chattalk_51110101
???:私の名前は咲人と申します
サキト:皆様に助けていただきたくこうして告知をしております
サキト:現在、私達の暮らす町の近隣で行方不明者が多発しております
サキト:人の手によるものかモンスターによるものか原因は不明の状態です
サキト:自分の家族が、友人がある日、突然消えてしまう
サキト:そんな不安と恐怖の中みな暮らしております
サキト:行方不明の人達の探索を事件の原因の究明をお願いできませんでしょうか
サキト:これ以上の犠牲者を出さないためにも
サキト:行方知れずとなった人達を捜すためにも
サキト:私達に力を貸してください
サキト:話を聞くだけでも結構ですので掲示板までお越しください
サキト:121
サキト:どうか、お願いいたします
talk_51110102
タヌヒコ:あー、うー、まいった、まいったぜい
オメガ:たぬ彦、困ってるみたい何があった?
タヌヒコ:龍影の墓所で出ている行方不明者のことを知ってるか?
ハント:原因もわからないまま次々と人が姿を消しているという話だな
オメガ:聞いたことあるかもしれない
タヌヒコ:誰かなんとかしてくれねえかそう言いたくなるような状況でな
ハント:僕達には関係のない話だな
タヌヒコ:その通りだ。わかっちゃいるさ
オメガ:オメガ、気になる!
タヌヒコ:そうか、聞いてくれるか!
オメガ:聞きたい!
ハント:……しかたないな
タヌヒコ:行方不明者はトレジャーハンターや旅人でな
ハント:行方不明になる人間の職種がずいぶん偏っているんだな
タヌヒコ:たいていのやつは龍影の遺産目当てだからな
ハント:龍影の遺産……?
タヌヒコ:鬼龍盗賊団って知らねーか?
オメガ:聞いたことあるかもしれない
タヌヒコ:さっきからそればっかだな
ハント:で、その鬼龍盗賊団というのは?
タヌヒコ:昔、この辺りで有名だった義賊だよ
タヌヒコ:龍影はその中でも中心的な存在だったみてえだな
ハント:その龍影とかいう男の遺産なんて本当にあるのか?
タヌヒコ:わからねえけどよぉ、あると信じていろんなやつらがそれを探し求めてる
ハント:しかし未だに見つかってないわけか
タヌヒコ:ああ。話はそれだけじゃねえんだ
タヌヒコ:遺産を探しに行ったやつらは誰も帰ってこなかったって話でな
ハント:自業自得だ。準備が足りなかったか実力が足りなかったんだろう
タヌヒコ:そう言われちまえばその通りなんだが……
オメガ:ハント、どうして助けない?
ハント:ソルやスピカならすぐにでも探索に向かうだろうな
オメガ:みんななら困っている人を放っておかない
オメガ:ハントは違う? どうして?
ハント:欲をかいて自分から危険に飛び込んだんだ
ハント:だったらその責任を自分でとるのは当然だ
ハント:僕達がリスクを負ってまで助けにいく理由はない
タヌヒコ:正論だな。けどな、消えたやつの中にはただの旅人もいたんだ
タヌヒコ:それに、ここらのまとめ役をしてる咲人ってやつもほとほとまいっちまっていてな
タヌヒコ:もしも本当に龍影の遺産ってのがあるなら発見者に譲るそうだ
ハント:あいにくと金銀財宝とやらにはあまり興味がないんだ
タヌヒコ:もしかしたら遺産は凄い弓とかかもしれないぜ?
ハント:凄い弓……?
タヌヒコ:龍影は弓の名手だったみてえだからな
ハント:名手の使っていた弓かたしかにそれならば興味がないわけじゃない
タヌヒコ:なら、一肌脱いでみねえか?
タヌヒコ:自業自得のやつらはともかく巻きこまれただけの人達は放っておけねえだろ?
ハント:……僕の目的はあくまで弓だけだそれでもいいなら協力しよう
タヌヒコ:ありがてぇ。それで十分だ
オメガ:ハント、素直じゃない
オメガ:誰かを助けるときに理由なんて必要ないのに
ハント:遺産の探索をするついでだ
オメガ:わかった。遺産を探すついで行方不明の人も捜す!
オメガ:オメガとハントに任せておけば安心!
タヌヒコ:わりぃが頼む。咲人やみんなを助けてやってくれ
タヌヒコ:詳しいことは咲人が話してくれるはずでい
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ハント:咲人というのはお前で間違いないか?
サキト:はい、そうです
サキト:たぬ彦さんから聞いています人探しの手伝いをしてくださる方ですよね?
ハント:僕の目的はあくまで遺産だ人探しはついででしかない
オメガ:大丈夫。ハントなら行方不明の人達も見つけてくれる!!
ハント:そういうことを軽々しく言わないでくれ
サキト:はは、聞いていた通りですね
ハント:たぬ彦からか?
サキト:はい。とても信頼できる人達だと
オメガ:そんなこと言われたらオメガ、ちょっと照れる
ハント:かいかぶりだよ
サキト:口でなんと言おうともきっと力になってくれるとも
ハント:そんなことは――
オメガ:合ってるハントは力になってくれる
サキト:メリットがないと動かないが本当に困っている人を見捨てたりはしないと
ハント:いや、本当に必要ならば見捨てることだって……
オメガ:合ってるハントは見捨てたりしない
ハント:……オメガは黙っていてくれ
オメガ:どうして? オメガは本当のことを言ってるだけ
サキト:聞いていた通り……いえ、それ以上ですね
サキト:遺産探しのついででも結構です行方不明者捜しをお願いします
ハント:……僕は自分にできることしかしない
オメガ:オメガも一緒!
サキト:はい、わかっています
オメガ:オメガ達ができること全部して、一所懸命に捜す!
サキト:ありがとうございますお二人が加わってくれたら鬼に金棒です
ハント:さっそくだが……行方不明になった人間には共通点はなかったのか?
ハント:血筋、容姿、性格、性別なんでもいい
サキト:そうですね。大きな共通点は場所、でしょうか
オメガ:人が消える所があるの?
サキト:可能性がもっとも高いというところですが……
サキト:まだ確定ではないんですただ……
サキト:行方不明になった者達が最後に拠点としていた場所があります
サキト:すぐそこですがまずはそこまでご案内いたします事のあらましも、そこでお話します
ハント:わかった、行こう
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オメガ:ここが人の消える場所?
ハント:特に変わったようには見えないが……
サキト:消えた人達が最後に目撃されトレジャーハンター達が拠点にしていた場所です
ハント:聞かせてほしいんだが龍影の遺産というのは本当にあるのか?
サキト:私は聞いたことはありません
サキト:ですが、ここへ来たトレジャーハンター達が行方不明になるので
サキト:危険ならばきっと本当だと思うのかもしれません
サキト:そのせいか、妙な噂が色々と広がってしまって……
サキト:一般の人が町へ寄りつかず困っているんです
オメガ:妙な噂って、どんなの?
サキト:未知のモンスターがいる毒の空気が漏れでている龍影の怨念が残っている
サキト:どれもこれもいい加減なもので噂でしかないと思うんですが……
ハント:……実際に人が消えているから信じるやつらも減らない
ハント:そして今も新たな犠牲者が増えているというわけか
サキト:その通りです
サキト:もしも本当にそんなものがあるのでしたらお譲りします
サキト:ですので、行方不明者の探索をよろしくお願いします
サキト:私達も調査をしたのですが……誰も見つけられませんでした
サキト:ここで暮らす私達とは違う視点を持つお二人に周囲を見て回ってほしいんです
ハント:……わかった
オメガ:何かないかオメガ達がしっかり探す!
サキト:よろしくお願いいたします
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オメガ:咲人、どうだった?
サキト:こちらはやはり新しい情報はありませんでした
サキト:周囲を見て回っていただきましたがお二人の方では、何かありましたか?
オメガ:見て回ったけど何も起きなかったオメガ達は無事だった
ハント:たしかに何もなかっただけど……
ハント:不穏な空気を感じる
サキト:不穏な空気、ですか……?
ハント:あの気配は野生の動物じゃない人でもなかった
ハント:何かがいるのはたしかだがそれが何かわからない
ハント:ただ、誰かにじっと観察されているような薄気味悪さはあったな
ハント:もしも噂通りに龍影の怨念が原因ならそう言われても納得できそうだ
サキト:そうですか……
サキト:ですが、もし本当に怨念だとしても龍影は関係ないでしょう
オメガ:どうして、そんなふうに言える?
サキト:龍影は鬼龍盗賊団を創設した一人ですから
ハント:義賊を名乗っていた盗賊団だったか?
サキト:間違いではありませんが少し違いますね
サキト:もしかして詳しい話をご存じないのですか……?
オメガ:うん、オメガは知らないだから教えてほしい
サキト:悪政を敷いていた領主や悪徳商人だけを狙い
サキト:不正に蓄財したものを盗みだし困っている人達に施したそうです
ハント:それで盗賊団と言うわけか
サキト:自分達で名乗ったとも当時の権力者達がそう呼んだとも言われていますね
サキト:権力者、特にスネに傷のあるような人間には不愉快な存在だったのではないでしょうか
ハント:なるほど、だから怨念がいるとしても龍影ではないと言うわけか
サキト:ええ、もちろん伝承が本当のことで怨念がいたら、ですが
オメガ:龍影ってそんなにすごかった?
サキト:龍影は数多くの武器を自在に使いこなしたそうですが
サキト:その中でも特に凄かったのは弓だったとのことです
ハント:遺産が弓かもしれないというのはその話からか
サキト:はい、それは事実のようで弓に関しての話もかなり残ってます
オメガ:弓ならハントもすごい!
サキト:そうですか。でしたら……龍影の遺産があれば役立つかもしれませんね
オメガ:オメガもそう思う!でも……
オメガ:このあたりを捜しても何も無かっただから他のとこかも……
ハント:消えた人間の痕跡も見つからなかったな
サキト:そうですか……
ハント:面白い話を聞かせてもらったし龍影の遺産探しのついでだ
ハント:行方不明になった人間をもう少しだけ捜してみよう
サキト:よろしくお願いします
talk_51110202
猫:にゃああ~
ハント:……猫?
オメガ:猫、寄ってきたとっても可愛い!
ハント:オメガ、あまり不用意に近づかないほうが……
ハント:……っ!?
オメガ:ハント、どうしたの?
ハント:わからない。わからないけど……首筋がピリピリする
オメガ:もしかして、猫のせい?
猫:うなああ~!
オメガ:猫、違うって言ってる
ハント:確かにその猫からは嫌な感じはしないが……
猫:ふしゃあああっ!!
オメガ:あっちのほう、なんか嫌なのいるみたい
ハント:……そうだな。気味が悪い
ハント:怨念がいるという噂があったな……
オメガ:オメガにはわからない残念……
ハント:こんな気味の悪い感覚は知らないほうがいい
猫:うにゃ!
オメガ:猫もそう思うって
ハント:……話がわかるのか?
オメガ:なんとなくそう思うだけ
オメガ:どうする、ハントこの先に行く?
ハント:あの先から凄く嫌な感じがする
ハント:ここにはあまり長居をしないほうがいい
猫:にゃう、にゃにゃ!
オメガ:猫も賛成してるみたい一度、戻る?
ハント:そうだな……
ハント:戻るにしても、少しでも情報が欲しいな
オメガ:だったら、この先へ行ってみる?
ハント:ああ。ただし何かあったらすぐに引き返すぞ
オメガ:猫も一緒に連れていっていい?
ハント:……まあ、いいだろう
オメガ:やったね、猫!
猫:なぁあう。にゃ!
オメガ:大丈夫、何かあったら猫はオメガが守る
猫:にゃにゃうっ
オメガ:猫もオメガを守る?ありがとう、嬉しい!
ハント:あまり騒ぐようなら置いていくぞ?
猫:にゃ!
オメガ:わかったって
ハント:……行くぞ
talk_51110206
オメガ:モンスターがたくさん!
ハント:気をつけろ、オメガ!
オメガ:わかった! でも、なんだかいつもと違う?
ハント:……たしかに様子が変だな
オメガ:ハントが言ってた嫌な感じってこれ?
ハント:わからない……が
ハント:あいつらをどうにかする必要がありそうだ
オメガ:こっちに気付いた……?
ハント:そうみたいだな
オメガ:わわっ、大変! 危険!こっちへ向かってくる!
ハント:この気配の原因やモンスターの様子について調べている余裕はないか……
ハント:とりあえずこいつらを倒すぞ!
オメガ:わかった! オメガ、がんばる!
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猫:なああ~
オメガ:猫、無事で良かった
ハント:僕達が戦っている時ちゃんと隠れていたのか?
猫:にゃにゃ、なー
オメガ:きっとそう言ってる!……と思う
ハント:無事でよかったな
猫:にゃああ~
オメガ:それにしても大変だった
オメガ:倒しても倒してもモンスターがたくさん出てきて……
ハント:あれじゃ、いくら倒しても切りがなさそうだな
オメガ:休んだら、また戦う?
ハント:いや、数が多すぎるここは一旦、退こう
猫:にゃう!
サキト:大丈夫でしたか?
ハント:どうした? こんな所まで来て
サキト:気になったので様子を見に来たのですが
サキト:無事だったようですね
ハント:何もなかったわけではないけどな
サキト:ということは何かがあったんですね
オメガ:猫に会った!
猫:にゃあ、にゃにゃ
オメガ:猫も咲人のことを気に入ったみたい
サキト:……猫、ですか?
ハント:ああ、途中でオメガが見つけたんだ
オメガ:ずっと一緒にいた!
サキト:そ、そうですか
サキト:それはそれとしていかがでしたか?
ハント:理由は説明できないがあそこは何かまずい
サキト:まずい、とは?
オメガ:モンスターがたくさん!いくら倒しても出てくるっ
サキト:では、行方不明者はモンスターが原因ですか?
ハント:可能性はあるが、断言はできない
サキト:他に原因があると?
ハント:怨霊が出ると言われていたのはあながち間違いと言えなそうだ
ハント:そう思うくらいの生理的な嫌悪感や身の危険を感じた
サキト:そんなことが!?
オメガ:オメガはわからなかった
猫:にゃ、なあ~
オメガ:猫もわからないと言ってる
サキト:龍影かどうかはともかく怨霊や悪霊などについて調べてみます
ハント:頼む
猫:にゃあああ~
オメガ:猫もお願いって言ってる!
サキト:ははっ、期待に添えるよう努力しましょう
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サキト:申し訳ありません調べてみました
ハント:何かあったのか?
サキト:はい。調査していた何人かがよくわからない何かに襲われたとのことです
ハント:実害が出たのか……
オメガ:相手は怨霊?
サキト:いえ、正体まではわかりませんでした
ハント:……そうか。手間をかけたな
サキト:怨霊でなくとも似たような存在が相手になるでしょう
サキト:行く前に対策を講じる必要があると思います
ハント:対策……?
サキト:ええ、厄砕の護石があれば怨霊や悪霊にも効果があるはずです
ハント:そんなものがあるのか?
サキト:はい、特別なお酒と石が必要ですが
ハント:わかった、それはこちらで探してこよう
サキト:詳細はおって連絡します
ハント:頼む
猫:うな? うなあぁ~
オメガ:猫、どうした?
猫:にゃにゃにゃ、ふにゃっ
オメガ:猫、ついて来いって言ってる!
サキト:あの、本当に猫が……?
オメガ:ハント、猫について行こう
ハント:いや、しかし……
サキト:二人だけでは危険ではありませんか?
オメガ:オメガとハントがいれば何かあっても平気!
オメガ:それについて行ったほうがいいような気がする
ハント:気がする、か……
オメガ:どうした、ハント?
ハント:いや、なんでもないそこまでいうなら試しについて行ってみよう
オメガ:猫、案内して!
猫:にゃ! にゃにゃっ
ハント:どうやらこの先に何かがあるみたいだな
ハント:ちょっと見てくる
サキト:は、はい。行ってらっしゃい
ハント:どこまで行くつもりだ?
猫:うにゃにゃ、にゃあぁ~
オメガ:もう少し先だからちゃんとついて来いって言ってる!
猫:にゃ!
ハント:まさか……とは思うがたしかにそんな感じだな
オメガ:急ぐけど大丈夫かって
オメガ:大丈夫、ちゃんとついていける!
ハント:……まるで本当に会話ができているみたいだな
talk_51110302
オメガ:ね、猫、ここに何が……
オメガ:猫、待ってっ!どこへ行く!?
猫:な! にゃにゃにゃ!にゃああっ
ハント:土を掘ってる……?あそこに何かあるんじゃないか?
オメガ:猫はそこを掘ってほしいの?
猫:にゃあああっ!
ハント:今のは僕でもわかったここを掘れってことだな
オメガ:オメガ達に任せる!
猫:にゃうう!
オメガ:ビームで一気に吹き飛ばす!
猫:にゃなあああっ!?
ハント:いや、それはやめておけ
オメガ:わかった。しかたないから普通に掘ることにする
猫:にゃふ……
ハント:猫もほっとしているな
オメガ:遺産が埋まっている?
ハント:隠すにしてもそんなに浅くは埋めないだろう
ハント:熊や猪などの野生動物ならすぐに気付いて掘り返すぞ
オメガ:だったらものすごく深く埋めてある?
ハント:その可能性は否定できないが……
オメガ:うん……?
ハント:まさか本当に埋まっていたなんて……
オメガ:古い、缶みたい
ハント:中に何が入ってるかわからないうかつに触らないほうがいい
猫:にゃうっ、にゃにゃにゃっ!
オメガ:猫、触ったらだめ!
オメガ:あ……
ハント:どうした?
オメガ:声が、聞こえてくる
ハント:声……?
オメガ:ハントも触ってみる!
ハント:ちょ、ちょっと待ってくれう……!?
???:あたしの声が聞こえるのかい?
猫:にゃああああっ!
オメガ:だ、誰!?
ハント:オメガにも聞こえたのかなら、僕の幻聴というわけじゃなさそうだな
???:あんたがそう思いたいなら別に幻聴ってことでもかまわないけど?
ハント:現実に会話ができる以上そんなことをしても無意味だ
ハント:それで、あんたは何なんだ?
???:あたしかい? あたしの名前は龍影って言うんだ
オメガ:盗賊団の人! さっきたぬ彦がそう言ってた!
ハント:……そうか。鬼龍盗賊団の創設者の一人……?
タツカゲ:なんだ、知ってるんじゃないか
ハント:……まさか女だったとはな
タツカゲ:ふふっ、驚いたかい?
ハント:あ、ああ……
オメガ:どうして缶の中にいる?缶からどうやったら出られる?
タツカゲ:出ることはできないよあたしはもう死んでるからね
タツカゲ:エーテルにあたしの記憶や意志が保持されていたんだろうね
タツカゲ:それがあたしの想い出のつまった古びた缶に宿った
タツカゲ:それが今のあたしだよ
ハント:そして僕達が偶然、この缶に触れたというわけか
タツカゲ:この缶を通してならば今のあたしもあんたらと話ができるようだね
猫:にゃあ、にゃあ、なああっ
タツカゲ:なっ!? 虎徹……?虎徹じゃないかっ!
オメガ:猫は、虎徹? 虎徹が猫?
タツカゲ:ああ、その通りだよその子の名前は虎徹って言うんだ
コテツ:なあああ~、にゃっ
タツカゲ:虎徹、あたしのことをわかってるみたいだね
ハント:あんたには虎徹が見えているようだが虎徹はどうなんだ?
タツカゲ:声は聞こえてるはずさでも……
オメガ:でも?
タツカゲ:あたしの姿は見えていないだろうね
タツカゲ:何かに遮られているみたいでそばにいるけど、遠いんだよ
ハント:……そうか
オメガ:虎徹、龍影に会えない?
タツカゲ:ああ、ごめんよ、虎徹撫でてやりたいとこだけど……
ハント:缶のままでは無理だろうな
タツカゲ:せっかく再会できたってのに……今のあたしじゃ触るどころか顔を見せてやることもできやしない
コテツ:にゃうんっ!
オメガ:虎徹、気にしてないって
ハント:ずいぶん懐いているんだな
ハント:この猫はあんたのなんなんだ?
タツカゲ:虎徹は、あたしがまだ生きてた頃に可愛がっていた野良猫だよ
ハント:あんたが飼っていた……?
タツカゲ:何かおかしなことを言ったかい?
ハント:いや……そうじゃないそうじゃないんだが……
ハント:あんたは、ずいぶん昔に死んだんじゃないのか?
タツカゲ:あはははっ。普通のやつなら聞きにくいことだってのにずいぶん遠慮がないね
ハント:どう聞いたところで事実は変わらないからな
タツカゲ:たしかにその通りだあたしもそう思う
ハント:だとしたら、この猫はどれほど長く生きているんだ?
タツカゲ:生きて……か残念だが違うね
タツカゲ:その子はあたしと同じだよ
オメガ:同じ……? 猫も缶の中にいる?
タツカゲ:似ているけれど、少し違うね
オメガ:猫と龍影、どう違う?
タツカゲ:その子は自分が死んでいることに気づいてないんだよ
コテツ:にゃううっ! にゃああっ!
タツカゲ:それなのに、ずっとずっと……
タツカゲ:あたしの帰りを待ち続けてる
タツカゲ:はは、まったく変なとこだけ飼い主に似ちまって頑固だね
オメガ:じゃあ、猫はずっとこのまま?
タツカゲ:心残りが消えれば成仏するはずさ
ハント:その猫の未練はあんたに会うことか?
タツカゲ:たぶんそうだろうね。だから……
タツカゲ:あたしと会ったら成仏するはず
ハント:あんたは死んでるんだろう?会うのは無理じゃないのか?
オメガ:猫、龍影に会えない?ずっと一人ぼっち?
オメガ:それはダメ、それは悲しいオメガにもわかる
タツカゲ:エーテルの濃い場所なら……
オメガ:そこなら、虎徹は龍影に会える?
タツカゲ:あたしの姿を、あたしのことを認識できるかもしれない
オメガ:エーテルの濃い場所ってどこにある!?
ハント:あの、何かがいたところあそこならエーテルの濃度も高いだろう
オメガ:ハント、一緒に行こう!
ハント:人が消える原因がいるかもしれないそんな危険な場所だぞ?
オメガ:ハントとオメガならきっと大丈夫!
ハント:相手がなんなのか何があるのかわからないのに大丈夫だなんて言えないな
オメガ:うう……そうだけどでも、でもっ
タツカゲ:無理は承知だがあたしからも頼むよ
タツカゲ:いつまでもそのままなんて寂しいだろ?
タツカゲ:もう帰らないあたしのことをずっと待ってるなんて、さ……
オメガ:ハント、お願い猫を龍影に会わせたい!
ハント:僕達がそんなことをするメリットは何もない
コテツ:なああ~
オメガ:ハント……だめ?
ハント:はあ……
ハント:……鬼龍のお神酒を集め終わった後、ついででもいいのならば、引き受けよう
コテツ:にゃう、にゃうんっ!
オメガ:ありがとう、ハント!猫も喜んでるっ!
ハント:引き受けた以上はかならずやり遂げてみせる。
ハント:だから、安心して待っていてくれ
タツカゲ:ありがとう……待ってるよ
chattalk_51110303
オメガ:見つけてきた!
ハント:202500181
オメガ:29
サキト:こんなに早く?さすがですね
ハント:それで鬼龍のお神酒はこれで間違いないのか?
サキト:ええ、間違いありません
オメガ:26
オメガ:ちゃんと見つけて良かったって猫も喜んでる
サキト:猫がそんな場所に……?
ハント:ああ、気にしないでくれ
ハント:それよりも次の素材についてなんだが
サキト:はい、ご説明しますね
ハント:頼む
サキト:次は御霊の封印石をお願いします
サキト:それがあれば魔除けを作れますので
オメガ:3
chattalk_51110304
ハント:待たせたな
ハント:202500191
オメガ:これで合ってる?
サキト:ええ。これで素材が揃いましたね
オメガ:15
サキト:3
オメガ:魔除け、作れる?
サキト:私が魔力を込める必要がありますので一度、持ってきてください
オメガ:20
オメガ:猫も戻ろうって言ってる!
サキト:まるで本当に猫と話しているみたいですね
オメガ:猫とオメガ、仲良し!
ハント:それじゃ戻るぞ
オメガ:18
talk_51110305
サキト:確かに受け取りました
サキト:これで魔除けを作れますですが……
サキト:魔力をこめる必要があるので少し時間をください
ハント:わかった。よろしく頼む
オメガ:それがあれば悪霊も怖くない?
サキト:はい、そのはずです
ハント:……いるんだろう?
タツカゲ:ああ、いるよ
タツカゲ:聞かせてもらったけど何で魔除けなんて作ってるんだい?
オメガ:このあたり、人がいなくなってる悪霊のせいって言われてた
タツカゲ:まさか、あたしがその悪霊だとでも?
ハント:それなら、あんたを滅ぼせば解決なんだが……
コテツ:にゃう! にゃああっ!
オメガ:大丈夫、滅ぼしたりしない安心して、虎徹
タツカゲ:ま、そうしたいなら抵抗はしないがやっても無駄だろうね
ハント:……だろうな
タツカゲ:ずいぶん素直じゃないか
ハント:あんたは魔除けが出来ると聞いても動揺一つしてないだからだよ
タツカゲ:へえ……
オメガ:魔除けができれば、虎徹が龍影に会いに行ける!
コテツ:なあああ~、にゃっ
ハント:やはりお前と虎徹が会うためにはエーテルの濃い場所でなくてはいけないようだな
タツカゲ:残念だが、そうみたいだね
オメガ:でも虎徹はオメガ達のことわかってるみたいどうして?
タツカゲ:さあ……と言いたいとこだがあんた達がガイアスだからだろうね
オメガ:ガイアスだと龍影と虎徹と話せるの?
タツカゲ:現にこうして話してるだろ?
ハント:なぜ、僕達がガイアスだとわかった?
タツカゲ:そんなに警戒しなくてもいいよ
タツカゲ:なんとなくわかったってだけなんだからさ
オメガ:龍影すごいすごい!
ハント:あんたや虎徹を認識できるのはガイアスだけというのは本当か?
タツカゲ:さっきの咲人だっけ?虎徹が見えていたかい?
ハント:そういえば……
オメガ:虎徹のことわかってなかったかもしれない!
タツカゲ:あたしのことも何も感じてなかっただろ?
タツカゲ:つまりは、そういうことさ
タツカゲ:そう考えれば納得できることも多いんじゃないかい?
ハント:……そうだな
ハント:エーテルが記憶や意志を保持するのなら……
ハント:それを応用できるんじゃないか?
タツカゲ:たとえばどんなことに?
ハント:保持されている記憶や意志をより明確に感じられれば……
ハント:それを継承することさえできるんじゃないか?
タツカゲ:たしかにできるかもしれないけどね……
タツカゲ:あたしは龍影だが龍影本人じゃない消える間際の影のようなもんさ
タツカゲ:それに、あんたがあたしの記憶を受け継いだとして
タツカゲ:それをいきなり受け入れられるのかい?
ハント:……無理だろうな
オメガ:オメガは記憶したこと消えたりしないそれでも無理?
タツカゲ:難しいだろうね
タツカゲ:それに、仮に受け継げたとしても使いこなせるとも思えないし
オメガ:記憶だけじゃだめ?
タツカゲ:釣りの達人の記憶を手に入れたとしいきなり同じように魚を釣れるかい?
タツカゲ:武人も、職人、盗賊もみんな一緒さ記憶だけじゃ足りないんだよ
タツカゲ:使いこなすための身体能力が必要になる。それに……
タツカゲ:他人の膨大な記憶を受け入れる強靭な精神力も、ね
タツカゲ:キツい言い方になるけど今のあんた達じゃ無理だね
ハント:僕達では力不足だと?ずいぶんとはっきり言うな
タツカゲ:ああ、力不足で未熟だね
タツカゲ:たとえばそうだね……
タツカゲ:あんた達は名前からあたしのことを男だとそう思っていただろ?
タツカゲ:先入観を持って行動するのは戦場に身を置くものとして最もやってはいけないことさ
ハント:……まさか、それだけで未熟だと言うつもりなのか?
タツカゲ:不服かい?これだけでも十分だと思うんだけどねぇ
タツカゲ:ならもう一つ教えてあげるよこの先に何がいるのかわかるかい?
ハント:悪霊だろう?
タツカゲ:数は?
ハント:……たぶん、複数だけれど、数はわからない
タツカゲ:それだけわかるのはたいしたもんだね
タツカゲ:けどね、まだまだ足りない言われなくてもわかってるだろ?
ハント:……っ
タツカゲ:それでも未熟だと認められないならもっと言おうか?
タツカゲ:ここへ戻ってくるまでの間のあんた達の戦い方を見ていたが単純に力量も不足している
ハント:……戦ったやつは倒した無事にここまで戻ってきた
ハント:それでも力量不足だと?
タツカゲ:たしかになかなか悪くない
タツカゲ:いい目をしてる。相手の動きもよく見えているようだしね
タツカゲ:でも、悪くないだけなんだよ目に頼りすぎてる
タツカゲ:見えるモノしか射抜けていないまだまだ未熟だね
ハント:目に見えるモノだけ……?
オメガ:目に見えないと戦えない
ハント:気配を感じたら射ろと?それこそ無駄なことだ
タツカゲ:ま、そういうとこがまだまだ未熟だというんだよ
ハント:…………
オメガ:オメガ強くなったはずでも、未熟……?
タツカゲ:色々言ったけど、それなりに見込みがあるからだよ
タツカゲ:さて、そろそろ厄砕の護石ができるころじゃないか?
ハント:僕が……未熟だと……
talk_51110401
サキト:お待たせしました厄砕の護石が完成しました
オメガ:これがあれば悪霊も平気?
サキト:そのはずです
コテツ:にゃう、にゃにゃ
ハント:虎徹は平気みたいだな
サキト:悪意や害意のある相手に効果のあるものですから
オメガ:虎徹とオメガは仲良し!
ハント:龍影は大丈夫か?
タツカゲ:あたしも平気みたいだね
サキト:あの、龍影とは……?
ハント:気にしないでくれ
サキト:は、はあ……わかりました
オメガ:これで悪霊を倒せる!
サキト:悪霊が本当にいるのでしたらおそらくそこに……
ハント:行方不明者を捜すためにも倒す必要があるというわけか
サキト:全てをお任せきりで申し訳ありませんが……
ハント:僕にも悪霊を倒したい理由ができたから、気にしないでいい
オメガ:オメガ、虎徹のためにがんばる!
サキト:よろしくおねがいします
コテツ:にゃうんっ! にゃにゃ!
オメガ:手伝ってくれるの?ありがとう、虎徹っ!
タツカゲ:さすがあたしの虎徹だね
ハント:いつまでも話してないで行くぞ
タツカゲ:ずいぶんとやる気じゃないか
ハント:僕が未熟で力量不足だともう言わせない
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ハント:う……!?
オメガ:どうした、ハント?
コテツ:にゃー! にゃにゃー!
オメガ:虎徹も、どうした?
ハント:ここから凄い嫌な気配を感じる
タツカゲ:偶然の一致ってわけじゃなさそうだね
ハント:エーテルの濃度が高い場所に悪霊がいることがか?
タツカゲ:ああ、そうだ
オメガ:そこに行けば虎徹は龍影のことちゃんとわかる? 会える?
タツカゲ:そのはずさ。ただ……ここではまだエーテルが薄い
タツカゲ:もっと濃いところじゃなくちゃ無理だろうね
ハント:奥のほうが嫌な感じが強いまさかと思うが……
タツカゲ:想像した通りだろうねエーテルの最も濃い場所は奥にあるようだよ
オメガ:虎徹、待ってて!もうすぐ龍影に会えるからっ
コテツ:な! にゃああ~
オメガ:虎徹、嬉しい?
コテツ:にゃうんっ!
オメガ:龍影に会えば虎徹は成仏できる
オメガ:そうしたら……
ハント:どうした、オメガ?
オメガ:オメガ、なんだか変胸がもやもやする
ハント:……そうか
コテツ:なああ……
タツカゲ:気持ちはわかるけどまずは悪霊を倒すことが先決だろう?
オメガ:はっ!? そうだった悪霊はオメガが倒す!
タツカゲ:あたしと虎徹が会えるかあんたにかかってるからね
オメガ:大丈夫、ハントと二人でちゃんとやっつける!
ハント:何があるかわからない油断はするな
オメガ:うん、油断は大敵!
ハント:しっかりと周りを見て注意しながら進むぞ
タツカゲ:やれやれ見ることの意味はまだわかってないみたいだね
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ハント:嫌な感じが、どんどん強く……!
オメガ:ハント、何かが集まってくる!
タツカゲ:悪霊が集結しているんだ
コテツ:にゃ、にゃ、ふしゃああっ!
オメガ:ハント、悪霊達がこっちに来る!
ハント:だったら、まとめて倒すまでだ!
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ハント:これで、終わりだ!
オメガ:悪霊、全部倒した!
ハント:…………
オメガ:ハント、難しい顔してどうしたの?
ハント:手応えが薄い。それに何か……
コテツ:ふーっ、ふーっ、ふしゃああっ! うにゃああっ
オメガ:虎徹……?
タツカゲ:悪霊が虎徹の周りに集まってきてるんだっ
ハント:なんだってっ!?
コテツ:にゃ、にゃ、にゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
オメガ:虎徹、虎徹が大変!
コテツ:にゃ、がう゛、う゛、う゛、う゛
オメガ:虎徹、苦しんでるっオメガ達に逃げてって言ってるっ
ハント:虎徹を媒体にしてまだ僕達と戦うつもりなのか!?
タツカゲ:悪霊共の最後の悪あがきだ!
オメガ:攻撃したら虎徹に当たるどうしたらいい?
ハント:こうなったら、僕達にはどうしようもない……
タツカゲ:くそっ、虎徹が苦しんでいるのにあたしには何もできないのかいっ
タツカゲ:あたしなら……あたしに体があれば!
タツカゲ:虎徹に憑依した悪霊だけを射抜くことができるのに!!
ハント:龍影、あんたなら本当に悪霊だけを射抜けるのか?
オメガ:ハント……?
タツカゲ:もちろんだよ。あたしにはそれができる
ハント:だったら……
ハント:僕を使え僕の体を使え!
オメガ:オメガも! オメガの体も使っていいっ
オメガ:だから虎徹を助けてほしい
タツカゲ:あんた達……
ハント:今の僕達は悪霊だけを射抜くことはできない
ハント:その方法がわからないでも……
ハント:龍影、あんたの記憶を受け継げばできるんだろう?
タツカゲ:できるさ。だが……
ハント:僕達では受け止めきれない?僕達が未熟だからか?
タツカゲ:器の容量を超えるものを無理やり流し込んだらどうなるかわかるだろう?
コテツ:ぐる゛る゛る゛るぅう゛にゃがあ゛あ゛あ゛あ゛
オメガ:ハント、虎徹が、虎徹がっ!!
ハント:悩んでためらっている場合か!
ハント:今やらないで、いつやるんだ!
ハント:虎徹を救いたいんじゃないのか!!
タツカゲ:当たり前だっ、だけどねあんた達が受け止めきれなければどうなるかわからないんだよ!?
ハント:受け止めてみせる!
オメガ:オメガも、オメガも受け止める!
タツカゲ:あんた達……
ハント:やらずに後悔するくらいならやって後悔させてくれ!
タツカゲ:覚悟はいいんだね?
ハント:早くしろっ!!
オメガ:オメガ、覚悟した!
タツカゲ:……いくよっ!
-:cutin_10105_00
ハント:ぐっ、うあああああああっ
オメガ:ガ、ぴ、おめガのナカなにか、ハイってくる
ハント:体が、熱く、力が……
オメガ:ツヨイ、ちから、ハイッてオメガのナカ、いっぱい
ハント:これが、龍影の記憶……
オメガ:これが、龍影の力……
ハント:ああ、そうか……そういうこと、だったのか
オメガ:オメガも、わかった
ハント:見えているものだけじゃない
オメガ:見えないものだけじゃない
ハント:目に見えているのにそこにいないもの
オメガ:目に見えないのにそこにいるもの
タツカゲ:そうだ。目で見て、音を聞いて匂いを嗅いで、肌で感じて
タツカゲ:見えないものを見る!
ハント:オメガ、やるぞ
オメガ:わかった!
コテツ:にゃ゛があああああああっ!!
オメガ:虎徹、今、助けてあげる
ハント:いくぞっ!!
コテツ:なごおおおおおおおおおおおっ!!
-:二人の放った一撃が光と共に虎徹の体を射貫いた。
-:断末魔の悲鳴を上げながら虎徹の体から黒いもやが湧き上がり、散っていく。
ハント:はは……やった、みたいだ……
オメガ:悪霊、倒した……
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オメガ:悪霊、いなくなった?
ハント:完全に消滅したみたいだなもう嫌な気配を感じない
オメガ:よかった……はっ!?
オメガ:虎徹……虎徹っ!
オメガ:ハント、どうしよう虎徹が動かない
ハント:まさか……
タツカゲ:そんな……嘘だろ嘘だと言っておくれよ
コテツ:な……にゃぅ……
オメガ:虎徹、動いた!虎徹っ、無事だった!
タツカゲ:虎徹うううううううっ!!!
オメガ:ふわっ!?
ハント:なっ!?
タツカゲ:虎徹、虎徹、虎徹っ。よかった無事で良かった、虎徹ぅうっ!!
コテツ:なああ~、んなあ~
タツカゲ:ああ。虎徹。このふわふわした感じ、昔と変わらないっ
コテツ:にゃう、にゃ、にゃ、ぐるるるっ
タツカゲ:虎徹、さびしかっただろうにずっと待たせてごめんよっ
タツカゲ:虎徹、虎徹、あたしも会いたかったあんたのこと心配だったんだ
コテツ:んにゃ、なうう~、にゃ!
オメガ:虎徹、喜んでるとっても嬉しいって言ってる
オメガ:うん、良かったとっても、良かった
コテツ:んにゃ、にゃうっ、にゃにゃっ
オメガ:でも、龍影にもあんな一面があったなんてびっくり
ハント:誰にだって人に見せていない面はあるさ、僕にもオメガにも
オメガ:さっきのハントもそうだった虎徹達のために叫んでた
オメガ:あんなハント、初めて見た
ハント:あ、あれは、その……
ハント:オメガだって虎徹のためとはいえ僕の無茶に付き合ったじゃないか
ハント:あんなふうに自分からはっきりと行動するのは珍しいよな?
オメガ:そうかな?自分ではよくわからない
オメガ:でも、あの時はああするのが良いとああしたかった
ハント:そうか……その気持ちを大切にな
オメガ:よくわからないけど、わかった
タツカゲ:こてつぅうううううううっにゃあにゃあにゃあっ
コテツ:にゃあうっ、にゃ、にゃにゃ
ハント:ああいうのは見習わないようにしよう
オメガ:うん、オメガもちょっとあそこまではできない
タツカゲ:……少しだけ、見苦しいところをみせちまったかね
ハント:少し……?
オメガ:見苦しい? 嬉しい時に喜ぶのは当たり前
オメガ:だから龍影が虎徹を抱きしめてゴロゴロ転がりまわ――
タツカゲ:そ、そういえば、二人ともよく継承できたね!
タツカゲ:さすがに無理だと思ったよ
タツカゲ:あたしがいうのもなんだけどずいぶんと無茶したもんだ
ハント:ああ、今ならどれほどの無茶だったかわかる
オメガ:もう一度、同じことをしろと言われても無理
タツカゲ:あはははははっまあ、何かを越えた後ってのはそんなもんさ
ハント:だが、おかげでやっとわかった
ハント:目で見えるものだけじゃなく見えないものを感じ、捉えるその意味が
タツカゲ:あたしの力、しっかりと継承したみたいだね
タツカゲ:この調子なら、あたしの記憶全てを受け継ぐことができるかもね
ハント:……そうなのか?
オメガ:よく、わからない
タツカゲ:なにもかも全部、一度にとはいかないさ
ハント:……そうだな。まだ自分が未熟だということは嫌というほどわかった
タツカゲ:未熟だと自覚できたってのは前に進んだ証だよ
ハント:そうだな。そう思うことにしよう
タツカゲ:さて……名残は惜しいがあたしは虎徹といくよ
-:虎徹をしっかりと抱きしめ龍影は優しい笑みを浮かべる。
オメガ:虎徹、良かったね
コテツ:なあああ~
オメガ:オメガも虎徹と会えて楽しかった
コテツ:にゃう、にゃにゃ!
ハント:じゃあな、龍影
タツカゲ:ああ。二人には世話になったね
タツカゲ:……ありがとう、感謝してる
-:まるで空気に溶けるように一人と一匹の姿が少しずつ薄くなっていく。
オメガ:さよなら、虎徹さよなら、龍影
コテツ:にゃああぁんっ
-:幸せそうな鳴き声を残し虎徹と、龍影は消えた。
オメガ:虎徹も龍影もいなくなった
ハント:……そうだな
オメガ:虎徹、龍影と会えたこれからずっと一緒
オメガ:とってもいいこととても嬉しいことそれなのに……
オメガ:なんだか、変な感じオメガ……何かおかしいみたい
ハント:おかしくはないそれは……
オメガ:それは?
ハント:いや、なんでもない
ハント:たしかに別れはしたけれど龍影と虎徹のことは覚えてるそうだろ?
オメガ:うん、オメガ、忘れない
オメガ:龍影も虎徹もきっとオメガ達の中にいる
ハント:……そうだな
ハント:龍影の力を、技を僕達が継いだんだ
オメガ:うん、これからもっと強くなる
ハント:鬼龍盗賊団の龍影の記憶と力の継承、か……。
オメガ:無我夢中だったからよく覚えてない
ハント:それは僕も同じだでも……
ハント:体が覚えている心で感じている
ハント:龍影と、そして虎徹が僕達に残してくれた力
ハント:見えるものだけじゃない見えないものだけじゃない
ハント:幻を、形にないものを打つ力それはまるで……
ハント:ファントムシューターだ