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サクラ:皆さん、こんにちはー
サクラ:ずいぶんと温かくなってきました
サクラ:春が近くなったのを感じますね
サクラ:春と言えば、春風音楽祭!
サクラ:選ばれた歌い手や踊り美味しい屋台
サクラ:そして楽しみなのは桜の開花ですよね!
サクラ:28
サクラ:美しい桜の花を眺め楽しみましょう
サクラ:皆さんが来てくれるの待っています!
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-:これは福男の手伝いを無事に終えトウゲンを後にした時のお話。さくらは休む間もなく新たな催し物、春風音楽祭の手伝いをしてる。そんな妹のことを気にしてたぬ彦はスピカ達に相談をもちかけてきた。
タヌヒコ:さくらが準備を手伝っている春風音楽祭に参加をしてもらえねえか?
オメガ:春風音楽祭って何?
タヌヒコ:ああ、知らねぇのかんじゃ簡単に説明すると……
タヌヒコ:開花前の花を咲かせる前夜祭開花後の花を見ながらの本祭それを一緒にやるんでぃ
スピカ:お花見みたいな感じかな
クロム:開花前にも、というのは少し違うようですが、おそらくそうでしょう
タヌヒコ:さくらもみんなに会えるのを楽しみにしてるみてぇなんだ
オメガ:楽しそう、面白そうオメガ、見てみたい!
スピカ:私も興味あるかな
クロム:あちらとこちらでの祭りの違いについて知るのも面白そうですしね
スピカ:それじゃ決まりだね!
クロム:せっかくの機会です見に行きましょう
タヌヒコ:ありがとよ!詳しいことはさくらに聞いてくれい!
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サクラ:皆さん、お久しぶりです!
オメガ:さくら、久しぶり
クロム:元気そうで何よりです
サクラ:えへへ、ありがとうございます
サクラ:春風音楽祭を見に来てくれたんですよね?
スピカ:うん、そうだよ
サクラ:では、花見会場へご案内しますね!
スピカ:ありがとう、さくらちゃん
オメガ:お祭り、楽しみ!
スピカ:焼きトウモロコシ、お好み焼きわたあめ、りんごあめ……
クロム:食べ物ばかりですね
スピカ:そ、そんなことないよ?
スピカ:輪投げとかくじ引きとか他にも楽しみなのあるし!
オメガ:面白そう! 屋台、全部見て回る!
サクラ:屋台もでますけれどそれだけじゃありませんから
クロム:詳しく教えていただけますか?
オメガ:たぬ彦にさくらに聞くように言われた!
サクラ:お兄ちゃん、ちゃんとお話してなかったんですね……
サクラ:わかりました。ではご説明しますね
サクラ:春風音楽祭はもともと豊作を祈願してのものでした
サクラ:シンボルでもある桜の樹に歌を捧げると花が咲きます
サクラ:ちなみに凄い歌を捧げる程綺麗な花を咲かせると言われています
サクラ:春の訪れを喜び、歌を楽しみ美しい桜を鑑賞する
サクラ:それが春風音楽祭なんです!
スピカ:聞いたらますます楽しみになってきたよっ
オメガ:早く桜の花の咲くとこ見てみたい!
サクラ:では会場に案内しますね!
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スピカ:ここが花見会場なんだね
オメガ:思ってたほど、人、いない
サクラ:会場はもう少し奥ですから
クロム:たしかにあちらのほうは賑やかですね
オメガ:みんな急いで行く!
オメガ:あれが桜になるのか?いっぱいある!
スピカ:すごい木々だね……!
クロム:ふむ……僕達の知る桜とは似て非なる物のようですね
サクラ:この辺りにある一番の桜の木はもっと奥にありますよ
スピカ:ここにあるのよりももっと立派な桜の木か~
オメガ:ここにある木何か不思議な力、感じる
スピカ:言われてみるとそんな気もするね
クロム:もう少し傍で見ればはっきりしそうですが……
サクラ:祭りが始まるまで時間もあるので見て回ってきたらどうですか?
スピカ:そうだね、そうさせてもらおっか
オメガ:桜見たい、もっと屋台も回りたい!
サクラ:えへへ、楽しんできてくださいね
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オメガ:たくさん、人いるみんな忙しそう
スピカ:でも、楽しそう
クロム:屋台の構造は既知の物と大きな違いはないですね
クロム:同一の目的を持って発展した物は同じ方向へと収斂するようです
オメガ:なんだか良くわからないこと言ってないで、もっと楽しむ!
クロム:たしかに、野暮でしたね楽しむことに集中しましょう
スピカ:こういう雰囲気って学校の文化祭を思い出すね
スピカ:クロム君はそう思わない?
クロム:僕はそのようなことはあまり積極的に参加をしませんでしたから
オメガ:クロム、もったいないオメガなら、全部に参加する!
オメガ:お祭りもしてみたい!
スピカ:私達も参加できるか聞いてみる?
オメガ:する! オメガもお祭りに参加する!
クロム:おもしろそうですね
-:スピカ達は春風音楽祭に参加できないか、さくらに相談することにした。
スピカ:許可ももらえたしこれで大丈夫だよっ
オメガ:オメガ達、何をする?何をすればいい?
スピカ:そうだね……
クロム:不慣れなことをするよりも得意なことをすべきでしょう
スピカ:得意なことか……
オメガ:オメガ、食べるの得意!たくさん食べる!
スピカ:だったら、食べ物の屋台はどうかな?
サクラ:いいと思いますよ
オメガ:美味しい物をたくさん作ってたくさん食べる!
スピカ:花見の定番の料理ってどんなのがあるの?
サクラ:皆さんお酒を飲むので濃い味付けの物が多いですね
クロム:串焼きや煮込み料理の屋台も多いようですね
スピカ:せっかく参加するんだし周りと違うほうがいいよね
サクラ:でしたら、甘いものはどうでしょうか
サクラ:さくらもちは人気ですよ
クロム:こちらの世界でも道明寺と長命寺のような違いがあるんでしょうか
スピカ:どうかな。聞いた感じだとなさそうだけど
オメガ:美味しければ、細かいことどうでもいい!
スピカ:だったらとびっきりおいしいのを作ろうっ
オメガ:うん、作る!
オメガ:スピカはすごい何でもできる
スピカ:そんなことないよ得意なことをしているだけで苦手なこともたくさんあるから
オメガ:スピカにも苦手なこと、あるのか?どんなことが苦手?
スピカ:それは、えっと……
スピカ:そ、そんなことよりもお祭りが始まる前に屋台の準備をしなくちゃ!
スピカ:作る時間もあるし早く材料を集めに行こうよ
オメガ:そうだった。準備は大切さくらもち、たくさん作る!
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スピカ:たくさん集まったね
スピカ:222400331
サクラ:24
スピカ:つやつやしてるとっても美味しそう…
スピカ:7
オメガ:スピカ、さくらもち作る前!まだ食べちゃだめ!
スピカ:た、食べてないよ?
オメガ:38
クロム:つい味見をしたくなる気持ちもわかります
サクラ:ちゃんと持ってきてくださいね?
スピカ:う、うん、任せてっ
オメガ:これでさくらもちが作れる?
スピカ:他にも材料が必要かな
オメガ:41
クロム:あと足りないものは何かありますか?
サクラ:そうですね…ぱに桜の葉が欲しいです
スピカ:たしかに、さくらもちには欠かせないよねっ!
オメガ:樹を丸裸にするくらいたくさん集める!
スピカ:そ、そんなにたくさんはいらないからっ
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オメガ:ぱに桜の葉、これで足りるか?
オメガ:222400341
オメガ:たりなければもっともっと採ってくる!
サクラ:41
サクラ:それだけあれば十分に足りますから
オメガ:これで、さくらもちを作れる?
サクラ:材料は揃いましたけど…スピカさん、できますか?
スピカ:うん、大丈夫だと思う
オメガ:さくらもち作りする!
スピカ:15
クロム:1
オメガ:1
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スピカ:お待たせ、できたよっ
オメガ:おいしそう!
サクラ:24
オメガ:5
スピカ:……どうかな?
オメガ:はむっ。もぐもぐっおいしい!オメガ、これ好き!
クロム:自信を持っていい出来だと思いますよ
スピカ:ありがとう
オメガ:7
サクラ:17
スピカ:わわっ、あまりたくさん食べたらだめだよっ
オメガ:これならいくらでも入るオメガなら、平気!
オメガ:7
サクラ:41
スピカ:たくさん作っておいてよかったよ…
サクラ:あの…
スピカ:わかってるよすぐに持ってくから
サクラ:ありがとうございます!
クロム:さくらに出来映えを確かめてもらうためにも戻りましょうか
スピカ:うんっ
オメガ:7
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オメガ:さくらもちできた!
サクラ:あ……皆さん、おかえりなさい
オメガ:……どうした? お祭りなのにみんな暗い!
サクラ:実は少し困ったことがあったんです……
クロム:どのような問題でしょう力になれるかもしれませんよ?
オメガ:お祭りは楽しくて嬉しいこと!オメガも、手を貸す!困っていること、話して
サクラ:ありがとうございますでは音楽隊の隊長さんにお話してもらいますね
タイチョウ:キミ達がさくらさんの言っていた人達か
クロム:問題が起きたそうですがどのようなことなんでしょう?
タイチョウ:春風音楽祭では、桜を眠りから覚ますために歌を捧げるんです
タイチョウ:しかし、今年の歌い手の子が喉をやってしまいまして……
ウタイテ:ごめんなさい……ボクが練習しすぎたから……
タイチョウ:キミは何も悪くない!だからそんな顔をするな
オメガ:歌がないとどうなる?花、咲かない?
サクラ:ぱに桜は目覚めた分だけ花が咲きます
サクラ:そして目覚めるには凄い歌が必要不可欠なんです
サクラ:歌が凄くないと少ししか目覚めないので……
スピカ:満開にはならないんだ
サクラ:はい……
クロム:他に歌い手はいないんですか?
タイチョウ:当然だが、歌い手になるためには必要な条件があるんだよ
オメガ:オメガ、いいこと考えた!スピカが歌えばいい
オメガ:スピカは声も綺麗何でもできる!
スピカ:え……!?
タイチョウ:たしかに……他に代わりがいないなら……
ウタイテ:お姉ちゃんが、かわりに?
ウタイテ:歌ってもらえるならいいかもしれないね!
サクラ:この子もこう言ってますしお願いできませんか?
スピカ:無理、無理だよっ
オメガ:スピカは、どんなことも上手!
スピカ:ええと……あのね……私、あまり歌が得意じゃないの
ウタイテ:え……そうなの?
クロム:そのような謙遜をすることもないでしょう
スピカ:謙遜とかじゃないの本当に歌が苦手で……
オメガ:スピカなら苦手でもきっと上手!
ウタイテ:た、ためしに歌ってみてもらえますか?
スピカ:うう……歌うのは本当に苦手なんだけど……
ウタイテ:お、お姉ちゃん、歌う前にこれを飲んだほうがいいよ
ウタイテ:喉が潤って良い声が出るよ!
スピカ:ありがとう、もらうね
タイチョウ:準備も整ったようだしではお願いできるかな?
スピカ:…………はい
スピカ:ざぐら゛あ゛あ゛ああア゛サくらぁアア゛あ゛あ゛
タイチョウ:な……!?
サクラ:はう……!?
オメガ:す、すぴか……うた……が……ががが……
ウタイテ:あれ……もしかして失敗だった……?
クロム:これは、予想外ですね間近にこんな未知がまだあったとは
スピカ:えと……どう、かな?
-:歌い終えたスピカの目に映った光景は、凄惨なものだった。
-:音楽隊隊長は四肢を痙攣させ軽く白目を剥いている。
-:オメガはギクシャクと体を震わせ、虚ろな目をしている。
-:さくらはいつからか目を閉じ動かなくなっていた。
-:クロムはまるで人形のように無表情となって何事かをブツブツと呟いている。
タイチョウ:す、すばらし……キミこそ……求めていた歌い手……
タイチョウ:桜の目覚めを……後は……まかせた……がくっ
スピカ:た、隊長さんっ!?
クロム:音程の取り方でしょうかいえ、発声方法を変えれば……
スピカ:ク、クロム君?
クロム:有効利用をすればモンスターの動きを封じられる可能性が……
オメガ:ピ……ガ……ウタ……スゴイ……イリョク……
スピカ:さ、さくらちゃん、みんなが大変なことに……!
サクラ:あ……スピカさんならきっと……できます……
スピカ:さくらちゃんっ!?
スピカ:ううう……だから苦手だって言ったのに……
スピカ:でも、このままじゃだめだよねどうしよう……
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クロム:……はっ!?
クロム:いけませんね。外界の刺激をカットして、つい思考の底へ沈んでいました
スピカ:よかった、気付いてくれて
クロム:しかし想像以上でしたいくら歌が苦手とはいえこれはさすがに……
スピカ:前の時は、もうちょっと普通に歌えたと思うんだけど……
クロム:つまり、これほどの状況はスピカ君も初めてだと?
スピカ:う、うん、そうだと思う……
クロム:……何か原因があるのではないでしょうか
スピカ:原因?
クロム:ええ。先ほどのスピカ君ですが歌が下手とかいうレベルではありませんでした
スピカ:はうっ!?
クロム:これほどの歌をうたうのは普通の人間では無理でしょう
スピカ:そ、そこまでかな……?
クロム:技術や体質的な問題以前の破壊力でした
スピカ:歌のことを言われてるとは思えないよ……
オメガ:シュ……フク……カンリョ
オメガ:う、ううん……?オメガ、寝てた?
スピカ:よかった、治ったんだねっ
オメガ:ダメージを受けてる何があった?
スピカ:私が、歌ったから、かな……?
オメガ:オメガ、歌を聞いただけでこんなにシンコクなダメージ受けな……ウタ、コワイ……
スピカ:わ、わあっ、オメガちゃん!?
オメガ:今、また……ちょっと寝てたみたいな気がする
スピカ:ううぅ……私、本当に歌っただけなのに……
クロム:歌う前に何か変わったことはありませんでしたか?
スピカ:変わったこと……?
クロム:些細なことでも良いのですが普段、歌う前と違うことです
スピカ:違うこと違うこと……あ!
スピカ:そういえば、歌う前に飲み物をもらったんだよ
クロム:飲み物ですか……?
スピカ:うん、喉に良いからって
クロム:誰にもらったか覚えていますか?
スピカ:音楽隊の歌い手の子だよほら……あれ?
クロム:どうしました?
スピカ:どこにもいないみたい……
クロム:その飲み物は残ってますか?
スピカ:コップなら、そこにあるよ
クロム:調べさせてもらいましょう
オメガ:クロム、何かわかった?
クロム:ええ。どうやらこれがあの歌の原因のようですね
スピカ:飲み物に何か混じってたの?
クロム:魔力を感じます恐らく呪いの一種でしょう
スピカ:ええええええっ!?
オメガ:だからスピカの歌すごかった?
スピカ:そ、そっか。そうだったんだ……
クロム:この呪いを解除すれば先ほどのような悲劇もなくなるはずです
スピカ:悲劇って……
オメガ:破壊力のほうがいい?
スピカ:どっちも嫌だよ
サクラ:まさか呪いだなんて……どうしたらいいんでしょう
タイチョウ:今のままでも十分な歌なのだが
スピカ:き、気をつかわなくて結構ですから!
サクラ:確かに呪われているというのはいい気分じゃないですよね
タイチョウ:ふむ、だったら麗しき甘露を使ったらどうだろうか?
サクラ:たしかにあれならスピカさんにかかった呪いを解くこともできそうですね
スピカ:それがあれば普通に歌えるようになる?
サクラ:そのはずです
オメガ:スピカのちゃんとした歌を聞きたい
サクラ:ではまずは材料となる麗しの樹液を持ってきてください
スピカ:うん、がんばるっ
サクラ:甘露にするためのお水はこっちで用意しておきます
スピカ:ありがとう!
オメガ:スピカ、気合い入ってるオメガも負けないくらいがんばるっ
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スピカ:29
サクラ:30
オメガ:これでスピカの歌元に戻る?
クロム:ええ、そのはずです
スピカ:よかったぁ…
クロム:そちらはどうですか?
オメガ:15
サクラ:はい、整ってます材料を持ってきてくれればすぐにでも作れます
オメガ:26
スピカ:28
talk_51100303
オメガ:麗しき甘露これでできるか?
サクラ:はい、大丈夫ですよ
オメガ:スピカ、良かったね
スピカ:う、うん……
サクラ:すぐに作ってきますねちょっと待っててください
クロム:これで解決ですね
オメガ:今度こそ、スピカの歌が聞ける!
スピカ:ねえ……やっぱりもう一度歌わないとだめかな?
スピカ:本当に歌は苦手なんだけど……
オメガ:呪いがなくなる。スピカが歌うきっと桜も咲く
クロム:今度は邪魔も入りません安心してください
スピカ:ううう……わかったよがんばってみる
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スピカ:んく、んく、んく……ぷあっすっごく甘いんだね
オメガ:美味しい? オメガもちょっと飲んでみたかった
クロム:薬のようなものですからね不要な時は飲まないほうがいいでしょう
オメガ:わかった。残念だけど諦める
サクラ:それで、喉の調子はどうですか?
スピカ:あ、あ、あー、あ、あっ
スピカ:普通に声は出るけど……
クロム:先ほどのような威力はなくなりましたね
オメガ:破壊力が減った大丈夫
スピカ:やっぱり歌のことを話している気がしないよ……
タイチョウ:これで春風音楽祭ができる!
サクラ:きっと桜も開花しますよ
タイチョウ:歌う場所はこの先にある桜の長老と呼ばれている木の所です
タイチョウ:楽器などの準備をしておきますので先に向かっててもらえますか?
オメガ:がってんがってん!
サクラ:あ、長老の所に行くにはサクラジェムを捧げる必要があります!
クロム:それを集めながら向かうとしましょう
スピカ:うう……緊張してきたかも……
オメガ:スピカの歌ならきっと大丈夫!
タイチョウ:その通りだ! 私が保証しようっ
オメガ:スピカの本当の歌とっても楽しみ!
クロム:なぜ、こんな妨害をしたのか理由を知りたいですしね
スピカ:私、がんばって歌うからっ
talk_51100402
ウタイテ:ここまで来ちゃったんだ……
スピカ:どうしてあなたが?
ウタイテ:うん? ああ、そっかボクは桜の精だからだよ
桜の精:今、ボクがこの子の体をちょっと借りてるんだよ
クロム:桜を起こすと言ってましたがあなたがそうなんですね?
桜の精:そうだとも言えるしそうじゃないとも言えるかな
オメガ:どういうこと? 何を言ってるかよくわからない
桜の精:ボクの一部が、この子の体を借りてるんだよ
クロム:つまり本体は眠っているということですか
スピカ:ちゃんと歌ってそっちを起こせばいいんだよね?
桜の精:いーやーあー!ボクは寝てたいのっ
桜の精:ぜったい、ぜったい、ぜったいに起きないんだからー!
クロム:なるほど。起きたくなかったから邪魔をしていたのですね
オメガ:大丈夫、スピカの歌なら無理やり叩き起こせる!
スピカ:私の歌って……いったい……
桜の精:その子を歌わせたりしないからっ
クロム:スピカ君の歌が嫌なら素直に起きてください
桜の精:う、たしかにそうすれば歌を聞かずに……って
桜の精:どっちにしろ起きるってことじゃないかーっ
クロム:残念ですね。気付かれてしまいましたか
桜の精:そんなにボクを起こしたいならこいつを倒すんだねっ!
オメガ:わかった、倒す!
スピカ:しかたないよね
クロム:手早く倒すとしましょう
桜の精:あ、あれ? びっくりして逃げたりしないの?
クロム:残念ですが、こういうことには慣れているんですよ
桜の精:うう……怪我しても知らないからねっ
桜の精:やっちゃえっ!!
talk_51100403
桜の精:うう~。そんなに強いなんて思わなかったよ……
オメガ:オメガ達が勝った!諦めて起きる!
桜の精:でも、まだ寒いし日の光も弱いしボクはただ、もっと眠っていたかっただけなのにー
桜の精:だいたい桜の花が咲いても咲かなくてもどっちでもいいじゃない
オメガ:楽しみにしている人達がたくさんいるのに?
桜の精:それはわかってるし嬉しいけどさ……
スピカ:そうだね……人の都合で起こすのはよくないよ
桜の精:わかってくれる?花なんて咲きたい時に咲けばいいと思わない?
オメガ:色々言ってるけどただ寝ていたいだけ
桜の精:う……!? バレてるっ
クロム:遅かれ早かれ咲くのでしたら大きな違いではないでしょう
桜の精:ええ~、十年とか百年に一回でいいんじゃないかな?
オメガ:それは寝過ぎ
スピカ:でも、たしかに無理やり起こされるなんて嫌だよね……
スピカ:わかった、私がみんなにもう少し寝かせてあげてってお願いしてみるよっ
スピカ:だから寝たいだけ寝ていいよ無理に起こしたりしないから
桜の精:そんなこと言ったらお姉ちゃん、みんなに怒られない?
クロム:祭りの否定ですからそういう反発はあるでしょうね
オメガ:スピカがそうしたいのならオメガも手伝う!
桜の精:もう……そんなこと言われたら寝てられないじゃない
桜の精:……しかたないからやっぱり起きてあげる
スピカ:いいの?
桜の精:うん、そう決めたからその代わり……
桜の精:お姉ちゃんの歌、聞かせてよね
talk_51100404
-:さくらや音楽隊の隊長を始め集まった皆は固唾を飲んで見守っていた。
サクラ:喉は大丈夫ですか?
スピカ:んっ、んっ……あー、あー大丈夫……かな?
オメガ:スピカ! 早く歌う!
スピカ:そ、それじゃ……
スピカ:すぅ~~~~はぁ~~~~腹式呼吸腹式呼吸……すぅ~~~~はぁ~~~~
スピカ:さァくうぅらああアア~サくぅうラアアアア~♪
サクラ:あ……あ、あ……ああぁ……これは、すごい、です……
オメガ:ガ……ピ……ダメージシンコク……
スピカ:……って、あ、あれ?
桜の精:いい感じだったのにどうして歌をとめるの?
スピカ:このまま続けてもいいのかな?
桜の精:もちろんだよ
-:春風音楽祭の前夜祭の目玉桜への歌の奉納。
-:集まった人達の注目を集めながらスピカは舞台へと立つ。そして……
スピカ:ざぁぁぁぁぐら゛あ゛あ゛ああア゛サぁぁぐらぁアア゛あ゛あ゛
クロム:よ、より強力に……さらに凶悪に恐ろしい威力となってますね……
タイチョウ:お、お゛おおお゛っ!すばら……すばらし……
スピカ:隊長さんが、つり上げられた魚みたいにビクビクってっ!?
オメガ:スピカ、ウタ、スゴイ……サイキョウ……
スピカ:な、なんだかオメガちゃんが変な感じにっ!?
桜の精:あははははっ、さいっこーだよっもっともっと歌ってっ!
スピカ:いざやあ゛あ イザやぁあ~
タイチョウ:歴代でも……最強の、歌……
サクラ:聞く人の魂を揺さぶって粉々にするような……
スピカ:それってぜったいに褒め言葉じゃないよねっ!?
桜の精:あれ? なんかみんなダメージを受けてない?
クロム:ふぅ。どうにか耐えきりましたボスとの戦闘並に……いえそれ以上と言えますね
スピカ:そ、そんなに……!?
クロム:しかし麗しき甘露を飲んだというのになぜなんでしょう……?
クロム:まさか不完全な物だったので呪いが解けなかった?
桜の精:何を言ってるのかなちゃんと呪いは解けてるじゃない
クロム:し、しかし、解呪したのならばなぜ、このような惨状に……?
スピカ:惨状……私の歌、惨状なんだ……
クロム:歌を上手く歌えないようにする呪いではなかったのですか……?
桜の精:なにそれ? そんなことしたらボクの目が覚めちゃうじゃん
桜の精:ボクが飲ませた飲み物は歌が上手くなる呪いだよ?
スピカ:ええええええっ!?
オメガ:オメガ、信じたくない嘘だと、言ってほしい
桜の精:上手な歌を聞けば眠くなるでしょ?
桜の精:ボクを目覚めさせたいんだったら強烈な歌ほどいいんだよ
オメガ:スピカの歌なら、文句なしに強烈で強力で凶悪!
クロム:図らずも僕達は最良の選択をしたのですね
スピカ:ちょっと待って2人とも、それってどういうことなのかな?
桜の精:つまりキミは最強最高の歌い手だったってこと
桜の精:すっかり目も醒めたしボクは樹に戻るよ!
桜の精:綺麗に咲くから見ててね!
-:笑顔を浮かべた桜の精が幹に吸い込まれるように消えていく。
ウタイテ:あ……れ……私……?
-:スピカ達が見上げる先……枝についた蕾みが色づき、膨らみ次々に花が咲いていく。
-:柔らかな日射しの中、淡く輝く薄桃色の花弁がふわりと舞う。
-:それは春の訪れを告げるのに相応しい、美しい光景だった。
オメガ:とっても綺麗!スピカ、さすが!
タイチョウ:これはすばらしい……!私が見た中で、最高の桜だ!
サクラ:なんて見事な満開……
スピカ:そ、そうなんだ……
ウタイテ:どうやったらこんなふうに桜が咲くほど歌えるの?
ウタイテ:私もいつか、これくらいすごい歌を歌いたい!
スピカ:はうっ……!?
オメガ:それは、やめたほうがいい。オメガ、そう思う
スピカ:あは……あははは……
オメガ:スピカにも苦手なことがあるオメガ、よくわかった
スピカ:わかってもらえて嬉しいけど素直に喜べないよ……
クロム:喜んでいいと思いますよ鍛えれば、モンスターさえ歌で倒せるかもしれません
スピカ:もうもうっ、そんなこと言われても嬉しくないよっ
オメガ:スピカ、苦手なことも他の人より酷くてスゴイ!
スピカ:ううう……そ、そんなにかな?
オメガ:破壊力、きっと世界でもトップクラス、誇っていい!
スピカ:うわーん、そんなこと誇れないよっ
スピカ:うう……ぐすっ、いいよいいもんっ。こうなったらやけ食いだよっ!
スピカ:1人で、さくらもち全部食べちゃうんだからぁっ!!うわああああぁんっ
コンシェル:皆様に重要なお知らせがあります
コンシェル:桜の長老の咲く森にエーテルを多く獲得できるダンジョンが開放されました
コンシェル:文字色が緑色で桜の長老からの贈り物という名前が目印になります
コンシェル:興味のある方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか