talk_19030301
-:双龍の巫女と話をするため彼女のいる町へとたどりついたソル達。しかし双龍を殺してコアを奪うか他の方法を模索するか未だ答えを出せずにいた。
スピカ:ソル君、これからどうするの?
ソル:まずは双龍の巫女に会いに行こう
スピカ:そうだね。巫女に聞けば双龍と戦わなくてもいいかもしれないし
ソル:そうできたらいいけどな……
モモ:ソル君はできるとは思ってないのー?
ソル:双龍自身が言ったじゃないか殺すしかないって
エグゼ:それはそうすけど……
スピカ:もしもそれがはっきりしたらやっぱり……
ソル:双龍を倒してコアを手に入れるしかない
サディ:……ソル貴方、本気なの?
サディ:双龍様はここに住む人達の守り神に等しい存在なのよ
スピカ:そ、そうだよソル君……
スピカ:そんな双龍を倒したりしたらフォレスへイムに住む人達はどうなるの?
ソル:スピカはベガ先輩を助けたくないのか?
スピカ:そんなことないよでも……
スピカ:誰も悲しまないで済む方法をみんなが幸せになるやり方を探せば……
ソル:そんな都合のいい方法があるならオレだってそうする
ソル:でも今は他に方法がねーんだだから……
サディ:…………
スピカ:諦めたりしなければ何か方法が……
ソル:本当にあると思っているのか?
スピカ:……っ
ソル:ベガ先輩がこの時も苦しんでいるっていうのに……
スピカ:それは、わかってるわかってるけど……
ソル:先輩を助けて地球に戻るためにもコアが必要だ
ソル:そのために巫女に話を聞きにいくんだろ?
スピカ:……うん
ハント:たしかにソルの言うことは間違ってはいない
ハント:常に最悪の事態を想定しておいたほうがいい
タマモ:そのために双龍の命を奪ってもかまわないってわけ?
ハント:たまもは地球に戻ることを諦めるのか?
タマモ:双龍はこの国の守護者で信仰の対象なんでしょ?
タマモ:精神的支柱を失ったら町の人はどうなるの?
クロム:アルデバラン軍が双龍の保護を掲げていますが……
ハント:……保護、かただの建前だと思うが?
クロム:ええ、僕も同感ですね
クロム:政権を握ったアルデバランにとって多くの人々から信仰される双龍はおそらく邪魔な存在のはずです
サディ:……でしょうねアスラの皇帝は代々双龍様によって選ばれてきたわ
サディ:けれどアルデバランは選定の儀を経ていない
サディ:そんな人間が、一時的とはいえ帝国の実権を握ることを認められない人は大勢いる
タマモ:じゃあ、もしかして……
クロム:弱体化している今、排除をするのは簡単でしょう
クロム:また何か呪術などで操るか……
ソル:それか、殺すつもりか
クロム:その可能性も高いでしょうね……どうします?
ソル:…………
ハント:殺すかどうかは保留しても奴らを放置できない
クロム:ええ。傍観しているわけにはいかないでしょう
ソル:あいつらに邪魔をされる前に先手を打てばいい
レン:双龍を自分の手で殺すために帝国軍から守るのか?
ソル:まだ殺さなくちゃいけないと決まったわけでもない……
レン:それしか方法がなければどうする?
ソル:もし……双龍の命とコアどちらかしか選べないなら
ソル:答えは、1つしかない……
サディ:――ソル
レン:ソル、少しは落ちついたらどうだ?貴様らしくもない
ソル:オレは冷静だよ。冷静にどうすればいいのか考えている
レン:そんな重要な決定を安易にしかも独断でしておいて冷静だと?
レン:短慮からの反射的な行動を取るなと言っている
ソル:だったら……
ソル:地球へ戻るための方法をベガ先輩を救うために他の案を出してくれ!
レン:それが簡単ではないことはお前もわかっているはずだ
ソル:わかっているからこそフォレスへイムコアを手にいれたいんだ
クロム:さて、困りましたね僕らの意見がここまで割れるなんて初めてではありませんか?
ソル:どうして答えが1つしかないのにみんなわからないんだよ
ハント:ソル、それは違う答えは1つなんかじゃない
クロム:正しい答えなんてものは人の数だけありますから
ソル:でも、今はこうするしかないじゃないか
ソル:こうするしか、ないんだ……
サディ:……やはり、こうなってしまうのね
スピカ:サディさんどこへ行くんですか……?
サディ:さすがに少し疲れたわこれでも病み上がりだからね
サディ:この町にも行く宛はある少しの間、体を癒やすことにするわここで別れましょう
ソル:サディあんたは……
サディ:助けてくれたこと双龍様の所へ連れていってくれたこと……感謝しているわ
サディ:さようならソル、皆
-:涼やかな微笑みを浮かべてサディは町の中へ消えていく。
-:その背中を、ソル達は黙って見送るしかなかった。
talk_11031301
???:双龍ちゃんの巫女を探してるガイアス達ってあんたら~?
ソル:あ、ああ……そうだけど……
スピカ:もしかしてあなたが双龍の巫女様ですか?
クラハ:双龍ちゃんの巫女の蔵葉でーすよろー
ソル:あまり巫女っていう感じじゃないんだな……
クラハ:あははっ、信じらんない?
ソル:正直に言えば、そうだつーか、何かたまもさんっぽい……
タマモ:えー、言うほどかなー?ま、いいや!蔵葉っち、よろよろー!
スピカ:ソ、ソル君っ!たまもちゃんも!失礼だよ!!
クラハ:いいっていいって疑いたくなるのもわかるってゆーか
クラハ:あたしのことをどう思うかなんてあんたらの勝手じゃん
スピカ:え? そ、そうなのかな……?
クラハ:そーそー、だから気にすることないし
ソル:あんたが本当に双龍の巫女なら教えてほしい
ソル:フォレスへイムコアを手に入れたいどうすればいいか知らないか?
-:ベガ――仲間を助けるためにコアが必要だということ。
-:双頭の龍を倒さないとコアが手に入らないと教えられたこと。
-:ソル達は双頭の龍の現状と自分達の望みを蔵葉に話した。
クラハ:あー、双龍ちゃんったらもうそんなにヤバそう?
クラハ:まあ最後に会った時もかなーりヨボヨボだったしねー
クラハ:ま、でも寿命なら仕方なくない?
スピカ:仕方ないって……
クラハ:龍に限らず、どんな生き物でもいつかは死ぬもんでしょ?
スピカ:う、うん、そうだけど……
モモ:巫女さんなのに双龍のこと心配じゃないの?
クラハ:心配だよでもあたしが何をしても寿命はかわらないしねー
クラハ:命を延ばしたいって死にたくないって助けてほしいって
クラハ:双龍ちゃんが言ったわけ?
ソル:いや……そんなことは言わなかった
クラハ:双龍ちゃんが望まないなら何もしない
クラハ:相手が望んでもないことをするのは善意の押し売りっていうんじゃない?
ソル:……っ
クラハ:なんてねー
クラハ:双龍ちゃんのホントの望みなんてあたしらは知らないし
クラハ:あたしも巫女をやりたくてやってるわけじゃないし
スピカ:そ、そうなんだ……
ソル:だとしても蔵葉は双龍の巫女なんだろ?
クラハ:そうだけど?
ソル:双龍のこと本当にどうにもならねーのか?
クラハ:さっきも言ったでしょ?双龍ちゃんは望んでないって
ソル:ああ、これはオレ達の願いだそれはわかっている
クラハ:はあああぁ……
クラハ:めんどーになりそうなことはしないでほしいんですけどー
ソル:蔵葉にとっては面倒なことでもオレ達はやらなくちゃいけないんだ
クラハ:じゃあ双龍ちゃんが死ぬまで待ってなよ
クラハ:次の依り代が決まればその依り代に宿る前にはコアは姿を現すし
スピカ:ソル君、蔵葉さんの言う方法なら……
ソル:それは何ヶ月……下手をすれば何年もかかるんじゃないか?
クラハ:あらら、気付いちゃった?
ソル:帝国軍のやつらも双龍を狙ってるのんびりしていられないんだ!
クラハ:だったら方法は1つだけだよ双龍ちゃんも言ったんじゃない?
クラハ:……自分を殺さないと無理だって
ソル:……そう、言ってたな
レン:お前達、忘れてはいないだろうな俺達の本来の目的はコアを持ち去ることではない
レン:俺達の目的は各地の分霊のコアに力を注ぎ込みマザーコアの力を復活させることだ
スピカ:そうだよもしも他の方法があるなら戦わないで済むなら……
クラハ:そんな都合のいい方法があるなら双龍ちゃんが言うっしょ
ソル:やっぱり双龍と戦って倒すしかねーのか……
クラハ:それってあたしらにとってものすごい迷惑だってわかってる?
クラハ:ま、あんたらがやりたいなら好きにすればー?
クラハ:でも、もしそうするのなら――
ソル:そうするなら……?
クラハ:フォレスへイムの全ての民があんたらに全力で抵抗するそれこそ、死に物ぐるいでね
ソル:……っ
スピカ:あ……
クラハ:……なーんてね
クラハ:双龍の巫女様の前でそういうこといわないでほしいんですけどー
スピカ:…………
ソル:…………
レン:双龍を殺さずコアに力を与えられる方法があれば解決か
クラハ:あればね
ソル:カプセルマシンを経由して双龍にエーテルを注ぐことができるのなら……
ソル:弱ったコアが活性化し双龍が力を取り戻すかもしれない
クラハ:生半可な量じゃ、注がれたエーテルがコアに届く前に双龍ちゃんの体に吸収されちゃうよ
ソル:今まで以上のエーテルを注げば何とかなるんじゃないか?
レン:その発想はいささか安直ではないか?
クラハ:あはははっ、そうだね安直だよねー
ソル:安直かもしれないけど可能性はあるはずだ
クラハ:だけど弱った双龍ちゃんだとそのエーテルを生命力に変えることもできないかなー
ソル:今まで誰もやったことはないんだろう?
クラハ:やっても無駄なことなんて誰もやらないっしょ?
ソル:無駄じゃないかもしれないいや……無駄にしない
ソル:必ず……オレがやりとげてみせる!
スピカ:ソル君……双龍のことなんだから蔵葉さんの意見も聞かなくちゃ
ソル:……わかってる
クラハ:聞いても従いはしないんでしょ?
クラハ:あたしが何を言ってもやめる気なさそうだしー
ソル:誰に何を言われてもやめる気はないよ
クラハ:はぁ……めっちゃ面倒だわ……
スピカ:ごめんなさい……
クラハ:まあ、無駄でしかないけどやりたいならやればー?
ソル:殺さずに済むかもしれねーならコアにエーテルを注いでみよう
ソル:可能性について論じて立ち止まるよりも
ソル:少しでも前を向いて進むしかないんだ!
スピカ:…………
-:双龍の肉体と一体化したコアに力を注ぐため方法を模索するソル達。
-:しかし、これまで幾多の困難を越えてきた仲間達の足並みが確実に乱れ始めていることに気付く者は誰もいなかった――。
chattalk_11031302
クラハ:やっほー、エーテル集めやってる?
ソル:…もちろんだ
クラハ:うわ、すごい量
クラハ:ホントにホンキだったんだ
ソル:これだけエーテルがあれば十分だろ
クラハ:はぁ
クラハ:アンタ達がなんかしてないといられないのはわかったわ
ソル:だったら――
クラハ:無理で無駄だと思うけど…
クラハ:コアが活性化するかもなやり方はあるよ
クロム:41
ソル:それでどうすればいい?
クラハ:シャービナクリスタル
ソル:なんだ、それ…?
クラハ:すごく強い力を出すからそれを使ってみればー?
ソル:本当か!それはどこで手に入るんだ?
クラハ:43
クラハ:そうよねーやっぱ食い付くよねー
クラハ:はー……やっぱ教えなきゃ良かったわ
ソル:頼む。今はどんなことでも試してみたいんだ
クラハ:ま、いっけど結果は期待しないでねー
クラハ:それと特に男子[0030]ぱにフォンでメッセージやり取りする時は
クラハ:スタンプとか絵文字をたくさん使いなさいよ[0003]
クラハ:ほんじゃーね~
ソル:38
chattalk_11031303
ソル:26
ソル:シャービナクリスタルって、これだろ?
ソル:202102811
クラハ:41
クラハ:うわ、マジで取ってきたんだ…
ソル:これがあれば双龍に…
クラハ:喜んでるとこ悪いけどそれって本物?
クラハ:そう簡単に手に入らないはずなんですけどー
ハント:34
ソル:そう言われてもな…
ハント:本物かどうか、僕達には確かめようがないな
クラハ:はあ…仕方ないな…
クラハ:確かめてあげるからとりあえず持ってきて
ソル:4
talk_11031304
ソル:シャービナクリスタルは本物か?
クラハ:あー、うん。マジもんだ間違いないね
ソル:なら、これがあれば……!
クラハ:喜んでるとこ悪いけどクリスタルだけじゃダメだから
クラハ:双龍ちゃんに使うつもりならクリスタルを薬にしないと
スピカ:薬……?
クラハ:霊薬――竜涎薬ってやつ
クラハ:双龍ちゃんに飲ませるならそれを作る必要があるわけ
ソル:竜涎薬を作るために他に必要な素材を教えてくれ
クラハ:これからすること全部が無駄になるかもよ?
ソル:わかってるさでもここで止める気はない
クラハ:揺るがず、惑わず、迷わずまっすぐ目的をもって進む……ってワケねー
ソル:……何か問題があるのか?
クラハ:それがいつも正しいとは限らないんじゃない?
ソル:そんなこと言われなくてもわかってる
クラハ:ホントにわかってるならいいんですけどー
クラハ:問題かどうかはあんたらが決めることだし
クラハ:そうそう、他に必要なものだっけ?まずは命竜草だよ
ソル:わかった。それを探してくればいいんだな?
クラハ:そうだねー。で、薬がダメだったらどうするつもり?
ソル:もちろん他の方法を……フォレスへイムコアにエーテルを注ぐ
クラハ:ふーん……そっかそっか
クラハ:ねえ、そっちの人達も同じ考えなの?
ショウドウジ:拙者は……今できることをしているだけでござる
オメガ:オメガも、正道寺と同じ!
クラハ:今できること、ねえ……
クラハ:スピカだっけ?あんたはどう思ってんの?
スピカ:私は……その……
クラハ:あんたが一番揺れてそうだねー
ソル:何が言いたいんだ?
クラハ:あんたらがやっていることそれは本当に自分の意見なわけ?
ソル:当然だろ? みんなだって同じはずだ
スピカ:…………
クラハ:ホントにそう言い切れる?誰かの考えに引きずられてない?
ショウドウジ:引きずられているとしてもそれが正しい選択ならば迷うことはないでござる
オメガ:難しくて、オメガ答えられない
オメガ:でも、考えているだけ何も変わらない!
クラハ:それが正しいと信じて他の可能性から目を逸らす
クラハ:それはホントに正しいわけ?
ニア:そうしないために色々としているにゃ
サリ:薬を作ろうとしているのも双龍様を傷つけないためです
クラハ:もし、それでもダメなら?
ニア:できることなら双龍を殺したくはないにゃ
サリ:沙璃もニア様と同じ考えです
クラハ:したくないだけでしないとは言わないんだー?
サリ:そ、それは……
クラハ:双龍ちゃんを殺すんでしょ?あんたらにとってそれが正しい事だったら
ニア:……殺したくないと言ったにゃ
クラハ:殺す必要があっても?他の人がそうしようと言っても?
ニア:……その時までに答えを出すにゃ
クラハ:それがちゃんと自分で考えて出した答え?
クラハ:あたしにはただの先送りにしかみえないんですけどー
ニア:…………
サリ:…………
クラハ:ま、あたしにはかんけーないけどね
レン:ならば、なぜそんなことを俺達に聞いた?
クラハ:ん? ちょっとした興味?
クロム:興味だけですか?
クラハ:そうそう、ただの興味
クラハ:あたしには何もできないしするつもりもないし
クラハ:あんたらに何ができるのか何をするつもりなのか
クラハ:その経過と結末を気にしたらおかしい?
クロム:おかしくはありませんね
クラハ:そういうこと
ソル:話はもう十分だろ竜涎薬を作るための命竜草ってのを採りに行こう
chattalk_11031305
スピカ:29
ソル:蔵葉、集めてきたぞ
クラハ:そう…集め終わったの
スピカ:202102821
スピカ:これでいいんだよね?
クラハ:24
クラハ:ホント、すごいやる気だね
ソル:オレ達の目的のためにやるべきことだからな
クラハ:みんなのためにみんなの力を合わせてみんなでがんばる
クラハ:それが、おとぎ話みたいにいつも結末が綺麗ならいいんだけどね…
ソル:オレ達はそうするために今、こうしているんだ
クラハ:あんたならそう言うと思ったよ
クラハ:んじゃ次は竜結石ね
ソル:3
chattalk_11031306
ハント:29
エグゼ:202102831
クラハ:1
エグゼ:これで竜涎薬を作るだけすね
クラハ:15
ソル:3
クロム:18
chattalk_11031307
シンノ:大変です!
スピカ:そんなに慌ててどうしたんです?
シンノ:巫女が…蔵葉がさらわれましたっ!
ソル:なんだって!?
ニア:そんなことをしたのはいったい誰にゃ!
シンノ:帝国軍です
ソル:まさかアルデバランか?あいつが来ているのか?
シンノ:それはわかりませんが…
シンノ:蔵葉をさらったのはアルデバランが率いる帝国軍です
ソル:竜涎薬を作ったことをどこかで知ったのか?
シンノ:可能性はありますですが…
レン:双龍を治癒させるとやつらには不都合というわけか
スピカ:私達のせい、だよね…蔵葉さんを助けなくちゃっ
ソル:わかった、すぐに戻る!
talk_11031308
シンノ:戻ってきていただき申し訳ありません
ソル:蔵葉がさらわれたのは間違いないのか!?
キリエ:……うん。まちがいないよ
スピカ:キリエちゃんも来てたんだ
シンノ:蔵葉と会わせるつもりで連れてきていたんです
ソル:蔵葉に……?
キリエ:蔵葉お姉ちゃんのことは小さな頃から知ってるの
スピカ:もしかして……蔵葉さんが双龍の巫女だから?
シンノ:そうです。私達一族と同じように蔵葉も双龍様に仕えています
スピカ:蔵葉さんと同じなんだ……
キリエ:神官と巫女だから役割はちょっと違うんだけどね
ソル:今はそんなことよりも蔵葉の安否の確認だろう
ソル:それに薬を作ったのに……
シンノ:竜涎薬のことですね?彼女の代わりに私が受け取りましょう
キリエ:蔵葉お姉ちゃんが帰ってくるまでだから
ソル:……わかった。任せる
スピカ:よろしくお願いします
シンノ:確かに受け取りました
ハント:僕達がなんのためにそれを作ったのか聞かないのか?
シンノ:あなた達がしようとしている事はわかっています
キリエ:事情は蔵葉お姉ちゃんに聞いてるから
タマモ:それでシンノっちもキリエっちも驚かなかったんだ……
ハント:止めたりはしないのか?
シンノ:止めてほしいのですか?
ソル:……たとえ止められてもやめたりしない
キリエ:それはお兄ちゃん達にはとっても大切なことなんでしょ?
ソル:ああ、そうだ
シンノ:どうするかは双龍様が決めることです
シンノ:私達や蔵葉は双龍様の言葉を想いを、町の皆に届けるだけです
キリエ:そのためにもお願いっ蔵葉お姉ちゃんを助けてっ!!
ソル:必ず救い出すオレ達に任せておけ
シンノ:今、蔵葉がどこにさらわれたか仲間に調べてもらっています
シンノ:もう少しだけ待っていてください
talk_11031401
シンノ:蔵葉の捕まっている場所がわかりました
ソル:どこにいるんだ?
シンノ:帝国軍の駐屯地です
キリエ:ここから少し先に行ったところにあるの
ハント:駐屯地となれば敵の数も少なくないだろう
キリエ:たくさんいると思う……
ハント:救出方法を考えてから出発をしたいところだが……
ソル:こうしている間にも危険な目にあっているかもしれない
ハント:仕方ない……現地で状況を確かめてから方法を決めよう
ソル:みんな、急ぐぞ!
シンノ:蔵葉のことをよろしく頼みます
キリエ:お兄ちゃん達、気をつけてね
ソル:蔵葉、無事でいてくれ……!
クラハ:なーんで、あたしがさらわれなきゃならないし!
帝国兵:お前が素直に答えないからだ双頭の龍の場所を教えろ
クラハ:知らねーし!
帝国兵:双龍の巫女ならば知っているはず教えないと帰さんぞ!
クラハ:ならここに住むし!
帝国兵:ならば話す気になるまでここに居てもらおうか
クラハ:んじゃ、三食昼寝付きでよろー
帝国兵:こ、こいつ本当に巫女か……?
talk_11031402
モモ:うわぁ……兵士がいっぱいいるー
スピカ:あれって監視をするための塔かな?
エグゼ:たぶんそうだと思うす
モモ:駐屯地っていうだけあって警戒が厳重だねー
モモ:ソル君、どうするつもりー?
ソル:正面から突破……というわけにはいかねーな
ハント:……辺りの様子を見てきたが監視塔の死角になる場所に道があった
スピカ:家の勝手口みたいなものかな?
ハント:おそらくそうだろう
ソル:そこから侵入できるか?
ハント:途中に扉があってしっかりと閉じていた
ハント:あれをどうにかすれば……
スピカ:鍵はどこかにあるのかな?
ハント:いや、鍵で開くタイプじゃなさそうだ
スピカ:どうやって開けばいいのかわからないね……
ソル:だったら知っている人間に聞くか
スピカ:帝国軍の兵士以外に知っている人がいるの?
ソル:その帝国軍の兵士に聞くんだ
ハント:……そう言うだろうと思っていた
ハント:兵士達が監視塔の周りを巡回している
ハント:歩く経路や見回る時間をざっと調べておいた
ソル:さすがハントそれがあればどうにかなりそうだ
ソル:帝国軍の兵士を捕まえて扉の開け方を聞き出すぞ!
talk_11031403
巡回兵:何をされても教えるものか
レン:フン、見上げた態度だが……
クロム:こういう時は僕の出番でしょうね
巡回兵:たとえ拷問をしても無駄だ何ひとつ話すつもりはない
クロム:拷問だなんて非効率的で非情なことはしませんよ
巡回兵:な、何をするつもりだ……?
クロム:最も効率的で効果的な方法を実行するだけです
巡回兵:効率的で効果的……?
クロム:ええ、これを使います
巡回兵:お、おいっ。その煙をあげている不気味な飲み物は何だ!?
クロム:ふふふ……何でしょうね?
巡回兵:まさか、それを……んぐっ!?
レン:……全部飲んだようだな
巡回兵:うえっ、ぺっ、お、おい……いったい何を飲ませたんだ!?
クロム:たいしたものじゃありませんよ
クロム:ただ、そろそろ心臓がドキドキして顔が熱くなってきたのでは?
巡回兵:まさか……毒、なのか……?
クロム:さて、どうでしょう。ただ1分以内にこちらの薬を飲まないと……
巡回兵:飲まないと……?
クロム:さぁて、どうなるんでしょうね~ふふふ……
巡回兵:そ、その薬をよこせ!
クロム:欲しいのでしたら話を聞かせてください
巡回兵:そんなことは……
クロム:残り時間は……40秒ですね
巡回兵:ひっ!?
クロム:扉の開き方を教えていただけますか?
巡回兵:それは……
クロム:あと30秒……。誰か別れの言葉を告げたい人はいますか?
巡回兵:言う、言うから、薬をくれ!
クロム:どうやって扉を開くんでしょう?
巡回兵:この先にある砦、監視基地がある!扉はその中にあるスイッチで管理している!
巡回兵:言った、言ったぞ! その薬を早く!
クロム:どうやら本当のようですねでは、こちらを……
巡回兵:んぐっ、ごく、ごく……ん?
クロム:どうやら眠ったようですね
レン:睡眠薬か?
クロム:さすが先生、その通りです
レン:どうせ最初に飲ませたのも毒ではないんだろう?
クロム:ええ、ただの栄養ドリンクですよ
クロム:自白剤でもあればこんな手間はかからずに済んだのですが
レン:だから騙して聞き出したというわけか
クロム:騙すだなんて人聞きの悪いことを
クロム:僕は彼に毒を飲ませたともこれを飲まないと助からないとも言ってませんよ
レン:フンっ、趣味の悪いやつだ
クロム:ふふふ、褒め言葉と受け取っておきますね
ソル:さ、さすがクロム
クロム:ソル君も飲んでみますか?元気がでますよ
ソル:いや、遠慮しておく
クロム:それは残念ですね
ソル:と、とにかく扉の開け方はわかった
ソル:スイッチのある砦へ向かおう!
0:一方、その頃――
ヒアデス:ヒィヒヒヒィ!いいんですカァ、旦那ァ?
ヒアデス:皇帝を裏切ってまで手に入れた大切な兵士が、ガイアス共にどんどん倒されてますガァ?
アルデバラン:元よりあのような烏合の衆にかける期待などない
アルデバラン:特にサダルメリクの部下共は使い物にならんな甘すぎる
ヒアデス:とは言えェ……双頭の龍の居場所は把握しておきたいところデスガァ……
ヒアデス:もし例の巫女を奪い返されればまた一からやり直しですヨォ?
アルデバラン:それならそれで構わん手駒なら腐るほどいるしらみつぶしで当たるまでだ
アルデバラン:――それに、あのガイアス共のカプセルマシンに貴様が仕掛けたアレもある
アルデバラン:どちらが先に双頭の龍を見つけようが結果は何も変わらん
アルデバラン:俺はただ座して待てばいい……というわけだ
ヒアデス:私としてはァ……ヒィッヒィッ!アレがもたらす成果をぜひこの目で拝んでみたいですネェ
アルデバラン:その時、奴らがはたしてどんな顔をするのか――見ものだな
chattalk_11031404
モモ:30
シンノ:どうやら無事にスイッチの場所へ辿りついたようですね
ニア:怪しげなボタンがあるにゃ[0027]
ニア:これがスイッチかにゃ[0031]
シンノ:おそらくそうでしょう
モモ:クロム君が兵隊さんに聞いた通りだね
ニア:さっそく押してみるにゃ[0024]
サリ:17
ニア:35
ニア:どうしたんだにゃ[0031]
サリ:罠があるかもしれませんニア様の代わりに沙璃が押します
モモ:そんなに警戒しなくても平気だよー
モモ:ぽちっと[0003]
エグゼ:34
スピカ:…大丈夫みたいだね
オメガ:扉、開いた?
モモ:ほらね?
エグゼ:ほらねじゃないすよ!
エグゼ:何かあったらどうするんすか!
シンノ:あまり心臓に悪いことをしないでください
ニア:42
モモ:36
クロム:問題はなかったのですしもういいでしょう
レン:時間を無駄にできるほど余裕はないはずだ
ソル:そうだな。扉が開いたか確かめに行こう
talk_11031405
エグゼ:思っていたよりもしっかりと警戒をしているみたいすね
モモ:結構な人数がいるみたい
ソル:やはりこのまま何事もなくというわけにはいかねーな
エグゼ:兵士達と戦うしかなさそうすね
モモ:蔵葉さんを助けるためにもどうにかしないとー
ショウドウジ:やってやりますぞおおお!
モモ:正道寺、声大きすぎー
エグゼ:気付かれてはなさそうすね
モモ:危なかったねー
ショウドウジ:申し訳ないでござる……
ソル:別に見つかったとしてもかまわないだろ
エグゼ:見つかったらあいつらと戦うことになるんすよ?
ソル:どうせ帝国軍の奴らを蹴散らす必要があるんだ
スピカ:ソル君……
ショウドウジ:では、先ほどの失態は戦いで贖うでござる!
ソル:ここを突破するぞ!
スピカ:…………
chattalk_11031406
キリエ:お兄ちゃん達どこにいるの?
ソル:どこって…軍の駐屯地の中だよ
ショウドウジ:蔵葉殿を探している最中でござる!
オメガ:蔵葉、まだ見つかってない
キリエ:41
ソル:なに驚いてんだ?
キリエ:えと…
クラハ:やっほー[0001]
ソル:蔵葉っ!?
キリエ:蔵葉お姉ちゃん戻ってきて今、隣にいるよ
ハント:35
エグゼ:どうしてそこにいるんすか!?
レン:さらわれたと聞いていたが…
クラハ:なんか騒ぎになったからその間に抜け出しちゃった
クラハ:28
エグゼ:38
クラハ:あたしは大丈夫だし戻ってきたら?
ソル:はぁ…まあいい、オレ達も戻ろう
スピカ:1
talk_11031501
クラハ:ごめんね、助けに来てもらったのにー
ソル:いや、無事なら良かった
スピカ:蔵葉さん、危ない目にあわなかった?
クラハ:双龍の巫女を殺すと面倒だしそういうのは最後の手段でしょ
ソル:だとしても危険な目にあわないとは限らねーだろ
クラハ:……ありがと
シンノ:蔵葉のこと、感謝します
スピカ:でも、どうして蔵葉さんをさらったんでしょう?
クラハ:双龍ちゃんの居場所を知りたかったみたい
スピカ:双龍の居場所を……?
クラハ:そうそう。あいつら、双龍ちゃんを保護するとか言ってたんだけど……
クラハ:全然、そんなことを考えてるように見えなかったんですけどー
クロム:でしたら、保護が目的ではないんでしょう
レン:やはり排除するのが奴らの目標か
シンノ:だとしても簡単なことではありません
クロム:どういうことでしょう?
シンノ:双龍様が今、どこにいるのか知っているのは蔵葉だけです
レン:保護か排除、どちらが目的でも双龍の居場所がわからないわけか
クラハ:双龍ちゃんのことなんて放っておけばいいのに……
ソル:…………
スピカ:…………
クロム:力がある存在というのは無視できないものですよ
クラハ:それは、あんたらのこと?それとも双龍ちゃんのこと?
クロム:さあ、どうでしょうね
レン:帝国軍の目的が双龍ならばこれで終わりとは思えん
クロム:そうでしょうね
キリエ:た、大変っ、帝国軍があちこちで暴れてるって……!
シンノ:蔵葉が逃げ出したことに気付いたのでしょう
レン:……もしくは逃げたことへの見せしめか
クロム:予想の範疇ですねアルデバランがやりそうなことです
クラハ:しゃーない!あたしのせいならちょっと捕まってくるわ
エグゼ:ちょっと弁当買ってくるーみたいな気軽さで何言ってんすか!?
ソル:そんなことしたらそれこそ相手の思うツボだろ!
クラハ:双龍は町を守護する存在なの
クラハ:巫女であるあたしだけが逃げ隠れしてらんないっしょ
ソル:だったら……オレ達が帝国軍をどうにかする
シンノ:簡単なことではありませんよ……いいんですか?
ソル:乗りかかった船だ最後までやるしかねーだろ
クロム:帝国軍の目的が双龍の排除ならば無関係ではありませんから
レン:フン、俺達の邪魔をするなら相応の代償を支払わせてやろう
chattalk_11031502
シンノ:皆さん無事ですか?
ソル:この程度の相手なら問題ない
ソル:それにしても…
ソル:本当に蔵葉をさらいに来たのか?
スピカ:そんな感じには見えなかったね…
ハント:末端まで連絡が行き届いてない…?
レン:たしかに奴らの行動には違和感があるな…
クラハ:こっちは終わったけどそっちはどう?
ソル:暴れていたやつは全員、倒したよ
クラハ:1
レン:フン、そんなことより状況はどうなっている?
シンノ:町に被害が出ていますね
キリエ:32
キリエ:帝国軍の兵隊に置物を盗られた人がいるの
クロム:35
ソル:置物? そんなものをわざわざどうして…
シンノ:代々伝わる家宝だそうです
クロム:41
レン:双龍に何か関わりでもあるのか?
シンノ:そんな話は聞いたことはありませんが…
ソル:帝国軍が盗って行ったなら何か理由があるんだろう
ハント:お前…取り戻しに行くつもりだろ
ソル:…別にいいだろ
ソル:どうせ帝国軍と戦うんだ置物を取り返したらすぐに戻ればいい
ハント:そんなことをしている場合か?
レン:本来の目的を見失うな
ソル:わかってるって
キリエ:25
ソル:3
chattalk_11031503
ソル:取り返してきたぞ
ソル:202102941
キリエ:13
ハント:双龍に関係あったのか?
タマモ:あったようには思えないけど…
キリエ:あの…お兄ちゃん達…
ニア:また何かあったのかにゃ?
キリエ:他の人が金貨を奪われたって…
スピカ:41
サリ:まさか、それも…?
シンノ:無理は承知ですが頼めませんか?
ソル:…わかった。その金貨を取り戻せばいいんだな?
スピカ:ソル君…
タマモ:ソルちならそう言うとは思ってたけどねー
キリエ:25
ソル:26
chattalk_11031504
クロム:29
クロム:202102931
エグゼ:14
クラハ:30
クラハ:20
クラハ:あたしの所まで持ってきてちょ
モモ:28
talk_11031505
クラハ:いろいろ助かったよ。ありがと
ソル:オレにとって、これくらい大したことじゃないさ
クラハ:……さすがガイアス言うこと違うわ
スピカ:…………
クラハ:で、これからどうするの?
ソル:もちろん双龍のところへ行く
クラハ:そうなるよねー
シンノ:蔵葉、悪い知らせがあります
キリエ:帝国軍が双龍様のいる場所を見つけたかも……
クラハ:それ、ホント?
シンノ:町ではない他の場所へ進軍を開始したそうです
シンノ:行き先はおそらく……
ソル:双龍のところか!?
クラハ:なんで双龍ちゃんのいるとこがわかったんだろ?
レン:それにしても、なぜ今なんだ?不可解だな……
シンノ:帝国兵達が町で暴れていたことと無関係ではなかったのでは?
レン:双龍の位置を知るための陽動と誘導だったと?
クロム:さあ、どうでしょうそれはわかりませんが……
ソル:今、双龍の身に危険が迫っているそれは変わらないってことだ
ソル:蔵葉、双龍の居場所を教えてくれ
クラハ:あんたらと帝国軍、どっちがマシかわからないけど
ソル:オレ達は帝国軍とは違う!
クラハ:そう? それを決めるのはあんたらじゃないけどね
スピカ:…………
クラハ:……ま、いっか
スピカ:本当にいいの?
クラハ:帝国軍が知った以上放っておけないっしょ
クラハ:というわけで、双龍ちゃんはホイネシア大樹林の中にいるから
クラハ:行くならしっかりと準備してからにしなよ
ソル:わかった、そうする
スピカ:ありがとう、蔵葉さん
クラハ:お礼なんて言わないでよホントは教えたくないんだから
スピカ:……うん
クラハ:最期の時まで双龍ちゃんには静かに過ごしてもらいたい
クラハ:あたしの願いは、ただそれだけ
ソル:…………すまない
クラハ:ま、言っても仕方のないことなんだけどねー
クラハ:あんたらがどんな答えを出すのか知らないけど……
クラハ:双龍ちゃんのことお願い
talk_11031601
クラハ:双龍ちゃんはホイネシア大樹林で休んでるから
クラハ:帝国軍も双龍ちゃんのいるとこ正確にわかってないはずだし
クラハ:先回りをすればいいだけだし
ソル:だとしてもあまり余裕はないな
タマモ:この先にあるホイネシア大樹林に双龍っちがいるんでしょ?
エグゼ:帝国軍より先に着かないとまずいすからね
ソル:そうだな、急ぐぞ
サディ:…………
シンノ:体調はいかがですか、サディさん
サディ:本調子には程遠いけれど……おかげでかなり楽になったわ
サディ:お世話になりっぱなしでごめんなさい、シンノ
シンノ:構いませんよここは親しい友人の家ですので気兼ねなく養生してください
クラハ:ノックこんこーんはいお邪魔~
サディ:あなたは……双龍の巫女
クラハ:おひさだねー、サディちゃんあんたマジ老けないよねーうらやまー
シンノ:蔵葉、怪我人の前で行儀が悪いですよ
クラハ:はいはいゴメンネーちょっち知らせときたいコトがあったからさ
クラハ:――あのガイアス達双龍ちゃんのトコに向かったよ
シンノ:……そうですか
サディ:――双龍様
クラハ:ちょいちょい、サディちゃん顔、超怖いよー?
クラハ:なんだか今にも武器持ってあいつらんトコに向かいそう
サディ:……大丈夫よどのみち、この体ではまともに動けないわ
クラハ:……サディちゃんってマジで双龍ちゃんのコト大事に思ってんだね
サディ:ええ、大切よ双龍様も、このアスラ帝国も――この身に代えても守りたいほどに
クラハ:……質問なんだけどさなんでそんなにアスラが好きなん?
クラハ:サディちゃんって見た感じ純粋なアスラ族じゃないっしょ?
シンノ:蔵葉、いい加減に――
サディ:構わないわ、シンノ
サディ:なぜアスラを愛するか、ですって?……私は元々、帝国の軍人よ守るべき国を思うのは当然でしょう
クラハ:そういう通り一遍な答えとかマジありえんてぃーだから
サディ:あり、えん……てぃ……?
クラハ:もっとあるんでしょ?なんかこう、ハートにガンガンくるような理由がさ
サディ:…………
サディ:あなたが言うとおり私の体には……エルファの血が混じって流れているの
クラハ:へえ~、やっぱり
サディ:そんな私でも、この土地の人々は温かく迎えてくれ育つことができたわ
サディ:それに、双龍様に選ばれる前の陛下を――アスラ皇帝のことを私はよく知っている
サディ:優しくて、温かくて、強くて――そんなあの方の慈愛に私の心は救われたの
シンノ:私も、その頃のアスラのことはよく覚えています
シンノ:民はよく働き、よく営みそして何より、よく笑っていた……理想郷と言って良い国でした
クラハ:エルファとの戦争に入ってからは軍国化がガンガン進んじゃってすっかり変わっちゃったけどね
クラハ:サディちゃんの話がマジならさなんで皇帝は急に変わっちゃったの?
サディ:わからないわ幹部になっても、皇帝の意思を問いただす機会は訪れなかったから
シンノ:貴方が冥王四元帥の地位にまで昇りつめたのは皇帝に近づくためだったのですね
サディ:……私は、あの頃のアスラを何としてでも取り戻したい
サディ:私のような存在を二度と生み出さないためにも……
クラハ:で、そんな素晴らしー帝様を選んでくれた双龍ちゃんをやっつけられちゃ困るってコト?
サディ:もちろんそれもあるわ
サディ:……それに双龍様は、かつて幼かった私の命を助けてくれた
シンノ:……双龍様にはそのようなお力もあったのですか
サディ:私の心を救ったのが皇帝なら私の命を救ってくれたのは双龍様なの
サディ:その恩に報いたい……今度は私が、双龍様を助けたい
クラハ:――なるほどねーチョー納得しちゃった
サディ:……?
クラハ:さっきからさ、双龍ちゃんと同じ気配? パワー? 的なアレをサディちゃんからも感じてたんだー
クラハ:サディちゃんの中には双龍ちゃんの力の一部が宿ってるんだね
サディ:…………
-:サディは口をつぐんだまま額から突き出した角にそっと触れた。
クラハ:んで、どうすんのサディちゃん?
クラハ:あのガイアス達の決意はウザいくらいにかたいよ?
クラハ:あたし、あいつらとの付き合い短いからよくわかんないけどさ……
クラハ:あいつらって、いざとなったら双龍ちゃんのことホントに殺すと思う?
サディ:……彼らは……
サディ:ソル達は、私を助けてくれた騙して利用していたことを知っても……許してくれた
クラハ:お人好しで優しいやつらってワケね
クラハ:でも、もしもあいつらが双龍ちゃんを殺す道を選んだら――あいつらと戦える?
サディ:そんな優しい子達と……戦えるはずはないでしょう
サディ:だから、そんなに心配そうな目で見つめないで大丈夫よ
クラハ:あ、そならいーけどさ
シンノ:少し顔色が悪いです、サディさん私達は出ていくのでお休みになってください
サディ:ええ、ありがとう少し横になるわ
-:サディは遠い目で窓の外を見つめた。彼女の瞳に映る感情の正体をその場の誰も知ることはない――。
talk_11031602
ショウドウジ:帝国軍がいるでござるな
オメガ:警備、厳重。すごく厳重
ショウドウジ:ここは力ずくで行くでござるか?
オメガ:無理、正道寺、無茶を言うな!
ハント:どう見ても正面突破は無理だろう
タマモ:で、どうするの?どっか裏道がないか探す?
スピカ:そういえば抜け道があるって町の人が話してたような……
タマモ:廃棄された地下道とかいうの?本当にあるの?
ハント:確かにこういう場所は緊急事態に備えて脱出口があるものだ
ソル:急がば回れじゃねーけど地下道を探そう
ハント:見つからない時はどうする?
ソル:そうなったら、無理でも無茶でも戦って押し通るんだ!
ソル:オレ達の……神人の力がありゃ何でもできるさ!
talk_11031604
ソル:地下道を見つけたな!
ソル:このまま先を急ごうぜ!
スピカ:あ、待ってよ!
タマモ:行っちゃったね
スピカ:大丈夫かな……
タマモ:とりあえず急いで後を追わないとね
スピカ:うん……
talk_19030302
ソル:やっとここまで来られたな
スピカ:この先に双龍がいるんだね……
ソル:蔵葉の言葉を信じるならそのはずだ
スピカ:ソル君、コアのこと……本当にするの?
ソル:そのために色々と準備をしてきたんだ
ソル:戦って殺して取り出すよりずっといい……そうだろ?
スピカ:それは……そうだけど……
ソル:ここで議論をしているような暇はないだろ。行こう
スピカ:……うん
talk_11031603
双頭の龍(左頭):久しぶりですねガイアスの子らよ
ソル:双龍……
双頭の龍(右頭):ここへやってきたということは我と戦うと決断したのだな――
スピカ:ち、違いますっ
ソル:巫女に……蔵葉に会って話をしてきたんだ
双頭の龍(左頭):蔵葉ですか……無事に会えたのですね
双頭の龍(右頭):我らと会わせるために居場所を教えたのか
ソル:……そうだ
双頭の龍(左頭):あの子は……優しい子ですから
双頭の龍(右頭):無駄だとわかっていても我らを救う方法を探すくらいにな
ソル:それじゃ……
双頭の龍(右頭):ふむ、聞かせてもらおうか
ソル:竜涎薬を作ってきたんだ飲んでくれないか?
双頭の龍(右頭):我らの力の回復を望んでいるそういうことか
ソル:そうだ
双頭の龍(左頭):その気持ちには感謝しますが無駄でしょう
ソル:頼む、飲んでみてくれないか?そうじゃないと……
双頭の龍(右頭):我らと戦い、コアを奪うか
スピカ:そんなことはしたくないんです
ソル:スピカ……
双頭の龍(右頭):我も戦うことは本意ではない
双頭の龍(左頭):試してみましょう
双頭の龍(右頭):わかった。薬をよこすがいい
-:ソル達の用意してきた竜涎薬を双龍は飲み干した。
ソル:……どうだ?
双頭の龍(左頭):残念ですが……
双頭の龍(右頭):効果はないようだな
スピカ:そんな……せっかく作ったのに……
双頭の龍(左頭):そのようですね
双頭の龍(右頭):死に瀕し、我は弱体化している仕方のないことだ
ソル:いや……まだ、まだだ!
クロム:コアに直接エーテルを注ぐ方法しかありませんね
ソル:ああ……これまでの量を超えて限界までな
レン:……本当に効果があるのか?蔵葉もあれだけ無駄だと言っていたはずだ
双頭の龍(左頭):その青年の言う通りですそのようなことをしても無駄ですよ
双頭の龍(左頭):いくらエーテルを注いでもコアに届く前に我らの肉体に吸収され――
双頭の龍(右頭):今の我らでは、そのエーテルを生命力へと変える力すらない
ソル:それでも……試したいんだ受け入れてもらえないか?
双頭の龍(左頭):我らのために霊薬を作ってきたその気持ちには感謝しましょう
双頭の龍(右頭):だが、そのようなことをしても無意味だ
ソル:もうこれしか方法がないんだ頼むよ……
ソル:もし、これでもダメなら……オレ達は戦うしかない
ソル:そんなことはしたくないんだだから――
双頭の龍(左頭):……わかりました
双頭の龍(右頭):お前達が納得するならば受け入れよう
ソル:ありがとう、双頭の龍!
双頭の龍(左頭):……ふふ。双頭の龍、ですかそのような空疎な渾名で感謝されてもやはり心は満ちませんね
ソル:あ、あだ名……?どういうことだよ?
双頭の龍(右頭):我らにもそれぞれ名があると申しておるこのような獣風情が名など、意外か?
ソル:い、いや……そんなことはねーけどさ
スピカ:あ、あの……!もしよろしければ、お名前……教えてくれませんかっ!?
スピカ:もっと知りたいんです双龍さん達のこと
ソル:スピカ……?
スピカ:うまく言えないけど……ちゃんと知らないといけない気がして、それで……
双頭の龍(左頭):ガイアスの少女よ……そなたは優しいのですね
双頭の龍(右頭):我らの真名は安くはない今代の巫女でも、それを知るのはあの蔵葉くらいのものだ
スピカ:…………
双頭の龍(右頭):だが貴様らの心に巣食う迷いを捨て真に勇気ある者となった暁には――教えてやらぬでもない
スピカ:……!あ、ありがとうございます!
ソル:じゃあ――エーテルの注入を始めよう
-:カプセルマシンに蓄積された大量のエーテルが双龍の体内――コアへと流れていく。
双頭の龍(左頭):力の流れを感じます……
双頭の龍(右頭):しかし、やはり……むっ!?
双頭の龍(左頭):ガ、グ、オオオッ!!
双頭の龍(右頭):ギイイイ、グ、ガアア!
ソル:な、何が起きているんだっ!?
双頭の龍(右頭):逃……げ、ロ……!
双頭の龍(左頭):こレ、は……何者カノ……罠、デス……!
ソル:罠だって、誰が……!?
双頭の龍(右頭):ガ、ガア……コワセ……
双頭の龍(左頭):スベテヲ……ケシテ……
タマモ:体が、黒くなってく!?
スピカ:そ、双龍さんっ!どうしちゃったの……!?
双頭の龍(左頭):グルルルルルルルルルゥッ!!
双頭の龍(右頭):ガアアアアアアアアアアアア!!
ソル:気配が……変わった?
エグゼ:ヤバいすよヤバい感じす!
モモ:ソル君、ここにいたらダメな気がする!!
ソル:わかってる、けど……!
エグゼ:どうしてこんなことになってるんすかっ!!
レン:わからんっ!
クロム:まさか……エーテルの注入が原因ですかっ!?
レン:なんだって!? どういうことだ
クロム:おそらく何者かがあらかじめ罠をしかけていたのでしょう
ソル:罠、だって……!?
スピカ:私達がコアにエーテルを注ぐって知ってるのは……
ソル:蔵葉達が……?
クロム:いえ、それはないでしょう
レン:だったら誰が……!?
双頭の龍(左頭):グウウウウルルルルゥッ!!
双頭の龍(右頭):ゴオオオオオアアアアア!!
スピカ:きゃああっ!?
タマモ:双龍っち、どうしたらいいの?わらわ達にできることはない?
双頭の龍(左頭):コワス、コワス、コワス……
双頭の龍(右頭):クルシイ……イタイ……ユルサナイ……!
モモ:だめ、声が届いてないよ!
双頭の龍(左頭):ギュアアアアアアゥッ!!
双頭の龍(右頭):キュシュウウウウウウ!!
レン:飛び立つつもりか!?
スピカ:ま、待って――
ソル:くそ、行っちまった……どこへ向かったんだ!?
スピカ:あっちは町のほう……だよ?
ソル:まさか……
-:エーテルを注がれた双龍の瞳は破壊の黒い衝動に染まっていた。
-:悲鳴じみた咆吼と共に空高く飛び立った双龍。町や村は闇に堕ち暗黒龍となった双龍に襲われた。
-:人々の怨嗟の声が悲しみの声が町に広がり、満ちていった。
サディ:……一体、何?私の体に流れ込んでくるこの、ほの暗くて不気味な感覚は
-:サディは額の角を押さえながら苦しそうにうめくと窓の外をじっと見つめた。
サディ:双龍様の身に、何か起きている得体の知れない何かが……
サディ:……私は、双龍様を……!
-:サディはよろよろと立ち上がると部屋に置いてあった自らの武器を手に取り部屋を出る。
-:ひそかにその場を立ち去るサディの姿に気付く者は誰1人いなかった。
talk_21030701
-:牢獄が解放され多くの親子が、兄弟が再会を喜んでいる。
-:そんな姿を遠目に見てぽつんと1人立っている少年がいた。
サリ:……どうしたのですか?
オメガ:家族のところ、行かないのか?
???:はあ? 家族なんていねーよ
サリ:どこにいるかわからないんですか?
オメガ:オメガ探してくるぞオマエ、名前は?
???:……パタ
サリ:では、パタさんの家族を――
パタ:探したって無駄だよもう死んじまってるんだからっ!
サリ:そうだったんですね……大変申し訳ございません……
オメガ:家族がいないと悲しい死ぬの、もっと悲しい
パタ:だから俺のことなんてほっとけよ
オメガ:放っておく?そんなことしない
パタ:は……? なんでだよ
サリ:沙璃は記憶がないんですですから家族がいるかもわかりません
オメガ:オメガも機械だから人間の親、いないぞ!
パタ:……そうなのか?
パタ:だ、だからって俺とはかんけーねーし!
サリ:沙璃にはニア様が……仲間がいます
オメガ:みんな、オメガと仲良し!
パタ:やっぱり俺とは違うじゃねーか……
解放された親:た、大変だ!
解放された子供:モンスターがたくさん!
解放された親:みんな家に戻れ隠れるんだ!
オメガ:モンスターが来る大変!
パタ:ど、どうするんだよっ!?
サリ:沙璃達が倒してきます
オメガ:オメガがやっつけてくる!
パタ:何を無茶言ってんだよっ
パタ:ねーちゃん達だけで倒せるわけねーだろっ!
オメガ:倒せる、だから大丈夫!
サリ:任せてくださいっ
chattalk_21030702
パタ:ちっこいねーちゃんに変なねーちゃん大丈夫かっ!?
オメガ:変なねーちゃん?オメガのこと?
パタ:それ以外に誰がいるんだよ
オメガ:34
サリ:ではちっこいねーちゃんは沙璃のことですね
パタ:そうだけど?
サリ:43
パタ:モンスターは危ないぞ?無理しないで戻ってこいよ
サリ:ご心配には及びません第一陣はすでに片付けました
パタ:41
パタ:本当に倒したのかよ……
オメガ:26
パタ:相手が弱かっただけだろ?
オメガ:たしかにあまり強くなかった
パタ:やっぱりそっか
パタ:ねーちゃん達が戦えるのはわかった
パタ:だから戻ってこいよ
サリ:群れはまだ残っています放ってはおけません
オメガ:沙璃と2人で残りも倒す!
オメガ:15
サリ:1
パタ:お、おいっ
chattalk_21030703
オメガ:お掃除、完了した!
パタ:本当に強いんだな…
オメガ:えっへん、オメガ強い!
パタ:で、でも…
パタ:ギガストーグが出たって…
サリ:ギガストーグですか…?
オメガ:そいつ、強いのか?
パタ:大人が何人がかりでも倒せないヤツなんだよっ
サリ:そうですか…
オメガ:オメガ達が戦うから安心してていい
パタ:本当に…大丈夫なのか?
サリ:はい、大丈夫です
パタ:ねーちゃん達なら本当にどうにかできるんだな?
オメガ:オメガ達なら倒せる!
サリ:沙璃達が守りますから
パタ:…わかった、信じる
パタ:あいつらやっと家族と再会できたのに…
パタ:また離れ離れなんて悲しいもんな
パタ:だから…
パタ:頼むよ、ねーちゃん達
オメガ:3
chattalk_21030704
オメガ:ギガストーグもやっつけた!
パタ:すげー! すげーよ!本当に倒したんだな
オメガ:思ってたよりはちょっとだけ強かった
サリ:そうですね
パタ:41
パタ:ケガとかしてねーか?
オメガ:オメガ達の心配?パタ優しい
パタ:そ、そんなんじゃねーよ!!
パタ:ねーちゃん達に頼んだの俺だから
パタ:ケガされたら迷惑ってだけだって!
オメガ:9
サリ:ふふ、大丈夫ですよケガはしてませんから
パタ:…ならいいんだけどさ
オメガ:沙璃、パタのとこに戻ろう
サリ:はい、そうしましょう
talk_21030705
-:息を潜めていた町の人達は2人が戻ってきたのを見て歓声を上げた。
-:感謝の言葉を並べる町の人達に戸惑いながらも応える沙璃達。
-:そんな2人の元へパタが駆け寄ってくる。
オメガ:パタ、ちゃんとモンスター倒してきたぞ!
パタ:本当にすごかったんだなその……
パタ:強いねーちゃんと優しいねーちゃん
サリ:え……?
オメガ:ん……?
パタ:な、なんだよ……
サリ:呼び方が変わりましたね
パタ:町を救ってくれたのにもう変とかちっちゃいとか言えないだろっ
オメガ:強いねーちゃんと呼ばれるの嬉しい、オメガ強い!
サリ:沙璃が優しいねーちゃんですかふふ、ありがとうございます
パタ:そ、そんなことよりっあんな強いやつらと戦うの怖くなかったのか?
サリ:もちろん怖いです
パタ:え? そうなのか?
サリ:はい。沙璃1人だけではあんなに強いモンスターは倒せませんから
パタ:でも、大丈夫だって平気だって言ってたよな?
オメガ:オメガ達、ひとりじゃない!仲間がいるから!
パタ:仲間……
サリ:前にも言いましたが沙璃には前の記憶がほとんどありません
サリ:ですから家族のこともわかりません
パタ:……今の俺と似てるな
サリ:そうですね。ですが……
サリ:沙璃には家族と同じくらい大切な人達がいます
パタ:そっか、羨ましいよ……
オメガ:何を言ってる?オマエも同じ!
パタ:俺が同じ……?
サリ:パタ様はみんなのためにモンスターを倒してほしいと沙璃達に言いましたよね?
オメガ:パタ、優しくて他人思いだから仲間、作れる!
サリ:沙璃もそう思います
パタ:そっか……仲間か……
パタ:なあ、ねーちゃん達いつかまた、ここに来いよ
パタ:その時には紹介しきれないくらいたくさんの仲間がいるはずだから
サリ:はい、かならず遊びに来ます
オメガ:オメガ、パタの仲間と会うの楽しみにしてる!
talk_21030801
ナチ:お姉ちゃん達が私のお願いを聞いてくれる人?
モモ:うん、そうだよ~
クロム:どのような依頼なのか教えてもらえますか?
ナチ:……うん。私……お父さんと喧嘩しちゃったんだ
モモ:どうしてなのか聞いてもいいかな?
ナチ:お父さん、仕事だけじゃなくてレジスタンス活動もしてるの
ナチ:だからすごく忙しくて帰ってくるのも遅くて……
モモ:そっか。それは寂しいね……
ナチ:ずっと我慢してたんだよ?
ナチ:昨日はお休みだからって私の服を一緒に買いに行く約束をしてたの!
クロム:しかし、約束は守られなかったそういうことでしょうか?
ナチ:帝国軍に酷いことされてるから町の人達を守るんだって
ナチ:とっても大事なことだし私達のためにしてるのもわかってる!
ナチ:でも……
ナチ:私だってお父さんと一緒にいたいのにっ
ナチ:買い物がダメなら家にいてくれるだけでもよかったの
モモ:うんうん、わかるよ~
モモ:ナチちゃんは、お父さんと買い物に行けなかったことが悲しいんじゃなくて
モモ:がんばり過ぎてるから心配で休んでほしかったんでしょ?
ナチ:……うん。それなのに私……怒って、お父さんを夕飯抜きの刑にしちゃったの
クロム:それは、お父さんにとってはかなりの重い罰でしたね
ナチ:少しやりすぎたって思ってる
モモ:それで、ナチちゃんは仲直りしたいんだね~?
ナチ:うん……お父さんの好きな料理を作って謝ろうと思ったの
モモ:それで材料が必要なんだ~
ナチ:でも……危ないから取りに行くなって言われてて……
モモ:わかった、そういうことならお姉ちゃん達にまかせて~
ナチ:お願いしてもいいの?
モモ:もっちろんだよー
モモ:クロム君も手伝ってくれるよね?
クロム:ええ、かまいません
クロム:それにしても仲直りをするための料理の材料集めですか
モモ:クロム君は他の依頼のほうが良かった?
クロム:いえ、とんでもありません
クロム:桃君らしい選択だと思っていただけですよ
モモ:すぴにゃんだってきっと受けてたと思うよ?
クロム:スピカ君なら……たしかにそうでしょうね
モモ:そういうことで決まりだね!
モモ:まずは、もちもち肉を取りに行くよ~
chattalk_21030802
モモ:分量はこれくらいかな?
モモ:219000081
ナチ:9
ナチ:それだけあれば足りるはずだよっ
モモ:1
モモ:これ、本当にもっちもちしてるんだね~
モモ:…おいしそう
クロム:気持ちはわかりますが食べたらだめですよ?
モモ:7
ナチ:38
クロム:さて次に必要なのはぱらぱらパセリと太陽オレンジですか
モモ:完全にスルーだよっクロム君、ひどいっ
クロム:ご安心してください
クロム:桃君が生肉をむさぼっていたことはみんなには内緒にしておきますから
モモ:17
クロム:さてさて、では次の材料を探しにいきましょうか
モモ:あたし本当に食べてないよっ!?食べてないからねっ
chattalk_21030803
モモ:ナチちゃん、お待たせ~
クロム:219000421
クロム:219000261
クロム:これでいいですか?
ナチ:1
モモ:太陽オレンジっていい匂い…
モモ:27
クロム:ぱらぱらパセリも瑞々しいですね
モモ:…………
クロム:…食べないんですか?
モモ:た、食べないよ?
ナチ:41
モモ:もう、本当だってば~
クロム:わかっていますよ
クロム:他に必要なものはありますか?
ナチ:次は熱唐辛子かな
モモ:名前からしてすごく辛そうだね…
クロム:さすがの桃君もむさぼるように食べられませんね
モモ:あれ? その話ってまだ続いてたのっ!?
ナチ:私はお姉ちゃんの味方だからっ
モモ:どうしてこうなったのかな~?
chattalk_21030804
モモ:29
ナチ:24
モモ:219000201
モモ:くんくん…匂いはあまりしないね
ナチ:味も匂いも料理をすると変わるから
モモ:そうなんだ~
クロム:どの程度のスコビル値なんでしょうね
ナチ:すこびるち?
モモ:辛味の強さかなー大きいほど辛いの
ナチ:たくさん食べると舌がジンジンするくらいかな
モモ:そっか、食べてみないとわからないね
クロム:味見はほどほどにしておきましょう
モモ:わかってるよ~
ナチ:41
ナチ:味見することは決まってるんだ…
クロム:これで材料集めは完了ですか
ナチ:9
モモ:それじゃさっそく料理しよう~
chattalk_21030805
モモ:14
モモ:できたよ~
ナチ:9
クロム:刺激的ですが食欲をそそる匂いですね
モモ:上手にできたと思うけど…
クロム:何か不満があるんですか?
モモ:なにかひと味が足りない気がするんだよ~
ナチ:ひと味…?
クロム:必要な素材は全て集めたはずですが…
モモ:そうなんだけどね…
クロム:ナチ君に味を確かめてもらいましょう
ナチ:うん、待ってるねっ
モモ:25
talk_21030806
ナチ:ホットチリスープ、これがお父さんの好きなやつだよ
モモ:言われた通りに料理したんだけど何かひと味たりないんだよね~
ナチ:ちょっと味を見るね
ナチ:ずず……もぐもぐ
ナチ:……あ、わかった
-:ナチは隠し味にほんの少しだけ甘みを足す。
モモ:そっか隠し味が足りなくて少し味がぼやけてたんだね
クロム:甘みを足すことでより辛みを引き立たせるわけですね
ナチ:お父さん少し辛いくらいが好きだから
モモ:もうひとつの隠し味はナチちゃんの愛情だね
ナチ:え? う、そうかな……
モモ:きっとお父さんも喜んでくれるよ
ナチ:これを持っていって謝ったら許してくれるかな……?
モモ:大丈夫、ナチちゃんの気持ちは伝わるよ
ナチ:食べたら元気になる?
モモ:大好きな娘の手料理だよ元気にならないわけがないよ~
クロム:喜んでもらえるといいですね
ナチ:うんっ!
モモ:冷めないうちにお父さんに届けてあげようか
クロム:それでは気をつけてくださいね
ナチ:お姉ちゃん、お兄ちゃんっ本当にありがとうっ
モモ:どういたしまして~
クロム:とても喜んでいましたね
モモ:そうだね~
モモ:さて、それじゃ余った分はみんなで食べよっか
クロム:さすが桃君、ぶれませんね
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???:やあやあ、僕はジュンジ大道芸人をしているんだ
ショウドウジ:大道芸人でござるか?
ジュンジ:町から町へ旅をしながらみんなを笑顔にするのが僕の仕事なんだよ!
ハント:そうか、しかしこの町は今そんな余裕はないだろう
ジュンジ:うんうん、そうだね
ショウドウジ:だったら……
ジュンジ:でもさ、人は本当に大変な時にこそ笑顔が必要だと思わないかい?
ハント:生きるか死ぬかの時に笑うことなんてできるのか?
ジュンジ:生きるか死ぬかの時だからこそだよ
ジュンジ:張り詰め続けている糸は簡単に切れてしまう
ジュンジ:一時だけ、ほんの少しだけそれを緩めるのが笑いなんだ
ショウドウジ:確かにその通りでござるな!
ハント:僕には気休め程度にしか思えないが……
ジュンジ:だったら証明してみせる!
ジュンジ:……と言いたいところだけど必要な道具がなくてね
ジュンジ:いくつかの素材があればすぐにでも作れるんだけど……
ショウドウジ:つまり拙者達が道具を作るための材料を集めればいいのでござるな!
ハント:それは今すぐやらなくちゃいけないことなのか?
ショウドウジ:少し手伝いをするくらいはかまわないでござるよ
ハント:僕には無駄な労力としか思えないが……
ハント:その余力があるのなら食料や資源の調達に割いた方が有意義に感じる
ジュンジ:あはははっそれはそれ、これはこれだよ!君はとってもクールだなぁ
ハント:性分なんだ放っておいてくれ
ジュンジ:うーん……君のこと、笑わせてみたいなぁ
ジュンジ:まっ、ともあれだぜひ手伝ってもらえないか?
ショウドウジ:拙者、力を貸すでござるぞ!
ハント:……わかった、手伝おう
ショウドウジ:さすがハント殿ですぞっ!
ハント:それで、僕達は何を集めてくればいいんだ?
ジュンジ:よしきた!まずはゴム質の表皮を頼むよ
chattalk_21030902
ショウドウジ:29
ショウドウジ:これで間違いないでござるか?
ジュンジ:24
ハント:これは何に使うものなんだ?
ジュンジ:あははっ、それはね…
ジュンジ:今はまだ秘密だよっ
ショウドウジ:41
ハント:…まあ、かまわないが
ショウドウジ:どうなるのか楽しみでござるな!
ショウドウジ:さて、次に必要なのは何でござるか?
ジュンジ:そうだね…着色用染料を集めてもらえるかな?
ショウドウジ:3
ハント:…わかった
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ジュンジ:染料は集まったかい?
ハント:必要なものは集めたはずだ
ショウドウジ:202102961
ジュンジ:うん、間違いないよ順調だね
ハント:これで終わりではないんだろう?
ジュンジ:41
ショウドウジ:ハント殿もやる気が出てきたでござるか!
ハント:そういうのとは違うんだが…
ショウドウジ:謙遜する必要などないですぞ?
ハント:そういうのでも無いんだが…
ジュンジ:キミ達はいいコンビになれそうだよっ
ショウドウジ:そう言ってもらうと悪い気はしないでござるな!
ショウドウジ:で、次は何を集めてくればいいんでござるか?
ジュンジ:ほほえみのかけらを頼めるかい?
ジュンジ:それで最後のはずだから
ショウドウジ:残り1つでござるか!!
ショウドウジ:やる気がみなぎってきたでござるぞおおお!
ジュンジ:25
ショウドウジ:任されたでござる!
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ショウドウジ:全部そろったでござるな!
ジュンジ:9
ハント:この材料で一体何を作ればいい?
ジュンジ:ジャグリングボールを作ってもらいたいんだ
ショウドウジ:35
ジュンジ:やってみればわかると思うよ
ジュンジ:作り方なんだけど…
ハント:それ程、複雑な構造じゃなさそうだな
ショウドウジ:これなら拙者達でも作れるでござるな
ジュンジ:25
ショウドウジ:ではさっそく……
ショウドウジ:ジャグリングボールを作りますぞ!
ハント:本当に意味があるのか…?
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ショウドウジ:できましたぞ!
ジュンジ:9
ハント:これで無駄かどうかわかるというわけだ
ジュンジ:あははっ、そうだね
ショウドウジ:それでは今から持っていくでござる
ジュンジ:10
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ジュンジ:ありがとう、これで芸を始められるよ
ハント:これでどうやったら笑顔を……?
ジュンジ:このままだとダメなんだこれをちょっといじって……
ショウドウジ:それは何をしているのでござるか?
ジュンジ:気になっているみたいだしこれちょっと持っててもらえるかな?
ショウドウジ:拙者がでござるか?かまわないですぞ
ジュンジ:では、始めようか
ジュンジ:さあさあさあ大人も子供もみんな寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!
ジュンジ:ただいまから大道芸を始めるよっ!
ジュンジ:まずはこちら!今日初めてジャグリングに挑戦するのはこちらの少年、正道寺!
ショウドウジ:なああああっ!?せ、拙者でござるかっ!?
ジュンジ:失敗したらご愛敬上手くいったら拍手喝采さあ……!
ショウドウジ:さ、さあって……ジュンジ殿、いったいこれはどうやって使うんでござるか?
ジュンジ:お手玉みたいに手で投げるんだよ
ショウドウジ:ふむ……なるほどこうっ、でござるかっ!
ショウドウジ:とうっ、はあっ、やあっ
ジュンジ:あははっ、なかなか上手だよっ
ショウドウジ:そう、で、ござる、かっ
ジュンジ:じゃあ、スピードアップしてみようかっ
ショウドウジ:やっ、はっ、ほっむむっ、これは……!
ジュンジ:もっともっともっと早く、高く、大きく!
ショウドウジ:うおおおおおおっ!!
ショウドウジ:………………あ手が滑りましたぞぉおお!
ショウドウジ:まずいでござるっ!ハント殿避けてくだされっ!
ハント:なっ!?
-:正道寺の手から飛んでいったジャグリングボールはハントの顔面に当たると
-:次々に破裂しながら色とりどりの花を咲かせていく。
ハント:ゲホ、ゲホ……ッ!
ハント:しょ、正道寺……よりにもよって僕の方に……
ショウドウジ:うぉおおおおおっ!?
ショウドウジ:かたじけないハント殿ぉおお!拙者、一生の不覚ぅぅう!
ハント:…………
-:正道寺とハントのやりとりを見て町の人達は吹き出し、笑顔になる。
ジュンジ:ね? 僕の言ったとおりだろう?
ハント:これは笑われているだけじゃないのか?
ジュンジ:でも、みんなが笑顔になったそうじゃないか?
ハント:それは……たしかにそうだが
ジュンジ:ま、初めてだしね笑わせるなら芸にしないと
ショウドウジ:はあ……難しいんでござるな
ジュンジ:だからこそやりがいがあるんだけどね
ハント:僕はもうこりごりだ