talk_31010101
スピカ:私の名前は……姫輝スピカ高校2年生、天文部、それに……
スピカ:サッカー部のマネージャーを兼任してる……そう、彼を応援したくて……
???:……ピカ……おい、スピカ……
ソル:スピカ! 大丈夫か?
スピカ:え……
スピカ:あ、ソル君、どうかしたの?
ソル:いや、ショックなのはわかるけどあんまり考え込むのはよくないぜ
スピカ:ううん、ちょっとぼーっとしてただけだから気にしないで
ソル:そっか、わりー
ソル:それにさ、探してれば地球に帰る方法だって絶対見つかるよ、な?
スピカ:うん、そうだね
ソル:ほら、そんなことよりそっちもう焼けてるぞ
スピカ:え?
ソル:熱いから気をつけて食えよ
-:quest_310100101_01
スピカ:わあ、[recipe:503000151(グリルミート)]だ!いいの? 本当に私が食べちゃって
ソル:ああ、お前に食わせようと思って獲ってきたんだから食いたいだけ食えばいいんだよ
スピカ:もう、そんなには食べないよソル君の分も残しとかないとだし1口だけね…………はむぅ
スピカ:────!?
スピカ:ほへ~、お口の中が幸せいっぱ~い♪
スピカ:すごい、何で……?これ、すっごく美味しいよ!
スピカ:ソル君、いい? もう1口だけ!はむ、はむ、はむぅ……ほへ~、止まんないよ~♪
スピカ:ソル君……おかわりしてもいいかな……
ソル:ああ、いいぜ!へへ、やっぱそうじゃないとなやっとスピカらしくなったぜ
スピカ:もう、ひどいよ! 私、女の子だよ?そんなに食いしん坊じゃないよ!
ソル:お、こっちのも焼けてんな食うだろう?
スピカ:うん、おかわりー!
-:結局、[recipe:503000151(グリルミート)]は全てスピカが食べてしまい、新たにソルの分を獲りに行くことになるのだった──
chattalk_31010102
タヌヒコ:2人とも、お疲れぃ!
タヌヒコ:どうでい、肉は手に入ったか?
スピカ:うん、いっぱいとれたよ
スピカ:ほら!
スピカ:202101711
タヌヒコ:おお、いい肉じゃねえか
タヌヒコ:そんないい肉にこんなことは言いにくいんだが
タヌヒコ:検査してもいいか?
スピカ:え、検査? どういう意味?
タヌヒコ:悪りぃな、これも仕事なんでい
タヌヒコ:おいらには品質管理の仕事もあってな
タヌヒコ:肉に変な病原菌や寄生虫がいないかチェックしないといけないんでい
スピカ:ええっ、なにそれ、怖いよ
タヌヒコ:検査すれば大丈夫だぜ見せに来てくれい
スピカ:うんうん、すぐにもっていくね
talk_31010103
スピカ:はい、焼けたよ、ソル君のお肉
-:quest_310100101_01
ソル:おう、サンキュ
スピカ:じぃ…………
ソル:って、そんなに見られるとオレでもちょっと食べにくいぞ
スピカ:あ、ごめんねむこう向いてるから
ソル:そんじゃ、いっただーきま──
ソル:ん? これってまさか
スピカ:はわわわっ、ち、違うよ!私じゃないからね! 本当だよ!
ソル:ははは、まだ食べ足りないのかよ
スピカ:もー、だから違うってば!さっきいっぱい食べたもん!
スピカ:あ……
ソル:なあ、スピカ、一緒に食べようぜたくさん獲ってきたから心配すんな
スピカ:…………
ソル:何気にしてんのかわかんねーけどオレ独りで食うよりお前と食べてる方が美味しいんだよ
スピカ:……本当に?
ソル:ああ、本当だ
スピカ:……たくさん食べる、女の子嫌いに、ならない?
ソル:は? 何だって?よく聞こえなかったぞ
スピカ:もう、何でもないよ!
ソル:あははは
スピカ:わかった、ソル君がそこまで言うなら1口だけ……1口だけだからね?
ソル:OK、わかったからいいから食えって、ほら
-:quest_310100101_01
スピカ:はむぅ……
スピカ:ほへ~、お口の中が幸せいっぱ~い♪はむぅ、はむぅ、はむぅぅぅぅ
スピカ:はい、おかわり!!
talk_31010201
スピカ:じゃがいもさーん、タマゴさーん♪ほうれんそうもー茹でましてー♪ふふふ~ん、ふふ~ん♪
スピカ:ふふ、美味しくできたねこれならきっとみんな喜んでくれるよね
-:ある日、スピカは町のお祭りで振る舞う料理を手伝うため、民家の厨房で腕を振るっていた。
マツリ:あらあら、いい匂いじゃない何か手伝うことないかと思って来てみたけど、大丈夫そうねぇ
スピカ:はい、今できたところなので持って行こうかと思ってたんです
マツリ:本当に悪いわねぇお祭りのお料理手伝わせちゃって
スピカ:そんな、いいんですよ私、お料理大好きですから
マツリ:あらそう? そう言ってくれると私達も嬉しいわ
マツリ:うーん、それにしても本当にいい匂いねぇ
マツリ:ねえ、ちょっとだけ味見させてくれないかしら?
スピカ:はい、いいですよこの世界のみなさんの口に合うかどうか……
マツリ:それじゃ、1口だけね……はむぅ
スピカ:ついでに私も……はむぅ
マツリ:はわ~、ほっぺた蕩けちゃう~♪
スピカ:ほへ~、お口の中が幸せいっぱ~い♪
マツリ:もう1口だけ、ね、もう1口?
スピカ:そうですね、もう1口だけおかわり、おかわり♪
-:気づいた時には既に遅く、結局、2人は作った料理を全て「味見」してしまった後だった。
-:スピカは再度調理するべく慌てて素材の調達に出て行った──
chattalk_31010202
タヌヒコ:どうでい?食材集めは順調か?
スピカ:うん、ばっちりだよ
スピカ:202101731
スピカ:202101741
スピカ:202101761
タヌヒコ:24
スピカ:26
タヌヒコ:これなら祭りに間に合いそうだな
タヌヒコ:じゃ、例によっておいらの方で検品するぜい
スピカ:うん、すぐにいくね
スピカ:12
タヌヒコ:9
talk_31010203
スピカ:よし、完成したよ!
マツリ:ありがとうねぇ、本当に助かったよぅ
スピカ:ふふ、良かったねお祭りに間に合って
マツリ:ええ、本当に
スピカ:…………
マツリ:…………
スピカ:いい、匂いですね
マツリ:ええ、とてもいい匂い
スピカ:…………?
マツリ:…………?
スピカ:…………はむぅ?
マツリ:はむぅぅぅぅ!!
-:結局、スピカの料理は2人のお腹へと消えお祭りにスピカの料理が並ぶことはなかった。
-:そのあまりの美味しさから、<幻の料理>と称されるスピカの手料理であったため──皆の落胆は大きかった。
-:後世、人々はこの事件を<幻の料理の幻>と呼び、いつまでも語り継がれていった──
talk_31010301
-:サッカー部マネージャーであり天文部員でもあった姫輝スピカは、静かに夜空を見上げていた。
-:優秀な彼女は春夏秋冬の星座を全て把握しており、それによって方角や距離などを知ることができた。
-:しかし、そんなスピカが夜空を見上げて大きな溜息を1つ、さらに首を傾げていた。
ソル:こんなとこで何やってんだ、スピカ
スピカ:うん、ちょっとねお星様を見てたんだ
ソル:そう言えば、天文部だったっけ?
スピカ:うん、そうだよ
ソル:すげーよなこの星、みんな暗記してんだろ?オレには絶対無理だ、へへへ
スピカ:えー、そんなことないよ星占いとか神話が好きで調べてたら何となく覚えただけだもん
スピカ:ソル君だって、サッカーのルールとか有名選手のプロフィールとか何でもよく知ってるじゃない
ソル:まあな、好きだからな
スピカ:私もそれと同じだよ
ソル:んで、どれがどの星座なんだオレにも教えてくれよ
スピカ:…………
ソル:どうしたんだよ急に黙っちゃって?
スピカ:教えてあげたくても教えてあげられないの
ソル:何でだよ?
スピカ:この世界の星座、私が知ってる地球の星座とはまるで違うから
ソル:……あ、そっか
スピカ:1つでも同じ星があれば地球からの距離とか、方角とか色々わかると思ったんだけど……
-:そう言ってスピカは首を振り、膝の間に顔を埋める。
-:そんな彼女を哀しそうに見ていたソルであったが、彼は立ち上がるとスピカに向かって元気に告げる。
ソル:だったらさ、これ全部スピカが名前つければいーじゃん!
スピカ:え
ソル:オレ、聞いたことあるぜ星って1番最初に見つけたやつが好きな名前つけていいんだろ?
スピカ:確かに、そうだけど……でも、私が最初じゃないと思うよ
ソル:細かいことはいーんだよほら、あれは何座だ?
スピカ:え、どれ?
ソル:あれだよ、すごくきらきらしてるの
スピカ:うーん、楕円っぽいしオムライス座かなぁ
スピカ:あ、やっぱり今のなしで!豆腐ハンバーグ座だね
ソル:ふーん、じゃ、あれは
スピカ:四角いから、チョコレート座かな
スピカ:あ、ダメダメ! なしね!やっぱりこんにゃくステーキ座で!
ソル:じゃー、こっちのは
スピカ:とんがり帽子みたいだからパフェ座……じゃなくて! にんじん座!
ソル:あははは、帽子座でいいじゃん
ソル:ってか、何で全部食べ物なんだよしかも1度言ってすぐに低カロリーのものに言い直してるし
ソル:あっ、ひょっとしてスピカダイエットしてんのか?
スピカ:なっ、何言ってんのソル君!?そそそ、そんなわけないでしょ!
ソル:あのさ、大食いのことだったらオレはそんなの気にしてねーぞ
スピカ:え
ソル:そんなことで自分を押し殺すよりスピカはスピカらしく元気にしてる方が……
スピカ:元気にしてる方が……?
ソル:ごめん、つまんねーこと言ってんなもうこれ以上はやめとく
スピカ:……ソル君……
ソル:じゃ、今度はオレな食べ物以外の名前も欲しいよなえっと、あれ、なんだろな……
ソル:丸いし、サッカーボール座?いや、ひねりがねーな……ドライブシュート座とかどうだ!
スピカ:ふふ、ソル君も私のこと言えないよサッカーのことばっかり
ソル:うわ、マジだ、やばいなオレあはははは……
スピカ:ふふ、ふふふ……
-:自分らしく生きて欲しい。ソルがさり気なく口にした言葉だが、スピカにはそれ以上の重みがあった
-:それは2人の関係をどこかぎこちなくする足枷でもあり、離れられない絆でもあったが……。
-:しかし、それを知るのは、まだ当分、先のことになるだろう。
talk_31010401
スピカ:ねえねえ、ソル君ちょっとお出かけしてみない?
ソル:何だよ、急に
スピカ:町の人から聞いたんだけどこの近くに温泉があるんだって
ソル:マジで、温泉だって?
スピカ:万病や怪我によく効くって結構有名みたいだよ
ソル:怪我に効く、か。いーじゃん
スピカ:ね、でしょ?脚にもいいと思うし気晴らしに行ってみようよ
ソル:OK、行こうか!
スピカ:あ、ごめん……シャンプーとか石けんとか全然用意してなかったよ
ソル:天然モノの石けんとかあったりすんのかな
スピカ:どうなんだろ……
ソル:……ま、なんとかなんだろ!
-:こうして、スピカはソルとともに石けんやシャンプーを探しつつ温泉のある山へと向かうのだった。
chattalk_31010402
ソル:おーい、見つかったか?
スピカ:うん、ちょうど見つかったよ[0010]
スピカ:202102411
スピカ:202102401
ソル:やるじゃん!
ソル:一旦戻ってこいよ
スピカ:1
talk_31010403
-:2人は煙がもうもうと湧く温泉地にやってきていた。
ソル:よっしゃー、やっと着いたぜ汗かいたし、お先に失礼!
スピカ:ちょっと待って、ソル君!
-:派手な音を立てて湯に入るソル。
ソル:あははは、悪いなスピカ
スピカ:もう、せっかちなんだからタオル、ここに置いとくよ
ソル:サンキュ、助かる!
スピカ:お湯加減どう?
ソル:もう最高! いい湯だな
スピカ:ふふ、喜んでくれてよかった
スピカ:ソル君の脚にいいなら何でも試していかないと……
スピカ:私にもできることあるんだってソル君にわかってもらうんだから
ソル:なあ、スピカ
スピカ:え、なあに?
ソル:せっかく来たんだしお前も一緒に入らないか?
スピカ:????
スピカ:って、ええ、ええええ!?そそそ、ソル君、何言ってるの?
ソル:あははは、別にいーだろ何か問題でもあんのかよ?
スピカ:大問題だよ!!意味がわからないよ!!
ソル:いいから、ほら早く来いって、すげー気持ちいいぞ
スピカ:どうして?今日のソル君、強引過ぎる……
スピカ:でも、ソル君からこんなこと言ってくれるの、もうないかも
スピカ:……ごくり
スピカ:ソル君、絶対こっち見ないでね絶対だよ、いい?
ソル:えー、何でだよ?
スピカ:いいから見ないで!向こう向いてて!
ソル:ははは、何で顔真っ赤なんだよ入る前からのぼせてんのか?
スピカ:ちょ、ちょっとソル君!!こっち見ちゃダメだって──
スピカ:って……何、これ?
ソル:何って、温泉に決まってんだろ
スピカ:温泉って……足湯だったの!?
ソル:え、知らなかったのかよ?何だと思ってたんだ、あははは
スピカ:むぅ……ソル君の、ばかーーーー!
-:一行は、とある街の市場へ、日常品の買い出しに出ていた。
-:天条ソルも荷物持ちでついて来たが、お店や品物に目移りしている内にはぐれてしまった。
-:慌てて皆を探していると、とあるお店の前で姫輝スピカの姿を見つけるのだった。
ソル:ああ、助かったぜやっと知ってるやつに会えた
ソル:でも、何だろ……何か様子がおかしくねーか?
ソル:なあ、スピカ、何やってんだよ
スピカ:そ、ソル君!?な、何? どうしてここに!?
ソル:いや、だからそれをオレが聞いてんじゃん
ソル:って、ここ……パン屋か?
スピカ:……うん、そうだね
ソル:何だよ、パン買うつもりだったのか
スピカ:うーん、どうしようかなってちょっと迷ってるところ
ソル:はは、迷う必要ねーよパンくらい買えばいいだろ
スピカ:でも……
-:スピカはもじもじとして言いにくそうに口をつぐむ。
ソル:何だよ、言ってみろって
スピカ:うーん、あのね……私ね、実は言うと……
ソル:実は言うと?
スピカ:朝食はパン派なの
ソル:ええええええええっ!?
ソル:って、驚く準備してたのに損したぜ何かと思ったらそんなこと全然気にするようなことじゃねーよ
スピカ:でも、みんな、朝はご飯でしょ?私だけパンにしちゃったら食費とか迷惑かけちゃうし……
ソル:あのなーそんなの誰も気にしねーって
ソル:そんなこと言ったらエグゼはトマトゼリー派だしたまもさんはいなり寿司派だぜ?
スピカ:ええっ、そうなの?
ソル:な? 朝ご飯なんてみんな好き勝手に食ってんだからスピカも好きなものを食おうぜ
スピカ:……うん、ありがとう
スピカ:でもやっぱり、私1人だけわがまま言うのは、ちょっとね
ソル:なんだよそれ、だったらよオレもパン派になればよくね?
スピカ:え……いいの?
ソル:よし、決まりだな明日の朝食、買っちまおーぜ
-:そう言って強引にスピカの手をとりパン屋に入っていく。
-:初めは渋っていたスピカだったが、様々な好物のパンを前にして気分はすぐに上がっていく。
-:スピカはずっと我慢していたパンを1つずつ丁寧に店員に指示をして、袋詰めにしてもらっていった。
-:そのラインナップを見ながら、ソルが言いにくそうにスピカに声をかける──。
ソル:えーと、あの……スピカさん?
スピカ:はい、何か♪
ソル:スピカさんの食べたいパンって甘い菓子パンのことだったの?
スピカ:うん、そうだよ!ラズベリーパンにチョコホイップフルーツサンドにカスタードパイ
スピカ:朝から甘いパンがいっぱいあるとすごく元気出るよね♪
ソル:いや、ちょ……それはちょっと
ソル:オレはてっきり、ソーセージとかカレーパンとか、焼きそばパンとか?もっと総菜パン寄りかと……
スピカ:えー、茶色い!そんなの全然かわいくないでしょ?
ソル:よし、スピカ、せめてバターロールとか食パンとかどっちでもいけんのにしようぜ!
スピカ:えー、なんでなんで?ソル君、甘いパン、嫌い?
ソル:いや、嫌いじゃねーけど……朝からそればっかってのはちょっとな、へへへ
スピカ:むぅ……
ソル:わかった、わかったわかった!代わりに甘いジャムとかクリームとか何でも買っていいから!
ソル:な、頼むよスピカでないとオレ、食べられないよ
スピカ:……うん、わかったよソル君が一緒に食べてくれるならそうするね
ソル:ふぅ……ナイスセーブだぜ、オレ