しいの
タヌヒコ:おう、なんでぃ、何でも言ってみな
サクラ:実は、明日がお祭りの日なんだけどまだ福男が決まってなくて……
タヌヒコ:……はぁ!?
タヌヒコ:ちょ、ちょっと待て何でまだ決まってねぇんだ?
サクラ:だって、みんな、声かけてるのに誰も代表になってくれないんだもん責任も大きいし……
サクラ:うううぅ、このままだと私のせいでお祭りが台無しになっちゃう、どうしよう……
タヌヒコ:どうしようつったって……そんなことおいらに言われてもよ
ソル:オレ達がなるのはダメなのか?
サクラ:福男にガイアスがなることはその血統と能力の高さから許されていないんです
サクラ:ですのでアスラ人かラクーン人しか……
タマモ:なら、たぬたぬが福男やってあげればいいじゃんたぬたぬはラクーン人でしょ
モモ:そうだよー、お兄ちゃんでしょ~?さくらっち、助けてあげよ、ね?
タヌヒコ:お、おめぇら簡単に言うんじゃねぇ!
タヌヒコ:福男ってなぁ大変なんだぞ!命懸けの全力疾走なんだかんな!
レン:フン、だからどうしたと言うのだ
タヌヒコ:……何ぃ?
レン:さっきから聞いていれば貴様は言い訳ばかりではないか
レン:おい、お前の目標は何だ?
タヌヒコ:おいらは、立派な騎士になって皇女様をお守りするんでぃ!
タヌヒコ:そのために皇女様に仕えて掲示板係をやってるんでい
レン:妹も守れん男が皇女殿下を守る?フン、片腹痛いわ
レン:貴様など、どうせ黒騎士に迫られれば皇女テラなど放っておいて独りで逃げ出していた事だろう
レン:命懸けの全力疾走だと?なら、命を張れん奴がどうして神殿騎士になれる、弱虫め
タヌヒコ:おい、聞き捨てなんねぇぞ!おいらはそんな弱虫なんかじゃねぇ!
レン:フン、どうだかないい加減でデタラメな貴様のこと勢いでカマしているだけだろう?
タヌヒコ:……おうおう、わかったよ!だったら証明してやろうじゃねぇか!
レン:証明だと?
タヌヒコ:おいらが福男になって山頂の祠まで完走してやるってんだよ!
サクラ:お兄ちゃん、本当に!?ありがとう!!
サクラ:でもお兄ちゃんには掲示板の仕事が……
タヌヒコ:一時的にエーテルで分身を作っちまえばへーきよそんなに時間もかかんねえし
タヌヒコ:それに……おめぇのためじゃねぇしっつうか、最初からおいらがやるって決めてたっつうの!!
レン:フン、そら見たことか言うことがころころと変わるやはり貴様は信用のならんヤツだ
タヌヒコ:うるせぇ! ほっとけっつうの!
サクラ:何だろう、全然違うんだけどお兄ちゃんと蓮さんってどこか似てる感じがする……
レン:フン、せいぜい気張るがいい根性無しめ
タヌヒコ:へっ、後で吠え面かくなよ!
-:まさに売り言葉に買い言葉。たぬ彦は蓮の挑発に乗りトウゲンの福男として町から山頂の樹海にある祠まで走ることとなった。
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スターター:位置について、よーい……
-:銃声と共に歓声が上がりその中をたぬ彦が走り始めた。
ショウドウジ:ぬぅ、銃声がっ!?出合え出合え! 戦ですぞぉぉぉぉ!
-:cutin_00005_00
オメガ:落ち着け、正道寺戦闘違う
ショウドウジ:オメガ殿、痛いではないかぁぁぁぁ!拙者はただ、警戒を怠るなと
ソル:おーい、2人とも早く追わねーと、たぬ彦見失うぞ!
スピカ:先に行ってるから早く来てねー
オメガ:あ、待て、オメガも行く!
ショウドウジ:ぬぅ、ずるいですぞぉぉぉぉ!拙者も続きますぞぉぉぉぉ!
タヌヒコ:ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……もうダメぇ、無理ぃ、走れねぇ……
スピカ:あら、見失う心配はなかったかな?
レン:おいおい、冗談だろう?まだ1時間も走っていないぞ
レン:やれやれ、とんだ時間の無駄だったな
レン:やはり、貴様如きには皇女付きの騎士など夢のまた夢早く諦めがついて良かったではないか
タヌヒコ:ち、違ぇよ! 足だよ、ほら足!
レン:この期に及んでまだ言い訳をするとは見苦しいぞ、たぬ彦兄ならばもっと潔く──
スピカ:待って、蓮君
レン:何故止める、スピカ
スピカ:ほら、見てたぬちゃんの足の裏
レン:……どうした腫れているじゃないか
レン:そうか、お前いつもの下駄のまま山道を走り続けて……これでは走りにくいだろう
タヌヒコ:うううぅ……
レン:まったく、仕様がないやつめ誰かこいつに合う靴を持っていないか
ソル:いや、蓮、流石にそいつは無理だろ足型が全然違う
レン:クソッ、そうだったな
ハント:靴などなくとも、要は走りやすければ良いんだろう?
レン:ハント、いいアイデアがありそうだな
ハント:ああ、昔、猟場で知り合った北方の狩人から教えてもらったのだが軽くて丈夫な下駄がある
ハント:それを応用すれば急場しのぎにはなるだろう
レン:ふむ、悪くない考えだよし早速準備に取りかかろう
chattalk_11022902
サクラ:皆さん、すみません
サクラ:聞きました
サクラ:お兄ちゃんのためにハントさんたちが下駄を作ってくださるって
スピカ:ううん、これくらい何てことないよ
スピカ:今、材料を集め終わったところ
スピカ:202102251
スピカ:202102261
サクラ:わあ、いい素材ですね
サクラ:でしたら、それらを私のとこまで持ってきてくれますか
サクラ:兄の足のサイズは知っています
サクラ:私がハントさんと協力して下駄に仕立ててもらいますから
ソル:そいつは助かるぜ
サクラ:いいえ、助かったのは私の方ですどうかお願いしますね
ソル:4
スピカ:4
サクラ:16
talk_11022903
サクラ:皆さん、ありがとうございますハントさんがあっという間に縫い上げてくださいました
ハント:まあ、あのくらい楽勝だ鼻緒を作るのに少し時間がかかったがな
サクラ:これでお兄ちゃんも元気に走ってくれると思います
レン:そうだな他に何かできることはないか
ソル:蓮、だったらいい考えがあるぜ
レン:言ってみろ
ソル:いつも監督に言われてたんだけどさハードな練習の後は筋肉をほぐしておかないと怪我に繋がるんだよ
ソル:だから、オレは必ず自分にスポーツマッサージを施してた
レン:なるほど、一理あるな
レン:だが、ただ揉んだり叩いたりでは小遣いねだりの肩叩きと大差ないだろう
ソル:そう、だからスポーツ用のボディワックスがあるといいんだけどな……
レン:なるほど、この世界のどういったものなら適しているんだろうな
スピカ:天然素材なら何でもいいと思うよ植物由来だと香りがあってリラックス効果もあるしね
ソル:ほう、流石サッカー部マネージャーだな
スピカ:えへへ……
サクラ:でしたら、この近くにぴかぴかワックスという物が取れるところがあります
サクラ:元々は掃除用品なんですがスピカさんの言う条件にぴったりかも!
レン:よし、それを使わせてもらおうしかしスピカ、やけに詳しいな
スピカ:え、ええっと、別に……マネージャーならこれくらい普通だよマッサージだって手伝うし、えへへ
ソル:あー、そういやマッサージは新陳代謝を高める効果もあって確か、脂肪の燃焼にも──
スピカ:そそそそ、ソル君!集めに行くよ! ほら、早く!
ソル:ちょ、待っ、て、すげー力!?おわああああああああ……
レン:はぁ……あいつらは相変わらずか
chattalk_11022904
タマモ:じゃーん、いっぱいとれたよ
タマモ:202102271
サクラ:24
サクラ:9
モモ:ねえねえ、さくらっちこれってどうすればいい?
サクラ:こちらに持ってきてくれますか
サクラ:一旦温めますのでそうしたらお兄ちゃんのところに届けてください
モモ:はーい、わかった~
モモ:4
サクラ:12
talk_11022905
-:一行は新しい下駄とワックスを携えて、山道で休憩していたたぬ彦と再会した
ハント:どうだ、履き心地は?
タヌヒコ:おお! この下駄はいいぞぅ!足の裏がちっとも痛くねぇや!
スピカ:ふふ、よかったね、たぬちゃん
ソル:OK、そんじゃ次、足出してみなオレがマッサージしてやるからよ
タヌヒコ:……うぇ……
ソル:おい、うぇって何だよオレのマッサージがそんなに不満か?
タヌヒコ:いや、そうじゃなくってよどうせなら、その……かわいい女の子の方が……でへへへ
レン:こいつ、また調子に乗りおって
ソル:まあ待てよ、蓮せっかく頑張ってんだだったらその願い、叶えてやろうぜ
レン:おい、ソル、何を言って──
ソル:いいから、ちょっと耳貸せよごにょごにょ、ごにょ……
レン:なっ、そう言うことかククッ、貴様、なかなかやるな
レン:いいだろう、たぬ彦願いを叶えてやる!
タヌヒコ:ぬはぁぁぁぁっ!?マジか、言ってみるもんだぜぃ!
タヌヒコ:へへ、どんなかわいこちゃんがやって来るかなぁ、じゅるり……
モモ:はーい、モモが中国四千年のもみもみして~いい子いい子したげるね~
モモ:これでも拳法の達人だからねいっぱいアチョーってしてあげるね!
オメガ:オメガ、頑張る!たぬ彦、全力全開でほぐす!
オメガ:ミサイルもある! レーザーもある!
レン:フッ! 桃、オメガ!1つこいつを揉んでやってくれ
モモ:はーい!
オメガ:了解!
タヌヒコ:ひ、ひぎゃああああああああ──!
talk_11021001
タヌヒコ:ぬぅっはぁぁぁぁ……ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……
エグゼ:ちょ、たぬ彦! 大丈夫すかーすごい息してるすけどー
レン:フン、根性のないやつめ
エグゼ:いや、根性以前の問題っしょー!無理すよ、無理っ!
クロム:ほう、そうでしたか蓮、キミが根性論者だとはいささか意外でした、ふふふ
レン:茶化すな、クロム
タヌヒコ:ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……綺麗な川が見えるぜぇ……
タヌヒコ:ああ、誰かが手を振って……昔、優しくしてくれた、ぜぇ、ぜぇ小学校の校長先生がぁ、ぜぇぜぇぜぇ
エグゼ:ちょ、ダメすよー!たぬ彦、それ渡っちゃダメな川ぁ!
エグゼ:ちょっと、クロム君!笑ってないで何とかするっしょー!
クロム:ふふ、仕様がない人ですねいいでしょう、僕が彼に相応しい最高の秘薬を作りましょう
エグゼ:いや、そこまではいらんすよフツーの疲労回復薬でいいんすよー
クロム:嗚呼、これは楽しくなって参りましたねぇ……ふふふ、久しぶりの愉悦です
エグゼ:って、全然聞いてねーす……
レン:おい、クロム、真面目にやれ
クロム:蓮こそやけに真面目ですねそんなに熱くなるなんて珍しい
レン:フン、愚問だな俺は教師だぞ
クロム:………ふうん
レン:何だ、何か言いたげだな
クロム:いや、本当にそれだけかなと思いましてね、ふふふ……
レン:フン、くだらんことを貴様はたぬ彦を回復させることだけを考えてろ、いいな?
クロム:ふふ、承知しました
クロム:では、少々時間をくださいこの辺りで採れる素材で作れそうな薬を見繕いますので
-:不動クロムの調査が終わるまで夏目蓮は独りになってしばし考え事をしていた
レン:まったく、何だと言うのだ……妹の前だぞ?もう少し兄らしく振る舞えんのか
-:その時、背後の草木が音を立てて揺れた
レン:誰だ、出て来い!
サクラ:あ、すみません、さくらです
レン:貴様は……どうした、何かあったのか
サクラ:いえ、そうじゃないですちょっと、蓮さんと話したくて
レン:俺と、話したいだと?
サクラ:いやですか? ダメならいいんです
レン:ダメなど言っていない話せ、聞いてやる
サクラ:よかったぁ、ずっと気になっててあの、ずばり聞きます蓮さん、お兄ちゃんのこと嫌いですか
レン:…………
サクラ:えっと、蓮さん?
レン:貴様は何か誤解をしているようだが俺はたぬ彦のことを嫌ってなどいない
サクラ:でも、すごくきつく当たってる気がします
レン:フン、あれはあいつが逃げてばかりいるから、少し発破をかけたまで
サクラ:じゃあ、どうしてダメなお兄ちゃんにそこまでするんですか?
レン:……ダメではないからだ
サクラ:え
レン:自分に自信が持てないのだろうあいつは自分で自分に限界を作ってしまっている
レン:あれではいつまでたっても騎士になる夢は叶わん掲示板管理人のままだろう
サクラ:蓮さん……
レン:それに、貴様だって、たまにはお調子者ではない兄の顔が見てみたいそう思っているんじゃないのか?
サクラ:はい、そうなんです!
サクラ:あれ? でも……どうしてわかったんですか?
レン:俺にも、元の世界に妹がいてな妹は、だらしのない兄には幻滅するそうだ
レン:兄は妹に思うようにコミュニケーションが取れない者が多い
レン:……たまにはガツンと言ってやった方がいい
サクラ:蓮さんもそうなんですか?
レン:……どうだろうな俺はどういう兄だったんだろう地球に戻ったら聞いてみたい
サクラ:……ふふふ、蓮さんってやっぱりいい人だったんですね
レン:フン、くだらんことを
-:そう悪態をつく蓮の横顔はさくらにはとても寂しそうに見えた。
-:きっとそれは地球からこの世界にやってきて12人で必死に生き抜いた彼がようやく地球の事を想えるようになったからこそ見せられる表情だったのだろう。
クロム:おやおや、2人でこそこそと何をやっているかと思いましたら
レン:クロム、覗き見していたのか
クロム:人聞きの悪い。僕がそんなことをする人間に見えますか?
レン:見えるから言っているのだが
クロム:いやですねぇ秘薬の調合法が見つかったのでキミを呼びに来たまでのことです
レン:フン、必要なものは何だ
クロム:そうですねいくつか必要なのですが、まずは[item:202100921(スッポンエキス)]を採取しましょうか
レン:よし、皆に招集をかけろすぐに発つぞ
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レン:これでいいのだろう
レン:202100921
クロム:ええ、上出来ですでもまだ足りません
クロム:たぬ彦にとって最高の秘薬を追い求めましょう
レン:流石クロムだ
レン:やるからには至高を目指すそれでこそ俺の生徒だ
クロム:では高みを目指して
クロム:次は[item:202100931(うなぎエキス)]をお願いしますね
レン:ああ、任せておけ
エグゼ:ちょ、待つすよー!
エグゼ:これ完全にクロム君のペースすよー不安すー、ちょー不安すよー
chattalk_11021003
レン:フン、どうだ最高の素材を提供してやる
レン:202100931
クロム:流石、蓮ですね見事な素材です
クロム:ふふふ、では次でラストです[item:202100941(マジカルマッシュ)]をご用意いただきたいのですが
レン:仕方がない、任せておけ
chattalk_11021004
レン:これでどうだ!
レン:202100941
クロム:パーフェクトです
クロム:では採取した素材を全て
クロム:さくらのところまで持っていってください
クロム:そこで僕が調合しますので
レン:よし、すぐに持っていこう
talk_11021005
レン:喜べ、たぬ彦
レン:貴様のためにクロムが薬を作ってくれたぞ
タヌヒコ:おう、そいつぁ恩に着るぜぇ……
レン:クロム、早く飲ませてやれ
クロム:さあ、飲みなさい不動クロム特製スッポンカイザーXをね
エグゼ:なんすか、その怪しい薬名はつか、ウナギにスッポンにキノコって滋養強壮つーより、精力的な……
クロム:ほら、飲ませてあげましょうたぬ彦、口を開けてごらんなさい
タヌヒコ:あーーーーん……ごくん、もごもごもご……
タヌヒコ:むは!?
タヌヒコ:ふおおおおおおおおおおおお──!!
クロム:ね、効果てきめんだったでしょう?
エグゼ:びっくりすー、本当に効いたすよー
レン:……! おい、様子がおかしいぞ?
クロム:!?
-:そう言うと蓮はたぬ彦の後を追う。そしてしばらく行ったところで愕然とした。
レン:こいつはどういうことだ説明してみろクロム
クロム:むぅ、副作用でしょうか
-:そこには力を使い果たしたようなげっそりとした表情のたぬ彦がいた。
レン:たぬ彦、大丈夫か!
タヌヒコ:ああ、蓮かぁ……へへ、さっきまで調子良かったけどすまねぇな、ちょっと力が出なくて
レン:もういい、しゃべるなそのまま休んでいろ
レン:クロム、貴様、やってくれたな
クロム:……これはおかしいまさか……
クロム:さくらさん、素材の残りを見せてもらえますか
サクラ:は、はい……!
クロム:……僕としたことが!
レン:どうした
クロム:この[item:202100941(マジカルマッシュ)]魔術による毒素を吸い込んでいます
レン:なんだと!?
クロム:恐らく魔術汚染が進んでいた地域で摘まれたものかと気付かず、申し訳ありません
クロム:どうして魔術汚染などこんな地で……
-:蓮はたぬ彦を抱きかかえると立ち上がる。
レン:福男は中止だトウゲンに連れ帰る
エグゼ:ええっ、いいんすかー!?祠に行けなくなるんじゃ……
レン:これではたぬ彦も無理させたままだそれで俺達は本当にいいのか?
ソル:いや、ここは蓮の言うとおりだ一旦引き返すぞ
スピカ:トウゲンに戻ろうきっとレトロジカ様もたぬちゃんの頑張りを見てて待ってくれるよ
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タヌヒコ:うぅ、うううぅ……
サクラ:お兄ちゃん!?
レン:心配ない、ただの寝言だ解毒剤が効いて完全に副作用は抜けている
サクラ:ほっ、よかった
レン:済まなかったな、さくら迷惑をかけてしまった
サクラ:蓮さん、そんなクロムさんだってお兄ちゃんを考えてやってくれたんだし
レン:こいつを完走させるつもりだったなのにこんな結果になってしまって……
レン:くそっ!
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……山はどこでぃ、走らなきゃ……
レン:たぬ彦! 気がついたのかもう走らなくていい貴様はゆっくりと休んでいろ
レン:他の誰も自分たちが福男になりたがらなかったんだ何も言わせはせん
レン:奴らもようやく改心したぬ彦の代わりのランナーを立ててくれた
サクラ:え、お兄ちゃんの代わり?
???:福男なら、俺達に任せろ!
???:ニーチェさんを全力サポートよ!
サクラ:えーと、この人達は?
レン:プロランナーのニーチェ選手とプロサポーターのミミさんだそうだ
サクラ:それじゃ、福男は?
レン:祭りは改めて仕切り直す彼らならば完走は間違いない祭りも儀式も、全て上手くいくそうだ
サクラ:…………
レン:済まないが、これしかなかったのだ勝手に兄を降ろしたこと許してくれ
サクラ:いえ、そんなむしろそこまでやってもらってありがとうございます
-:その時、たぬ彦がよろよろとベッドから身を起こした。
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タヌヒコ:ま、待てよ……
レン:貴様……
タヌヒコ:へ、へへ、おめぇ勝手に終わらせてんじゃねーよ
レン:バカなことを言うな貴様の身体では、もう──
タヌヒコ:おいらはまだ諦めちゃいねぇ!
タヌヒコ:ダメな妹にそんな顔させたまま寝てられるほど野暮じゃねぇし
タヌヒコ:どこぞの口の悪ぃヘボ教師に根性無し呼ばわりされたまま眠れるほどお人好しでもねぇんだよ!
レン:たぬ彦、貴様……
-:-
タヌヒコ:おう、プロだか風呂だか知んねぇがおいらを差し置いて福男やらせてたまるかってんだぁ!
ニーチェ:……うおおおおおおお!
タヌヒコ:……あ?
ニーチェ:そうですよね、それこそランナーの本懐!
ミミ:福男にそこまで賭けていたんですね……!
タヌヒコ:おめえら……
ニーチェ:俺、こうなったらたぬ彦さんが回復するまで、先にコースを回って、問題がないか調べてきます!
ニーチェ:絶対最後まで走ってもらわなきゃ!
タヌヒコ:蓮、頼むぜ最後までやらせてくれ
サクラ:お兄ちゃん……
レン:……ニーチェ、コースの調査よろしく頼む
レン:今は養生して、最後まで走るぞな、たぬ彦
タヌヒコ:おうよ! 任せろってんでい!
ニーチェ:じゃあ早速行ってきますっ!
ミミ:私もサポートします!
レン:……まあ病み上がりだゆっくりやろう、たぬ彦
サクラ:お兄ちゃん……
タヌヒコ:おう、すまねえちょっと疲れちまったな眠らしてくれい
レン:ああ、今は眠れ
0:寝ようとするたぬ彦を見る蓮。なんとも凛々しく決意に満ちた表情であった。
0:妹のさくらがきっかけで走ることになったマラソン。一行も彼と共に祠に到達できるならと後押ししてしまったが今は本当にただ純粋に彼が完走することを蓮は望んでいた。
呪血妖術師団員:ヒアデス様、呪血妖術師団展開完了あと1時間もすれば実験が開始できます
呪血妖術師団員:山間部の魔素量も充分かと
呪血妖術師団員:しかしあのカプセルとはなんなのでしょうか……
呪血妖術師団員:1つ開封しただけで周囲の魔術汚染の状況がとんでもないことに……
呪血妖術師団員:部隊にはエーテル酔いした者も多数出ており……
ヒアデス:フヒヒヒヒィ知らなくていいことは知らなくていいんですヨォ!!
呪血妖術師団員:……は、はっ!
ヒアデス:それでは、サダルメリク達諜報部隊から拝借した技術転送陣を改造した――
ヒアデス:巨大物体の転送実験開始するとしますかネェ
ヒアデス:うまくいけば、ちゃぁんとアレが運び出せマスからネェ……!
呪血妖術師団員:しかし……この時期このユノ地区はトウゲンの祭りも行われているはず本当によろしかったので……?
ヒアデス:アスラは戦争中ですヨォ?余計なことを気にしてはいけませんン
ヒアデス:この地は実験に非常に適しているそれだけで理由は充分デスゥヒイッヒッヒッヒ!
呪血妖術師団員:は、はあっ!
サディ:なん、だと……巨大物体転送実験……?
サディ:しかもカプセルとは……?あいつらは一体ユノ山中で何をしているんだ!?
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タヌヒコ:よし、これで何とかなりそうだぜい
クロム:申し訳ありませんでしたたぬ彦
タヌヒコ:いいってことよ、お前も俺を考えてくれたんだろ?蓮も色々ありがとうな
レン:フンッ!俺はただ、これ以上妹を泣かせる兄の姿など見たくもないだけだ
タヌヒコ:ヘッ、素直じゃねぇなぁまあいいや、そういうことにしといてやんぜ!
ソル:おい、蓮、ミミから着信だぞ
レン:コースの下調べをしてくれているニーチェのパートナーか?話してみてくれ
-:ソルは電話でミミと相談した。
ソル:OK……何?そうか……わかったじゃあ、何とかする
レン:何があった?
ソル:祠のある大樹海までの道にモンスターが大量発生しているらしい
ソル:露払いしないとどうにもならねーって
レン:フン、ならばやるだけだもう一度、力を合わせよう
chattalk_11021102
タマモ:ほら、ミミさんグリーンザリスター退治したよ
ミミ:本当ですか?ありがとうございます
ミミ:でも今度はリザードラがたくさんいるみたいです
モモ:よ~し、じゃあモモがボコボコにしちゃうよ[0010]
ニーチェ:お願いします!
chattalk_11021103
オメガ:ミミ、ニーチェ、安心しろオメガ、殲滅してきた
ショウドウジ:拙者も頑張りましたぞ
ミミ:ありがとうございます!
ニーチェ:でもまだキノコみたいな奴がいますね彼らも危険かと
オメガ:え
ショウドウジ:それは一大事ですぞおおおお!オメガ殿、出陣ですぞおおおお!
オメガ:オメガ、緊急発進!
chattalk_11021104
サリ:ニーチェ様、ミミ様討伐完了致しました
ミミ:うん、ありがとうこれでモンスターは大丈夫そうね
タヌヒコ:よし、じゃあ走るぞ
レン:最後までやり抜くんだ
タヌヒコ:おうよ!
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サクラ:皆さん、こちらです!急いでください!
スピカ:あ、さくらちゃんどうしたの、急に用事があるって
サクラ:はい、お兄ちゃんの山登りもずいぶん進んでるみたいですけど
ソル:さっき中腹を越えたところだぜゴールは時間の問題だな
サクラ:そうですかさっきニーチェさんから連絡があって
ソル:ん? なんだよ
サクラ:実は、アスラ帝国の呪血妖術師団が山頂付近にいて何かをしているみたいなんです
ソル:呪血妖術師団って、ヒアデスの軍か
サクラ:すごく厳戒態勢みたいでニーチェさんも前に進めないって……
サクラ:この季節なら私達が祭りをやってるって知ってるはずでこんなこと今までなかったのに……
サクラ:それに最近町の人達に迷惑を掛ける軍の人も本当に多くて困っているんです
レン:ならばこれも俺達の仕事かどうだ、ソル、ハント
ソル:OK、まかせときな要はあいつらを混乱させりゃいいんだろ?
ハント:ああ、狩れと言うならためらわない僕の一撃で確実に仕留めてみせる
レン:そういうことだ悪いが奴等には退いてもらおうこの地域はユノの人々のものだ
サクラ:はい、お願いします!
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ハント:さくら、走路一帯の偵察用魔道ドローンは全て狩り終えた
サクラ:ええ、もうですか!?
サクラ:ありがとうございます
サクラ:流石、ハントさんですね
レン:しまった……すまん敵に見つかった!
ショウドウジ:なんですかな、この警戒態勢は!こんなところで何をしてるんでしょうなぁ
オメガ:全部やっつける? やりすごす?
レン:いや、数が多いここでやりあっても仕方がないだろう
ソル:オレも賛成今やることじゃねーな
レン:基地からモンスターが何体かこちらに向かってくるようだ
レン:それさえ仕留められれば……
ハント:そうか
ハント:ならば狩るだけだ
ハント:心配するな、僕達がたぬ彦の道を切り開く
サクラ:はい、ありがとうございます!
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サクラ:皆さん、ありがとうございます!
サクラ:今、すべてのルートで安全が確認されたとの報告がニーチェさんからありました
サクラ:これでお兄ちゃんも無事に走り抜くことができます
レン:ああ、そいつは良かったな
レン:よし、俺達もたぬ彦を追うぞ一緒に祠に到達するんだ
サクラ:大丈夫です、お兄ちゃんならきっと最後までがんばってくれるはずです!
レン:ああ、確かに今のたぬ彦なら信じてもいいかもな
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レン:さあ、いよいよ最後のラストスパートだ
レン:ユノ大樹海を越えればついに栄光のゴール
レン:たぬ彦の勇姿を見届けてやろうではないか!
ソル:おお!
スピカ:おー!
サクラ:ふふ、何だか蓮さんが1番嬉しそうですね
クロム:ふふ、キミもそう思いますか?
サクラ:クロムさんもそう思いますか?
クロム:ええ、蓮はあれでいてなかなか面倒見が──
レン:貴様、何を話している
クロム:ふふ、いやですねぇただの世間話ですよ
レン:フン、白々しいヤツめ
レン:俺は貴様を許した訳ではないからな貴様は何故、悪戯な薬ばかり調合する
レン:おい、聞いているのか!って、クロムはどこへいった!
サクラ:クロムさんなら、もう先に
レン:そういうところだぞ、クロム!
レン:決めたぞ、たぬ彦の次は貴様だ!貴様の性根を叩き直してくれる!
サクラ:ふふ、蓮さんは忙しい方ですね
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タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……へ、へへへ……
タヌヒコ:どうでぃ、おいらだってやるときゃやるんだぜ
タヌヒコ:見たか、蓮!
レン:ああ、確かに貴様の本気、見せてもらった
タヌヒコ:おいらのことを根性無し呼ばわりしたの取り消してくれるよな
レン:フン、気の早いヤツめこのまま無事にゴールしてみせたらの話だ
タヌヒコ:…………
レン:何だ、黙りこくって
タヌヒコ:いや、おいら、おめぇのこと誤解してたんだなぁって
レン:誤解だと?
タヌヒコ:おめぇ、口悪ぃから気づきにくいけどオイラのこと気に懸けてくれてたんだよな
レン:何のことだ、意味がわからん
タヌヒコ:とぼけても無駄だっつうのおいらが弱気になるとわざと罵って焚きつけてくれただろ
タヌヒコ:おいらが怪我したり、へばると靴や薬を手配してくれたし
タヌヒコ:挙げ句が、クロムの薬で副作用が出たとき、おめぇは何よりもおいらの身体のことを1番に考えてくれた
レン:フン、教師なら誰でもそうする
タヌヒコ:へへ、言うと思ったぜだが、おめぇのことだ、おいらが知らないところで他にもいっぱい……
レン:フン、調子に乗るなよ、たぬ彦貴様に知ったような口を叩かれるほど俺は単純ではない
タヌヒコ:さくらから聞いてんぜ?
タヌヒコ:おめぇ、実はよ妹がいるらしいじゃねーか?へへへ、おいらと同じだな
タヌヒコ:おいらよ、何かおめえに似てる気がしてきたんでい強情なところとかよ
レン:フンッ!くだらんことを言っていないでとっとと祠まで走れ!
タヌヒコ:へへっ、素直じゃねぇなぁまあいいか、そういうことにしといてやんぜ!
タヌヒコ:そうら、ラストスパートでぃ!
モンスター:グオオオオオオオオオオオオ!
タヌヒコ:うびゃああああああああ──!?お、おめぇ、急に何だってんだよ!?
レン:チッ、とんだ珍客よ空気の読めないモンスターもいたものだな
タヌヒコ:うううぅ、くそぅ……後もう少しだっつうのにおいら、また……
タヌヒコ:何でなんだよ! おいら、何でいつもいつも上手くいかねぇんだよ!
レン:諦めるな、たぬ彦!
タヌヒコ:蓮……
レン:貴様には俺達がついている俺達を信じて最後まで走り抜け!
タヌヒコ:おうよ、おいら、諦めねぇ……おめえの言葉に応えんのはおいらなんだああああ──!!
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ソル:おい、来たぞ!たぬ彦だ!
スピカ:たぬちゃーん、頑張ってー
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……へへ、見えてきたぜ
モモ:たぬたぬ、もう少しだよー
タマモ:見直したよ!アンタ、やるじゃん
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……いいもんだよなぁ応援されるってぇのは、へへ
ショウドウジ:感無量ですぞおおおお!たぬ彦殿ぉ、感動を感謝ですぞぉ!
オメガ:たぬ彦、すごいやつ!オメガも負けない!
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……まるでヒーローじゃねーか
タヌヒコ:こんなに祝福されたことおいら、今まであったっけ……
サリ:たぬ彦様、素敵ですよ大変に輝いておいでです
ニア:にゃー、たぬ彦かっこいいにゃー
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……おいら、このまま死ぬんじゃね?何だろう、涙が止まんねぇよ……
タヌヒコ:はうううぅ……頼むぅ、夢なら覚めないでくれぇ
クロム:嗚呼、何と素晴らしい!キミの勝利を讃えさせてください
ハント:フン、いい面構えになったな
エグゼ:うううぅ、自分やべーすよー涙がぁ、涙がぁぁぁぁ……
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……あれが、おいら達の栄光のゴール……
タヌヒコ:はぁ、はぁ、はぁ……後は、あそこを突き抜けるだけでぃ!
レン:さあ、来い! たぬ彦!俺の胸めがけて飛び込んで来い!
タヌヒコ:蓮っ、行くぜぇぇぇぇ!
タヌヒコ:はああああああああああああ──!!
-:cutin_00010_00
タヌヒコ:うおおおおおおおお、蓮んんんん!おいら、おいらぁ、ついにやったぞ!
レン:うおおおおおおおおっ、たぬ彦ぉ!貴様のぉ、貴様の勇姿見届けたぞお!根性無しなどと俺が誰にも言わせん!
タヌヒコ:おめぇこそ、本物の教師だぁおいら、蓮がいなかったらきっと……
レン:バカを言うなっ! 認めてやる貴様こそ、俺の最高の生徒だぁ!
タヌヒコ:え、おいらが、生徒……いいのか、蓮、おいらも仲間に……
レン:フン、ちょっと走ったくらいで一人前になれるとでも思ったか
レン:まだまだだ、貴様には教育が必要だ貴様が一人前の騎士になれるまで俺が教え続けてやる!
タヌヒコ:うおおおおおおおおおん……先生ええええ、蓮先生ええええん……
スピカ:なんか、良かったね
ソル:やっぱり蓮は変わってねぇなあああいう熱いところは昔からだ
ソル:そういうところは……ちょっと羨ましいぜ
スピカ:ソル君……
ソル:お~い、蓮!感動の最中悪いけどさそろそろエーテル注ごうぜ
ソル:祠が無くなっちまったら洒落になんねー
レン:悪い、それもそうだな
-:そして皆が祠を囲み、エーテルを注ぎ込もうとした。
ソル:……ん?
スピカ:また、何かが見える……!?
兵士:敵襲! 敵襲!!アスラの強襲揚陸艦だー!
皇女テラ:な、なんですって!?そんなまさか!?
皇女テラ:我が神聖ラクーン皇国そしてこのマザーコアの神殿は絶対不可侵の聖域
皇女テラ:それに今日は大月蝕の祭典この神殿には今、アスラの信者さえいるのですよ……!?
兵士:テラ様! ここは我々に任せシグレ様がおられるマザーコアの間にお逃げ下さい!
兵士:この神殿は我々近衛が死守致します!
皇女テラ:……皆さん……!
スピカ:こ、これって……
ソル:アルデバランが神殿に来る直前……
ソル:今の話だと、神殿にいたのはラクーンの人間だけじゃなくアスラの人間もいたみたいだな
ソル:人種も、老若男女、関係なく……
スピカ:酷い……
ソル:こんなん戦争じゃねー虐殺だろ!
-:たぬ彦の完走に歓喜した一行だったがこの光景を見せられた後では残念ながら感情が塗りつぶされるように憤りを感じざるを得ないのだった。
talk_11021303
サクラ:あー、お兄ちゃーーーーん
タヌヒコ:ふぎゃああああああああ!?
タヌヒコ:って、何度ぶつかりゃおめぇは気が済むんだよ!
サクラ:えへへ、ごめんなさーい
サクラ:でも、お兄ちゃんついにやったんだねおめでとう!
タヌヒコ:へっ、こんなもん別にめでたくも何ともねぇつーの
タヌヒコ:おめぇが泣きそうな顔してっからちょっと本気出しただけだよこれでおめえの面子も立ったろ
サクラ:えへへ、お兄ちゃんってやっぱりすごいんだね!
サクラ:さくらも、お兄ちゃんみたいになれるよう、もっともっと頑張るね
タヌヒコ:おうよ! せいぜい頑張れよ!
レン:たぬ彦め、相変わらずの調子だな
レン:まあ、調子に乗りたくともその相手がいなくなってしまえばどうにもならないのだから……
レン:それはそれで、喜ばしいことか
サクラ:蓮さん
レン:何だ、まだ頼みごとがあるのか
サクラ:いいえ、頼みではなくお願いです
レン:お願い、だと?
サクラ:お調子者でバカなお兄ちゃんですけどさくらにとっては世界一のお兄ちゃんなんです
サクラ:いっぱいご迷惑をおかけすると思いますが、どうかお兄ちゃんをよろしくお願いします
レン:フン、くだらん
サクラ:え
レン:貴様はあいつの迷惑を迷惑だと思ったことがあるのか?
サクラ:いえ、それは……
レン:いい兄をもったな
サクラ:え……あ、はい! ありがとうございます!
タヌヒコ:お~い、蓮!ぐずぐずすんなよ、おめえ!
レン:フンッ……!では、また会おう我が生徒の妹よ
-:さくらは一行を見送った。兄が成長できたのは彼らのおかげだ。そう確信できるような大きな心の持ち主だと彼女は感じた。
-:そうして彼らを案じさくらは大きく手を振るのだった。
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モモ:わ~立派な木だね~
タマモ:これ……ただの木じゃないよね?このあたりのご神木なのかな?
モモ:ねえねえ、たまちぃご神木ってな~に~?
タマモ:う~ん、土地を守る神様が宿る依り代みたいなものかな
タマモ:ナギや、モチノキとかそういう木がご神木にされることが多いんだ
モモ:そっか~たまちぃ詳しい~♪
モモ:確かに守ってくれそうなくらい大きな木だね~♪
タマモ:でもなんだか……このご神木……元気が、ないような……
コダマ:そうなの……困ったわ……
タマモ:うひゃっ!び、びっくりした……
モモ:ねえねえ、なにを困ってるの~?
コダマ:実は、ここのところどんどんご神木様の元気が無くなっちゃって……
コダマ:とうとう声まで聞こえなくなっちゃったの!
モモ:え~声~?あなた、木の声が聞こえてたの~?
コダマ:ええ、いつもならね。私はこのご神木様を祀る神社の神主だから
タマモ:へぇ、ラクーン人にも神木の声が聞こえる人が居るんだ……
コダマ:ご神木様が元気がないのは害獣たちのせいなのだけど私には手も足も出なくて……
モモ:なんだ~じゃあその害獣をモモたちが倒してきてあげる~
コダマ:えっ、本当に?
モモ:ほんとだよ~ね~たまちぃ♪
タマモ:ま、そういうことなら仕方ないね!わらわ達に任せて!
chattalk_21020502
モモ:やったよ[0012][0008]
タマモ:やっつけたよ[0012][0009]
コダマ:ありがとう!
コダマ:ついでにご神木様を汚している
コダマ:大樹の毒キノコの退治もお願いできないかしら?
モモ:18
タマモ:いいよ~[0012]
chattalk_21020503
タマモ:倒したよ[0008][0009]
モモ:声きこえるよーになった??
コダマ:それが…
コダマ:まだ駄目みたい
コダマ:もしかしたら神水がいるのかも……
モモ:神水[0015]??
コダマ:うん、近くの泉でとれる神聖なお水なの
タマモ:うん[0009]とってくるね[0012]
chattalk_21020504
モモ:神水げと[0001]
コダマ:ありがとう!
タマモ:うーん
タマモ:でもこれダメかも[0005]
コダマ:ダメって?
タマモ:んー
タマモ:とにかく1回帰るね!
talk_21020505
コダマ:神水が……濁ってる……
タマモ:昨日、沢山雨が降ったから泉の水が濁っちゃったっぽいね
モモ:濁ってるとだめなの~?
タマモ:わらわ達は清く澄んだものを好んでて……
モモ:わらわ達?
タマモ:んはっ!?
タマモ:なんでもないのじゃ!あ、えっと……
タマモ:ちょっとした言葉の綾!とにかく神様は綺麗なモノを好むから、この神水じゃダメ!
タマモ:もうこの辺りにはないの?
コダマ:ある……かもしれない……
コダマ:ギガフレアグリーズが透き通った神水を集めてるって聞いたことがあるわ
タマモ:じゃあそのギガフレアグリーズを倒せばいい?
コダマ:でもとっても強いよ2人で大丈夫?
タマモ:全然、余裕だよ!
モモ:大丈夫、大丈夫~!
chattalk_21020506
タマモ:やっつけた[0008][0009]
モモ:きれいな神水もげと!
コダマ:ありがとう!
コダマ:ご神木さまの元気がまた無くなってきてるの
コダマ:急いで戻ってきてもらえるかしら?
タマモ:1
talk_21020507
タマモ:……そうか、ケヤキ殿と申すのか
-:…………
タマモ:……いやいや、そのように恐縮なさるな、ケヤキ殿よわらわだけの力じゃ
-:…………
タマモ:……ああ、今しばらく力を蓄えれば次第に神主にも声が聞こえるようになるじゃろう……
モモ:たまちぃ、みっけ~何してたの~?
タマモ:わっ!な、何もしてないし!
モモ:もしかして……ご神木様と会話してた?
タマモ:ま、まっさか~!わらわ、ただの女の子だし?ケヤキ殿の声なんか聞こえてないよ?
コダマ:ケヤキ殿……なぜご神木様の真名を……
タマモ:へっ!?あ、あはは……
モモ:まあまあ~♪それより、ご神木様元気になって良かったね~!
タマモ:う、うん! そうだよね!ホント元気になって良かったし!
モモ:ご神木様~!これからもこの土地を守ってね~!
-:その時、3人の間を爽やかな風が一陣吹く――
コダマ:あ、風だわ……
モモ:あ~気持ちよさそうに揺れてるよ~ご神木様が喜んでるのかな~?
タマモ:そうだね……ふふ、優しく笑ってるよ
talk_21020601
モモ:あれ~?開かないね~?
タマモ:入れそうで入れないね。
コダマ:二人で何をしているの?
モモ:あ、こだまっち~♪あのね~この扉が開かないの~あとちょっとなのに~
コダマ:その扉は、木の下につながっていてご神木様の力じゃないと開けられないようになってるの
コダマ:私も困ってて……ご神木様の力があとちょっと戻れば開けてもらえるんだけど……
コダマ:もっと元気になってもらおうにもまだ声が聞こえないし……
タマモ:それってご神木様に元気になる方法を聞けばいいのかな?
モモ:たまちぃ聞けるの~?
タマモ:い、いやっ! 聞けないよ!わらわが聞けるわけないのじゃ!
モモ:だよね~う~ん、困ったな~どうしよ~
タマモ:あ! ももちぃあそこに美味しそうな桃まん屋が!
モモ:え~どこどこ~!?
タマモ:……ケヤキ殿よ……わらわに教えてたもれ……そなたの願いはなんじゃ……
-:…………
タマモ:……なるほどのぅ暫し待たれよ……
モモ:たまちぃ、ないよ~?
タマモ:あ、あれ~?見間違えたのかな!
モモ:そっか~ざんね~ん
タマモ:ねえ、ももちぃもしかしたら何かいいものがあるかもしれないし
タマモ:とにかく探しに行ってみない?
モモ:うん、おっけ~♪何かいいものあるかな~桃まんとかどうかな~?
コダマ:…………
chattalk_21020602
コダマ:調子はどう?
タマモ:3
タマモ:これでもう大丈夫だし!
モモ:いっぱい集めたよ[0001]
モモ:なんだかわかんないやつ~( *´艸`)
モモ:これで元気になるといーな[0009]
コダマ:きっと大丈夫よ
コダマ:ね、たまちぃさん?
タマモ:[0017][0017]
タマモ:なんでわらわに[0030]
タマモ:とにかく持って帰るっ!
コダマ:うん、待ってるわね[0010]
talk_21020603
コダマ:あ!ご神木様の声が聞こえるわ!
モモ:わ~よかったね~ご神木様はなんて言ってるの~?
コダマ:お二人のおかげで元気がみなぎってきたって
コダマ:ねぇ、たまもさん……すこしだけ、お話いいかしら?
タマモ:どきぃっ!な、なんじゃ……?
コダマ:桃さんは少し外してて欲しいな
モモ:えー……でもうん、いいよー!
コダマ:たまもさん……あなたは神様なんですか?
タマモ:……ケヤキ殿から聞いたか
コダマ:ええ、人ならざる者にお礼をと……
タマモ:わらわは……結局のところ、わからん神でもあるかもしれん
タマモ:だが、違うのかもしれん
タマモ:人の子を見守る存在であり肉体を持たぬ何かであった
タマモ:それ以外は、よく覚えていないのじゃ
コダマ:相当な事情がおありなんですね……
コダマ:ただ、一つだけ……ケヤキ様は貴方と会えて本当によかったと言っています
タマモ:わらわもじゃよこの出会いは……忘れることは無い
タマモ:共に人を見守る者同士仲良くしてくれ……ケヤキ殿
-:…………
モモ:んー?お話終わった~?
タマモ:わきゃあっ!!お、終わったのじゃ!な、なんでもないのじゃ!
コダマ:と、とにかくご神木様がありがとうって!
モモ:えへへ、神様に褒められるってなんか照れちゃうね~
タマモ:だ、だよね~!
モモ:扉も開いたし~これで全部解決だね~
タマモ:うん!さっそく、扉の中に行ってみよ!
talk_21020701
ミスターT:そこのあなた!レッツトラァイ!
ニア:にゃっ!なんにゃ!?
ミスターT:私の名前はミスターT突然ですが……トライの時間です!
ミスターT:今回、お二人には[item:211010082(金剛石)]を手に入れてもらいます。
ミスターT:では、レッツトラァイ!
ソル:おい! 勝手に始めるなよ!
ニア:そうだにゃ!ちょっと待つにゃ
ミスターT:…………5秒経過……
ニア:うにゃっ!カウントダウンし始めたにゃ!
ニア:うにゃ~!や、やるしかないのかにゃ……!?
ソル:ったくなんなんだよ……
chattalk_21020702
ミスターT:5秒前
ミスターT:4
ミスターT:3
ミスターT:2
ミスターT:1
ニア:まつにゃー!
ソル:手に入れたぜ!
ソル:あと1秒か
ニア:危なかったにゃ[0005]
ニア:何が危なかったのかわからないけどとにかく危なかったにゃ[0005]
ミスターT:素晴らしい!
ニア:何のために金剛石を手に入れさせたにゃ?
ミスターT:28
ミスターT:今日のトライは成功でした!では次回までごきげんよう!!
ソル:おいおい…
ソル:一体なんだったんだろうな
ニア:わからないにゃ
ニア:でも…
ニア:また会う気がしてならないにゃ…[0028]